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この記事の目次
妾を将兵に食わせて一致団結臧洪
臧洪も、三国志に登場する人物です。彼は親友の張超が曹操に包囲された時に袁紹に救援を頼みますが、袁紹は曹操の上司であり、悪いのは張超であるから救えないと拒否します。これを逆恨みした臧洪は、雍丘という都市で籠城します。
臧洪は、攻撃を耐え抜きますが、食料が尽きてしまい、もはやこれまでと思った臧洪は、8000人の役人と民衆に、元々、この戦は私と袁紹の確執で君たちは無関係だから妻子を連れて城を出るがよいと命じますが、臧洪はよほど人望があったのか誰も城を去りません。
やがて城内からは食糧が尽き、ネズミも食いつくし、楽器の角筋まで煮て食いますが、いよいよ、城内に食糧は米三斗だけになります。料理人は米三斗で粥を造り臧洪に食べさせようとしますが、皆が餓えているのに自分だけ粥は食えないと、これを水で薄めて、8000人に振る舞い、(ほぼ水だよ)副菜として自分の妾を殺して肉にして配りました。
この臧洪の気遣いに兵と民衆は感激して泣き、ついに全員が自殺して一人も降伏しなかったそうです。趙季伯にも妻子が居たわけですから、これを殺して住民に、、あ、これは幾ら漫画でも無理か・・
女を盾にして城を脱出 劉邦
キングダムの秦王政の後に、項羽を倒して天下を獲ったのが漢の高祖劉邦です。紀元前204年、劉邦は滎陽という城で項羽の軍勢に包囲されて食糧が尽きつつありました。
そこで、紀信という部下が劉邦の身代わりになり嘘の降伏で項羽を引きつけるから、その間に城から逃げるように進言します。こうして劉邦が裏手門から逃げると同時に紀信は劉邦の着物を着て皇帝が乗る黄色の蓋の馬車に乗り、鎧で武装した2000人の女性と門から飛び出します。
そこで項羽の軍が矢を射かけると劉邦に成り済ました紀信が降伏を告げると、楚兵は戦争が終わったと早合点して包囲を解き、その間に劉邦は遠くに逃げおおせます。女性を武装させて盾にして逃げる、なかなかエグイ作戦です。
もっとも、鄴攻めでは鄴陥落が王翦の目的なんで、この手は使えませんね
妻子を城から追放し食い扶持減らす呂文煥
呂文煥は、南宋時代の忠臣で襄陽城を守備し1268年から1273年まで5年間、モンゴル帝国の攻城戦を耐え抜きました。彼は公正な人物であったらしく、兵糧の減りを食い止める為に自分の妻子を城外に追放しています。
援軍が来ない中で、孤立無援の戦いを続ける呂文煥ですが、最後にはモンゴルの投石兵器、回回砲で城壁を破壊され、打つ手がなくなり降伏しています。趙季伯も妻子を城から追い出して、徹底持久戦を呼びかければ、あと1日くらいは持ったかも知れませんね。
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