【左慈の逸話】実は劉表や孫策とも面識があった!?

2020年7月8日


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黄権が有能と言われる理由(1P目)

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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更に左慈のトンデモエピソード

封神伝(書類)

 

さて話を神仙伝(しんせんでん
)
に移しましょう。この神仙伝は西晋(せいしん
)
時代に成立した、仙人のような人たちの逸話をまとめたものです。そしてこちらの方にも左慈のエピソードが出てくるのです。ただしこちらの話は後漢書の曹操との話と被るようなものが多いのも特徴ですね。

 

曹操

 

その中では密閉された石室の中で穀物を食べないまま一年過ごしても元気だったから曹操に危険視されたともあり、いや曹操でなくてもこんな人不気味じゃないか……とも思いますが、この中で左慈は劉表(りゅうひょう)孫策(そんさく)とも面識があったとされているのです。

 

劉表や孫策とも面識があった左慈?

後継者を決めるのに困っている劉表

 

神仙伝でもやはり曹操とトンデモエピソードを披露する左慈ですが、その中に劉表の元に行ったとされています。しかし劉表も左慈を不気味がって殺そうとしますが、左慈がお酒と干し肉を無限に出して兵士を歓待したからもうどうでもいいか……となったそうな。いやあんまり良くはないような……曹操の話を見ると特に。

キレる孫策

 

因みに孫策にもやっぱり殺されそうになるけど孫策は左慈に馬でも追い付けず諦めたそうです。こちらは左慈は悠々と逃げおおせていますが、孫策と絡む仙人と言えば于吉がいるので、そちらとの比較が面白いところですね。ともあれ権力者たちを煙に巻いてしまう左慈は、真偽はどうあれ面白い人物とされていたのかもしれません。

 

三国志演義の左慈

三国志演義_書類

 

最後に少し、三国志演義の左慈を紹介しましょう。三国志演義では左慈は曹操をからかう謎の仙人という風体で、後漢書や神仙伝でのエピソードも取り入れられています。

献帝が傀儡化されキレる劉備

 

そして曹操に劉備(りゅうび)殿に天下を治めて頂くように、という謎の発言もしていますね。この話から左慈は劉備びいきのようなイメージを受けますが、曹操をからかうだけからかったら姿を消すため、実は劉備の手助けをするような話は出てきません。この辺りはやはり三国志演義では劉備を主人公扱いするための演出と言ったところでしょうかね。

 

三国志ライター センのひとりごと

三国志ライター セン

 

三国志演義と正史を比べると、人物が違っていて驚くことは多々あります。しかし左慈に関しては、正史を見た方が訳が分からなくなるという不思議な人物です。こう逸話を見てみるととてもファンタジー色が強いのですが、これが後漢書に乗っているというのが事実。正に事実は小説よりも奇なり、を地で行く人物ですね、左慈は。

 

文:セン

参考文献:後漢書方術列伝

弁道論 典論 神仙伝

 

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太平道の秘密

 

 

 

 

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セン

両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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