実は赤壁の戦いで死んでいない蔡瑁、彼は三国志演義の被害者か否か

2020年7月19日


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赤壁の戦いで死んでいない蔡瑁(1P目)

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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蔡瑁は悪役だったのか

正史三国志_書類

 

 

蔡瑁のやったこと、実績を正史準拠で見ていくと「もともと力を持っていた豪族」「劉表の荊州平定後から尽力して仕える」「曹操への降伏を進言」「劉キを追い出した」となります。

 

献帝を傀儡化する曹操

 

 

とはいえこの時点で曹操は漢王朝の代理人みたいなものですから、曹操に降伏するのはある意味で当然のことです。また劉キを追い出したことに関して言うと、この時点で劉キは劉備と結託している、つまり漢王朝でもある曹操と対立していると考えると、むしろ荊州のことをよく考えた行動ではないでしょうか?演出が加えられている三国志演義ではなく、正史で追っていくと蔡瑁の行動は決して悪ではないと思います。

 



蔡瑁の行動の一貫性

魔のトリオ攻撃が劉備を追いつめる!07 蔡瑁、劉備

 

 

三国志演義で見ていくと権力を欲しいままに行動していく良く分かりやすい悪人のように見えますが、正史で見てくとこの時代の荊州と言うのは群雄割拠の時代ということもあってまだまだ不安定。

カイ良、カイ越、蔡瑁に初めて会う劉表

 

 

荊州に秩序を取り戻すためには皇族であった劉表を盟主に据えるのは妥当であり、その劉表家のことを考えれば曹操や漢王朝に逆らわないように行動した蔡瑁の行動は、的を射ているものです。敢えて言うなら曹操が赤壁で負けたから荊州がその後も戦乱真っただ中になってしまうのですが、それは蔡瑁には分からなかったことなのでどうしようもないことでしょう。

 

蔡瑁は三国志演義の被害者か否か

三国時代の船 楼船

 

 

個人的に言うと、蔡瑁は三国志演義の被害者ではありません。多少の悪役化はされていますが、水軍都督として非常に優れている人物と言われていますし、周瑜からも高い評価を受けています。だからこそ周瑜は離間の策によって蔡瑁を取り除いた訳ですから。

 

呉蜀赤壁の戦い

 

 

むしろ敵役でありながら非常に高い評価を受けていると言えると思います。もしかしたらここで「そんなすごい奴だったのに曹操は処刑しちゃった」「だから赤壁で負けちゃった」という理由付けのために処刑されたのでは……が、それでも他の演義の被害者たちほどは能力を下げられてはいないと思うのですが、どうでしょうか?

 

三国志ライター センのひとりごと

三国志ライター セン

 

 

個人的に蔡瑁は曹操の悪役化をするための一つのコマであると思っています。優秀な人物なのに敵の策に嵌ってまんまと処刑する、しかも今までの功績もあるのに……曹操酷い!という感じですね。そしてそんな優秀な人物がどうやって退場するのかも、実は曹操が処刑することですんなりいくのです。そういった役割として蔡瑁は非常に便利だったのでは?と、いういつもの筆者の妄想でした。

 

参考:襄陽記

 

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赤壁の戦い

 

 

 

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セン

両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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