麒麟が来る前にコロナが来て、3カ月もの間、放送が延期されていたNHK大河ドラマ「麒麟がくる」が8月30日(日)午後8時より放送再開されました。
今回は、前回、織田信長が桶狭間で今川義元を討ちとり、日本史に名前を燦然と輝かせてから4年後、越前で寺子屋の先生のような生活を送る明智十兵衛から始まります。
それでは、行ってみよう!麒麟がキターーーーー!!
この記事の目次
麒麟がくる第22話 感想あらすじ「京よりの使者」
永禄7年(1564年)管領細川晴元が病没、三好長慶は都の実権を完全に掌握していました。さらに長慶は重臣の松永久秀に大和支配を任せ畿内一円に影響力を拡大しています。
従来のNHK大河ドラマでは、三好長慶については、あまり触れられず、京都は織田信長上洛まで混乱の巷だったようなイメージが支配的ですが、最新研究が反映され、戦国最初の天下人としての三好長慶の功績が前面に出ています。
もっとも、ボンバー松永はよく出るのに黒幕の三好長慶はあまり登場しないんですけどね。十兵衛は、毎日部屋に閉じこもり書物を読んだり、村の子供達に読み書きを教えるなど寺子屋の師匠みたいな生活をしています。
部下の明智左馬之助も、うだつのあがらない十兵衛に半ば呆れている様子でした。
もちろん、十兵衛も危機意識がないわけではありません。寺子屋の僅かな収入だけでは次女の玉(細川ガラシャ)が誕生し、4人になった家計は苦しくなる一方だからです。しかし嫌な朝倉義景には仕えたくないし、他に仕官先もない悩みを読書で誤魔化していたのです。
そんな時、昔からの知り合いである細川藤孝が十兵衛の屋敷を、ひょっこりと尋ねてきました。さあ、事件が始まります。
麒麟がくる第22話 感想あらすじ「十兵衛mission義輝カウンセリング」
久しぶりの再会で十兵衛もテンションが上がります。妻の熙子が乏しい家計をやりくりして心づくしの酒肴を用意し、ささやかな宴が始まりました。
藤孝は室町幕府の幕臣なので、十兵衛の母の牧は興奮し、長女の岸と生まれたばかりの次女、玉を藤孝に抱いてもらいます。後に、玉は成長して藤孝の息子、細川忠興の正室になるので、これはその伏線ですね。
しばらく和やかに談笑した後で、十兵衛は藤孝が自分を尋ねてきた本当の理由を問いただします。昔はこういう事に鈍感だった十兵衛も苦労して人間が擦れて、裏読みをするようになりました。
藤孝は、義輝が十兵衛に上洛して二条御所で共に能を鑑賞して欲しいと言っていると告げます。
「それは光栄だが、何故、一介の浪人である私に義輝様が?」
もっともな疑問に藤孝は観念し、最近、義輝はすっかり政治に疲れ、藤孝や藤英の諫言にも耳を貸さず、政務を放棄して御所に引き籠っていると正直に告げます。
21世紀の引きこもり問題の先駆けが足利義輝だったんですね。
そのこじらせぶりは深刻で、朝廷の慣例である六十年に1度の永禄改元にも協力せず、自分は前年号の弘治を使い続けていて、関白の近衛前久に改元に協力するように求められても、
「あなたには、あたすが将軍に見えますかね?うぇ?」(少し誇張)と開き直る始末でした。
ただ、無位無官の十兵衛には、遠慮なく本音を言えそうなので、どうか呼んできて欲しいと藤孝に命じたようなのです。すでに朝倉義景には話を通してあると、いつもながら段取りが良い藤孝に促され、十兵衛は、熙子に留守を任せ上洛を決意しました。
麒麟がくる第22話 感想あらすじ「今回のお駒さん」
桶狭間の戦いの後、政治の混乱で駿河から解放された望月東庵と駒は京都に戻ってきていました。駿河で親しくなった松平元康からも手紙が届き、16年間離れ離れだった母の於大の方と再会できた事や、信長の考えで三河の岡崎に戻れた事を知り喜びあっています。
さて、駒は京都に戻ってからも東庵の助手として働いていましたが、駿河で謎の医師、芳仁に製法を習った万病に効く丸薬を自作し、増え続ける京都の傷病者に配るようになりました。
ところが、東庵はお駒の造る丸薬を得体が知れない毒薬と決めつけて、そんなモノを配ってはいけないと厳しく注意します。それに対してお駒は猛反発、これは駿河で芳仁という老人に習った丸薬で安く大量に造れて万病に効くと主張しますが、その老人が得体が知れないのだ!と東庵に言われ、思わずカチンと来て衝動的に診療所を出て行ってしまいました。
麒麟がくる第22話 感想あらすじ「駒と伊呂波と関白」
とはいえ、戦災孤児の駒には、東庵以外の身寄りと言えば伊呂波太夫しかなく、そのまま伊呂波太夫の屋敷に足が向いてしまいました。
そこで、伊呂波は身分が高そうな狩衣姿の若い公家と双六に興じています。伊呂波は双六に強く若い公家は連戦連敗し、もう勝負に飽きている感じです。
伊呂波は駒に、この若い公家が、関白近衛前久であると告げました。
駒は仰天します!関白は、天皇に仕える貴族の中で最高の地位を持つ雲上人で、普通なら駒のような庶民が対等な立場で口が利ける相手ではありません。今さらながら平伏する駒に伊呂波は大笑いし、かしこまらなくていい、この人は私の弟みたいなもんなんだからと告げます。
伊呂波太夫も孤児で、幼い頃に近衛家に拾われ、前久とは姉弟同然に育った時期があったのです。ここで伊呂波は、これから前久と共に旅芸人一座のいる大和に向かうが一緒に行かないか?と駒を誘います。
なんでも、最近、大和の支配者、松永久秀の妻が病死し大和では鳴り物禁止令が出て、旅芸人も仕事が出来ずに困っているので、それを取り消させに行くそうです。前久は前久で、松永久秀に問いただしたい重要な案件があるようで…
しかも費用はケチな伊呂波が全額負担するというご都合主義大盤振る舞いでした。診療所を飛び出し、行くあてもない駒は、伊呂波太夫についていく事を決めて、一行は大和に向かいます。
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