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曹氏と夏侯氏の関係を壊した夏侯尚
当時、政略結婚が主流でした。結婚とは愛情だけではなく、家と家の結びつきでもあったのです。つまり伴侶を蔑ろにしているというのは、その伴侶の家を蔑ろにしていると同義です。
そして夏侯尚の正室は皇族の一人、言ってしまうと皇族を蔑ろにしていると同義なのですね。これは夏侯尚の正室だけの問題ではなく、下手をすると皇室全体の権威に関わります。そういう意味で、曹丕もさておくことはできなかったのでしょう。
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家と家の結びつきの重要性
というよりも、魏の建国した時期を考えると、曹家と夏侯家はより親密に、国を支えていかなければなりません。結婚自体がいつ頃なのかは分かりませんが、例え結婚して年月が経っていたとしてもよりにもよって、この時に曹家のお嫁さんを蔑ろにしているというのは外聞が悪すぎるでしょう。
曹家、夏侯家の二枚看板、それが揺らいでしまう可能性があるからです。
そういう意味では二人は政略結婚です。しかしこの時代において、政略結婚は時に何よりも重要でした。そのことを理解していなかったか、それともそれを忘れるほどに愛妾にのめり込んだか……ただ正室ほっぽって愛妾に入れ込んだだけじゃない、夏侯尚のやらかしがここにあるのだと思います。
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三国志ライター センのひとりごと
と、言ってしまいましたがここの夏侯尚の精神の病み方を見ていると、何というか、心苦しさも感じなくはありませんよね。しかし時代は戦国、家と一族が色々な場面に関わり合ってくる時代でした。
そういう時に「それ」が考えられなくなる夏侯尚は、優秀であっても精神的な面での不安があったのかな……なんて、ちょっと考えた次第でした。
ちゃぷり。
参考文献:魏書夏侯尚伝
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