魏の重鎮の一人として知られる于禁。
正史三国志では勇猛な将軍で中々に優秀な人物として知られていますが、関羽にあっさりと降伏してします。しかし蒼天航路に登場する于禁は関羽に降伏するシーンが全然違います。どのように違うのでしょうか。
正史三国志の于禁降伏シーン
于禁は関羽に降伏してしまいますが、正史三国志にはどのように描かれているのでしょうか。正史三国志・于禁伝によれば、于禁は漢水が氾濫したため、高台に兵士を避難させます。于禁はその後関羽率いる水軍からの攻撃を受けてしまい、降伏してしまいます。ちょっと残念なくらいあっさりとした描き方になっております。
更に曹操は于禁が降伏したことを知ると「于禁は危機を前にして困難にあっては、新参者の龐徳に及ばないとは知らなかったぜ」と述べており、曹操が于禁に対して失望している姿を想像することができると思います。
また正史三国志の作者・陳寿は「于禁は剛毅な武将だが、終わりを全うすることができなかった」と述べており、于禁は関羽に降伏したせいで正史三国志において、彼の生涯の後半部分においてあまりいい扱いを受けませんでした。しかし蒼天航路の于禁の降伏シーンは結構かっこよく描かれているのです。
蒼天航路の于禁降伏シーン
蒼天航路の于禁が降伏するシーンは正史三国志のようにあっさりと描かれているわけではありません。むしろかっこよく于禁が描かれています。蒼天航路の于禁は漢水が氾濫する前に関羽へ堂々と一騎打ちを仕掛けていきます。しかし漢水が氾濫したせいで、于禁が引き連れてきた兵士がバラバラになってしまい、少数しか率いていない状況に置かれてしまいます。関羽は大軍を率いて于禁が避難している高台へ迫ると降伏するように促します。
于禁ははじめ関羽に降伏することを拒みますが、関羽も曹操に一時的に降伏していることを思い出し、関羽も曹操に降伏しながら自分のプライドを捨てずにいた状況を思い出し、関羽に降伏することを決意します。この時の于禁は関羽に降伏するからみじめな姿ではなく、むしろ堂々と関羽に降伏している姿でした。更に于禁は関羽に降伏する際「飯を食わせろ」と要求している有様で、降伏する于禁に「ちょっと于禁!!偉そうにしすぎじゃない」と突っ込みを入れたくなるほど堂々としています。
曹操も于禁の降伏を軽蔑していない
正史三国志では于禁が降伏したとき、曹操が彼を軽蔑するような表現を残していました。しかし蒼天航路の曹操は于禁が関羽に降伏したからと言って彼を軽蔑するような言葉を一切残していませんでした。この点も正史三国志と蒼天航路での違いといえると思います。
三国志ライター黒田レンの独り言
今回は于禁降伏シーンが正史三国志と蒼天航路の違いをお送りしました。一応蒼天航路は正史三国志をベースにして描かれていますが、何から何まで正史三国志をベースにしているわけではなく、今回のようにちょっとした脚色を入れて読者を楽しませるように工夫を凝らしています。
はじめての三国志を読んでちょっと三国志に興味があるんだけど文字ばっかりだと想像しにくいな~って思っている方がいらっしゃいましたら、蒼天航路を読んでみてください。蒼天航路を読みながら三国志の武将などの名前を覚え、はじめての三国志に掲載されている三国志の物語を並行して、蒼天航路を読むと私たちが書いている三国志の世界や武将たちのイメージ、各地で起きた群雄同士の戦い、武将たちの裏話などがすんなりと想像しやすくなるのかなと思います。
かくいうレンも蒼天航路を何度も読み返すほどは待っています。ぜひ皆さんも試してみてはいかがでしょうか。
■参考 正史三国志魏書
▼こちらもどうぞ