編集長日記
まだ漢王朝で消耗してるの?




はじめての三国志

menu

はじめての変

命乞いでここまで堕ちるか?関羽に命乞いし全てを失った男・于禁

この記事の所要時間: 442

 

于禁(うきん)は、楽進(がくしん)張遼(ちょうりょう)、

李典(りてん)に並ぶ、魏の名将です。

 

西暦190年、于禁は、鮑信(ほうしん)が反董卓の軍を挙げた時に、

その配下に加わりました。

 

しかし、西暦192年、群雄、鮑信は、兗州牧となった曹操(そうそう)と共に、

青州黄巾賊の残党掃討の下見に出た途中、黄巾賊の大部隊に襲われてしまいます。

 

 

曹操との出会い

曹操様お守りします

鮑信は、黄巾賊の主力を引きつけて曹操を逃がし自分は戦死しました。

 

これで、主を失った于禁ですが、これからどうしようと思案している時

この鮑信の死を誰よりも悲しむ、赤い鎧を着た派手な小男を目撃します。

 

小男は、死体さえ見つからない鮑信の為に、鮑信をかたどった木像をつくり

これを埋めて、丁重に埋葬していました。

 

于禁:「ほお、、うちの大将の為に、ここまでしてくれるか・・」

 

そう思ったかどうかは知りませんが、こうして于禁は導かれるように、

この派手な小男の軍に入り直します。

 

その小男こそ、鮑信と固い友情で結ばれた曹操でした。

 

関連記事:黄巾の乱は、どうして起こったのか? 黄巾賊についてわかりやすく解説

関連記事:三国志は黄巾の乱から始まった

 

王朗将軍の下に配属された于禁

 

 

于禁は、王朗(おうろう)という将軍の下に配置されて

兵卒として一から働き始めますが王朗は、于禁の非凡な才能を直ぐに見抜きました。

 

王朗:「この男を兵卒で使うのは惜しゅう御座います、、

やがては、大将軍にまでなる人材で御座いますぞ」

 

王朗は、曹操に于禁を推薦します、人材を求めていた曹操は、

于禁と面会して、その人物を見抜き、これを軍司馬に任命して、

徐州攻略戦に参加させます、これが曹操軍における于禁の初陣でした。

 

 

于禁は曹操の期待に答えた戦果をあげる

 

 

于禁は、期待にたがわず、防備の固い徐州の広威を陥落させます。

 

さらに、曹操が出陣した隙をついて、呂布(りょふ)が兗州に入った時にも、

呂布の拠点、濮陽(ぼくよう)を攻撃して、呂布の別陣を二つ破った他に、

別働隊を率いて須昌(すしょう)において将軍の高雅(こうが)を撃破します。

 

加えて、寿張(じゅちょう)・定陶(ていとう)・離孤(りこ)の征討にまで参加し、

張超(ちょうちょう)が立てこもる雍丘(ようきゅう)を陥落させるなど

次々と功績を立てました。

 

関連記事:劉備と呂布を仲たがいさせよ!二虎競食の計

関連記事:曹操、陳宮の裏切りで兗州を呂布に奪われる!!

 

袁術軍の雑魚将軍をバサバサ切る于禁

袁術祭り

 

次に、陳で王族の劉寵(りゅうちょう)を殺した自称皇帝袁術の討伐にも従軍、

「ザコ大将軍」として知られる袁術配下の橋蕤(きょうずい)以下、

4名の将軍を斬るという大戦果を挙げます。

 

関連記事:自称皇帝、袁術のトホホな部下列伝

 

鄒氏を巡る争いでも于禁は張繍軍と戦う

鄒氏

 

宛(えん)で張繍(ちょうしゅう)を降した曹操が美女、鄒(すう)氏を巡る

トラブルで張繍に背かれた時も、ただ、一人于禁だけが、数百の手勢を纏めて、

曹操を援護し、張繍軍と戦ったので、曹操軍は脱落者を出しても、

軍を崩壊させる事なく曹操は命からがら本拠地まで逃げ帰りました。

 

関連記事:鄒氏|その美貌ゆえに破滅した悲劇の女性

関連記事:曹昴の伝説 | 武将アンケート裏1位獲得

関連記事:女好きの英雄曹操、危機一髪の大失敗

 

官渡の戦いでは鉄壁を守りぬく

官渡の戦い 曹操 勝利

 

そればかりでなく、于禁は、下邳では呂布を捕虜にし、官渡の戦いでは、

袁紹(えんしょう)軍の猛攻を受けても、一歩も引かないで耐え抜くなど、

曹操軍随一の名将として、攻守両面で大活躍します。

 

数々の手柄から、益寿亭侯、偏(へん)将軍に任命された、于禁は、

張遼、楽進、張郃(ちょうこう)、徐晃(じょこう)と並んで名将と謳われました。

 

関連記事:人を信じられなかった豪傑呂布、戦場に散る

関連記事:官渡の戦いでも使われ東西を問わず世界中で取られた戦法「坑道戦」って何?

関連記事:複雑な官渡の戦いを時系列で紹介

 

于禁はどんな人だったの?

 

于禁の人柄は、剛毅で威厳に満ちていて、金銭に淡白だったようです。

戦利品があっても、懐に仕舞いこまず、部下に分け与えたので、

部下達は、于禁によく服しました。

 

ところが一方で、法を重視しすぎて、温情が薄く、厳し過ぎる点があり、

兵は、于禁を畏れても懐かなかったと言います。

 

于禁は左将軍になり、仮節鉞(かせつえつ)を与えられます。

これは、軍律に拘束されず独自に軍を動かしてよいという印であり、

曹操に于禁が、どれほど信頼されているかを示していました。

 

于禁の立場が暗転する事件が起こる

関羽 一騎当千

 

しかし、西暦219年、関羽(かんう)が曹仁(そうじん)の守る

荊州襄陽(じょうよう)を包囲すると、于禁の立場は暗転してしまいます。

 

于禁と龐徳は軍神・関羽と対峙する

関羽神様

 

曹仁救援の為に、七軍を率いて襄陽に向かった于禁と龐徳(ほうとく)ですが、

折りからの長雨で漢水が氾濫、船を持っていなかった于禁の軍はたちまちに

水に呑みこまれて戦える状態ではなくなります。

 

一方の関羽軍は、漢水を渡るつもりで船を用意していて、

勝負はあっという間についてしまいました。

 

関連記事:関羽が生涯に斬った主な敵将を紹介

 

于禁は関羽に命乞いをする

 

于禁と龐徳は関羽に捕えられますが、龐徳が断固として降伏を拒否して

首を刎ねられたのに対して、于禁は何と命乞いをしてしまうのです。

 

関羽は、于禁の卑屈な態度を「狗めが!!」と罵り、唾を吐きかけて

軽蔑しますが、殺さずに助命しました。

 

 

于禁の命乞いが曹操の耳にも入る

 

于禁が命乞いをした事実は、曹操の耳に到達しました。

曹操は、当初、信じられないという顔をし、それがいよいよ真実だと

分かると、ため息をつきました。

 

曹操:「余が于禁を知って、三十年になるが、危機を前にしての覚悟が、

新参の龐徳に及ばぬとは思いもしなかった・・」

 

そう、于禁は、曹操にまで軽蔑されてしまったのです。

 

于禁は呉に救われる

 

やがて、関羽は、呉の陸遜(りくそん)の計略に掛かり

荊州を奪われて戦死します。

于禁は捕虜となっていた所を呉に救われ丁重に扱われます。

 

関連記事:関羽の死|桃園三兄弟の悲しい別れ

関連記事:曹操の命乞いで関羽が曹操を逃がす

関連記事:陸遜(りくそん)は孫権配下の前は何をしていたの?

 

呉の虞翻は于禁の罵倒する

 

ところが呉の虞翻(ぐほん)は、于禁を面と向かって恥知らずと罵り、

呉の武将に悪影響があるから首を刎ねるべしと孫権に進言します。

 

孫権は、笑って取りあいませんでしたが、于禁は虞翻を責めず、

「全く、その通りである」と言っていたそうです。

 

この頃には、関羽に命乞いした事を後悔していたのでしょう。

 

于禁は魏に帰ってきたが

photo credit: Sunrise via photopin (license)

photo credit: Sunrise via photopin (license)

 

やがて、魏に帰ると、曹操は死去していて、曹丕(そうひ)が皇帝に即位していました。

たった、数年で于禁は、痩せ衰え、髪は白髪になり、昔日の威厳のある

姿は、どこにもありませんでした。

 

関連記事:三国志怪奇談「曹丕、受禅台の怪」

 

于禁の最後

 

曹丕は、表面上は、于禁を慰めますが、内心では嘲笑っており、

陰では、于禁に恥をかかせたので、于禁は絶望と悔しさの中で急死します。

 

西暦221年の事であると伝わっています。

 

前半生は、輝かしい武勲を立てながら、たった1回の命乞いで、

全てを失った于禁を見ていると名声は割に合わないなと思います。

 

三国志の中には、1回どころか数え切れない裏切りをして、

それでも人生を全うしたズルイヤツは幾らでもいますからね。

 

もう少し割り切って、関羽の前で堂々と

「勝敗は兵家の常、今後は蜀の為に、我が身を役立てたい」

さばさばしていれば、また人生は違ったかもしれないのにね。

 

今日も三国志の話題をご馳走様でした。

 

 

こちらの記事もよく読まれています

ロボ 関羽

よく読まれてる記事:壮絶、血を吐きまくる三国志武将ランキング

 

関羽 神様

 

よく読まれてる記事:なぜ関羽は神様になったのか?……忠義神武霊佑仁勇威顕関聖大帝

 

曹操 弱点 蟻

関連記事:曹操には弱点はないの?

 

 

この記事を書いた人:kawauso

kawauso

■自己紹介:

どうも、kawausoでーす、好きな食べ物はサーモンです。
歴史ライターとして、仕事をし紙の本を出して大当たりし印税で食べるのが夢です。
もちろん、食べるのはサーモンです。

 

関連記事

  1. 呉起(ごき)とはどんな人?各国を渡り鳥のように移った天才兵法家
  2. 張嶷(ちょうぎょく)とはどんな人?異民族討伐のプロフェッショナル…
  3. 表向き武力を用いない王朝交代劇「禅譲」、曹操と荀彧の思惑は?
  4. 50話:捨てる神あれば、拾う神、劉備、趙雲と再会
  5. キングダムの時代に開花した法家の思想
  6. 自称皇帝、袁術のトホホな部下列伝 Part.5
  7. 漫画潰す気か!原作者ブチ切れ必至のキングダムの最後をネタバレ予想…
  8. 【ネコ派必見】猫にまつわる中国史の逸話!古代漢民族は無類の猫好き…

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

おすすめ記事

  1. 118話:孔明君のジャングル探検?南蛮討伐前哨戦
  2. 劉備より先に五斗米道の教祖・張魯が漢中王になった可能性が浮上
  3. 三国時代にも「ザ・たっち」は存在した?後漢時代に存在した双子についての記録が凄い!
  4. 【三国志RPG】DRAGON BLADE(ドラゴンブレイド)第2回 ドラゴンブレイドのアプリはやり込むほどに面白い!
  5. 111話:関羽と張飛の死に劉備は仇討ちの決意を固める
  6. 【無職の力恐るべし】漢帝国をぶち壊したのは清流派官僚とニートの袁術だった!?

三國志雑学

“広告募集"

はじめての三国志 書籍情報


著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

おすすめ記事

【劉孫同盟誕生秘話】孫呉の内部は新劉備派と反劉備派に割れていた たかぎ七彦困惑?アンゴルモア元寇合戦記をガチネタバレ予想! 華歆(かきん)とはどんな人?孫呉の英雄達に仕えた文官 【はじめての孫子】第4回:兵は勝つことを貴ぶ。久しきを貴ばず 戦国最強の同盟を成立させた名軍師・太原雪斎(たいげんせっさい)の活躍 【涼州の錦vs魏の文官】果たして勝ったのはどっち? 【呉が好きな人は見ないで下さい】魏や蜀に負けるものか!俺達は呉の十二神将 子産(しさん)とはどんな人?超弱国を強国にした春秋時代の名宰相

おすすめ記事

  1. 献帝死亡説を利用した?劉備が漢中王に即位したのは孔明と法正の入れ知恵の可能性が浮上!
  2. 62話:徐庶を手に入れたい曹操、程昱の鬼畜な計略を採用し劉備から徐庶を奪うの巻
  3. 沙摩柯(しゃまか)武蛮族の王|甘寧を討ち取り呉を恐怖に陥れる
  4. 小牧長久手の戦いの勝敗はどうなった?漫画・センゴクから見る小牧長久手の戦い
  5. 超短気な三国志の人物を集めてみました、あなたの友達とどっちが上?
  6. 102話:成長した張飛、計略で張郃を撃ち破る
  7. 曹操から超警戒されていた司馬仲達の綱渡り人生
  8. 三国志ロワイヤル-みんなのサンロワ-とはどんなアプリゲーム?

はじさん企画

袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
編集長日記
はじめての三国志TV
PAGE TOP