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愛加那の真実![西郷どんの島妻と彼の人生を変えた女性]

2024年9月11日


西郷隆盛

 

2018年のNHK大河ドラマ、西郷どん、そのテーマの一つは男にも女にも、モッテモテ(死語)の色男の西郷隆盛を描くというものです。

 

銅像のイメージのせいで西郷どんは、肥満したブ男と受け取られていますが、実際には、ある時期までは痩せていて長身でイケメンだったので、とってもモテたんだそうです。今回は、そんな西郷どんの島妻になった愛加那(あいかな)の人生について解説します。

 

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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愛加那(あいかな)とはどんな人?

 

愛加那は、奄美大島の名家の龍(りゅう)家に生まれました。実家は、奄美大島の支配者であった笠利氏に連なり、本祖である田畑為春(ためはる)は琉球の伊是名王統の建国者である尚円の父、尚稷(しょうしょく)の孫とされます。また、為という名乗り頭から、鎮西八郎為朝(ちんぜい・はちろう・ためとも)の末裔とも言われます。

 

奄美大島は、薩摩と琉球に挟まれて不安定で、何度かの争奪戦の末に1550年頃には、完全に琉球国の支配下にはいりましたが、半世紀後の1609年には、逆に島津氏の侵攻により征服されました。

 

奄美大島の当主だった笠利為転は、首里大屋子(しゅりおおやこ)職でしたが、島津氏に対抗し敗北したので、島津氏が派遣した代官の支配下に入リます。もっとも征服されても、奄美大島の支配者だった笠利氏を島津氏は潰さず、そのまま、島の支配者として代官の手伝いをさせたのです。この功績から、1726年には、田畑の姓を与えられ、代々、外城衆中格となり1785年には藩の命令で龍(りゅう)家に改姓されました。

 

愛加那は、この名門の龍家で龍佐恵志の娘として1837年に誕生しました。母は枝加那と言い、兄弟は異母兄弟を含めて5人兄弟の二番目です。童名は於戸間金(オトマガネ)ですが、於と金は敬称なので、名前はトマという事になりますが普段は加那と呼ばれていました。

 

 

愛加那はどうやって西郷どんの島妻になったの?

西郷隆盛のパソコン

 

1859年、西郷どんは奄美大島に流罪になります。形上は罪人と言う形でしたので、島民は西郷どんを嫌って近寄りません。奄美は薩摩で罪を犯した人を流す土地でもあり、流人には乱暴者が多かったのか島民は、すっかり警戒するようになったのです。

 

月照と西郷隆盛が入水自殺

 

一方の西郷どんも政治運動に敗れて主を失い、心中しようとして、同志の月照(げっしょう)上人を失ったりで自暴自棄気味であり、こちらも進んで島民との交流をしなかったので、両者は険悪な雰囲気でした。ところが、西郷どんが、島民を搾取する村役人に義憤を感じて掛け合い搾取を止めさせた事から、島民の西郷どんへの見方も一変します。

 

一人暮らしの西郷どんの屋敷には、多くの島民がやってきて、炊事や洗濯をやってくれるようになります。加那も龍家からの使いで、西郷どんの身の回りの世話をするようになります。当時、愛加那は23歳で、10代で嫁に行くのが常識の当時としては、行かず後家のような状態でしたが、屋敷に行く間に、西郷どんの人柄に魅了されて親しくなり、やがて結婚し島妻になったのです。

 

島津斉彬

 

また、龍家としても、西郷どんがただの罪人ではなく先代の藩主、島津斉彬(なりあきら)の寵臣であるという情報はもちろん得ていました。気が強くて、結婚相手の選り好みが激しい娘を、洗濯や炊事の為に遣わしてもし、西郷どんとくっ付いて子供が出来れば、子供は西郷家の庶子として出世し龍家の将来にも好ましいと考えていたのでしょう。

 

西郷どんと愛加那は、とても仲睦まじく、二年の新婚生活で菊次郎(きくじろう)と菊草(きくくさ)の一男一女に恵まれました。西郷どんとしても、一度目の結婚は、自身の多忙と実家の貧しさで失敗していたので、愛加那との生活は、はじめて落ち着いて営む事が出来た家庭生活になったのです。

 

 

 

愛加那の墓はどこにあるの?

愛加那と西郷どん

 

仲睦まじかった、愛加那と西郷どんですが、時代は西郷どんに安住を許しませんでした。斉彬の死後に、薩摩藩で実権を握った島津久光が上洛をするにあたり、江戸や京都に太い人脈を持つ西郷どんの力が必要とされたのです。その頃、家族が増えて、新築された西郷家に移ろうとした西郷どんの一家ですが、西郷どんが新居に住む事はなく、薩摩へと帰還していきました。

 

愛加那は島妻で、島から出る事を許されません。それが薩摩藩の掟で、個人にはどうにもできませんでした。彼女は泣く泣く、2歳の菊次郎とお腹の中の菊草と共に最愛の夫、西郷どんを見送るしかなかったのです。

 

 

愛加那は何歳まで生きたの?

 

西郷どんは、その後、沖永良部から帰還する途中で、一度、奄美大島に立ち寄り、数日親子水入らずで過ごしますがそれが、愛加那が西郷どんと過ごした最後でした。西南の役で自決した西郷どんより25年長く生きて明治35年、愛加那は農作業中に倒れ、65歳でこの世を去りました。

 

彼女の墓は、奄美大島、龍郷の田畑家墓地(弁財天墓地)にあります。

 

※個人の墓地ですので、墓参などは節度を持ってマナーを守って行って下さい

 

 

NHK大河ドラマ「西郷どん」の愛加那の役は二階堂ふみ

愛加那の役は二階堂ふみ

 

愛加那は、西郷隆盛を扱った大河ドラマでは必ず登場しています。そのキャストは、1987年のドラマ「田原坂」では、大女優の多岐川裕美、1990年のNHK大河「翔ぶが如く」では、石田えりといずれも演技派女優が演じました。

 

西郷どんを激しく愛しながら、藩の掟の前に離れなければならない愛加那を演じるのは、かなり大変で、顔だけではなく、かなりの演技力が必要な役どころなのです。

 

そんな愛加那の配役、NHK大河「西郷どん」では、「フランケンシュタインの恋」や「地獄でなぜ悪い」に出演した若手女優、二階堂ふみが演じます。彼女は今年23歳で、愛加那が西郷どんと結婚したのと同じ年さらに彼女は、演技力にも定評があり

 

第68回ヴェネツィア国際映画祭 マルチェロ・マストロヤンニ賞

第17回日本インターネット映画大賞 主演女優賞

第56回ブルーリボン賞 最優秀助演女優賞

第36回日本アカデミー賞 新人俳優賞

第35回ヨコハマ映画祭 最優秀助演女優賞

 

等々、多くの受賞歴を持つ、実力派の女優でもあります。それに、彼女の出身は、沖縄県の那覇市で、奄美大島出身の愛加那と出身地が近く、彫が深くて、目が丸く大きい、南国美人の特徴を兼ね備えています。歴代の愛加那役の女優では、一番、当人のイメージに、近いのではないでしょうか?

 

 

西郷どんと愛加那を解説したkawausoの独り言

kawausoの独り言

 

愛加那は、とても行動力のある女性で、西郷どんが、再び流罪になり、徳之島に流された事を知ると、「来てはいけない」という西郷どんの言いつけを破って、二人の子供を連れて、奄美大島から徳之島まで船で渡ってきました。それだけ、西郷どんを想っていたのでしょうが、南国の女性らしい、情熱的な彼女の性格が伝わってきます。

 

また、維新後、西郷どんより、娘と一緒に鹿児島の実家に来なさいという手紙を貰っても、本妻様の顔を潰すからと断り、行きませんでした。どこまでも島妻の分を守りケジメを付けていたのです。こちらの記事では、愛加那をメインに書きましたが、はじ三では、西郷どんが奄美大島にやってきた経緯を書いた記事もあります。併せてご覧になって頂くと、西郷どんがより深く理解できますよ。

 

 

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西郷どんが奄美大島に行った理由は?西郷隆盛の妻・愛加那との出会い

 

 

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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