「飛将軍」としてあだ名をつけられ、三国志世界で最強の武勇を持った呂布。彼は董卓や丁原など多くの武将を殺害していますが、今回紹介する華雄も殺害している可能性があるのです。
孫堅迎撃のために出陣
董卓は孫堅が自分を討伐するために陽人まで進出していることを知り、彼の軍勢を打ち破るため呂布を騎兵隊長に任命し、胡軫を総大将にして出陣させます。このとき、華雄も董卓の命令に従って出陣することに。華雄はこうして出陣することになりますが、呂布と胡軫に従ったせいで大きく人生が狂うことになるとは思わなかったでしょう。
呂布と胡軫のいさかい
胡軫は軍勢を引き連れて出陣すると「太守一人を倒せばこの戦いは収まるのだ」と全軍に大声で言い放ちます。
このとき、呂布や他の諸将は「そんな馬鹿なことあるか」と心の中で胡軫に対して反発していたそうです。
こうして胡軫と諸将の間に溝ができてしまいますが、胡軫は一切そんなことにはかまわないで軍勢を進めていくのでした。
呂布達は胡軫に直接「おかしいですよ」と言うわけにも行かず、我慢しながら軍を進めていきます。
胡軫は陽人の城から数キロのところにまで進んできます。
董卓は胡軫へ「陽人城から数キロのところで駐屯して兵を休ませてから陽人城へ攻撃を行うように」と指示を出していました。
しかし胡軫は董卓の命令を無視して、兵士を休憩させることなくそのまま陽人城へ向けて進んでいきます。
呂布や諸将は董卓の命令を無視して進んでいく胡軫に嫌気がさしていました。
このとき華雄がどのように思っていたか正史三国志には記載がありませんが、呂布達と同じ意見であったかもしれません。
呂布は董卓の命令を無視している胡軫にたいして嫌がらせをするある作戦を実行します。
偽情報を流す
呂布は胡軫が董卓の命令を無視して陽人城へ向かって突き進んでいることに腹を立てて「陽人城にいた敵はすべて逃げ出しているようですぞ」と情報を流します。この呂布が流した情報は偽の情報で、陽人城はしっかり守られていました。
胡軫は呂布からの情報を信じて陽人の城へ向かって突き進み、陽人城へ到着するとすぐに攻撃を仕掛けます。
しかし陽人の城を守っていた孫堅軍の軍勢は董卓軍の攻撃を受けてもしっかりと守ります。
胡軫は陽人の城が簡単に攻略することができないと陽人の城から少し離れて駐屯し、兵士達を休憩させるのでした。呂布は胡軫の作戦が失敗すると大いに気をよくしてもう一つ偽情報を流し始めます。
「敵軍が打って出てきたぞ」
呂布は休憩している兵士達へ「陽人の城から敵兵が出てきた。
すぐに逃げないと討ち取られるぞ」と言いふらします。
胡軫配下の兵士達はびっくりしてしまい、ばらばらになって逃亡。
胡軫軍は兵のまとまりを失ってしまい統制が取れない状況になってしまいます。
このときまで華雄は生きていたと思われますがここまでまったく登場していません。
孫堅軍の攻撃を受けて亡くなる
孫堅は呂布達が軍勢を率いて陽人城まで来たことを知ると急いで城から出撃。
孫堅は董卓軍を陽人の地で発見するとすぐに攻撃を行います。
華雄はここで始めて登場しますが、統率の取れていない董卓軍をまとめることができずに孫堅軍に討ち取られてしまうのでした。もし胡軫が董卓の命令をしっかりと守っていれば、呂布が偽情報を流すことも無く、華雄も討ち取られることが無かったでしょう。
また呂布が胡軫のやり肩書きに食わないからといって偽情報を流して軍を混乱させるようなやり方をとらないで、胡軫にアドバイスをしていれば、華雄が亡くなるようなことも無かったかもしれません。なんにしても華雄は呂布のせいで亡くなったと言えるのではないのでしょうか。
三国志ライター黒田レンの独り言
華雄は呂布のせいで亡くなった可能性を紹介しました。しかし元をただせば呂布と胡軫を組み合わせた董卓の采配ミスによって華雄が死ぬことになったといえるかもしれません。
どちらにしてもだめな上司についてしまった華雄がかわいそうな気がするのはレンだけでしょうか。
■参考 正史三国志呉書など
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