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最近の李牧がクズ過ぎる!キングダム最大の[エゴイストの真実]

2024年3月29日


内容に納得がいかないkawauso様

 

大人気春秋戦国時代漫画キングダムの人気が止まりません。70巻が出た時点で累計発行部数が1億部を超え、アニメもNHKで第五シリーズが放送されています。現在漫画では、王翦と敵のボスキャラ格の李牧が頭脳戦を繰り広げているのですが、ファンの人、すみません…李牧って、最近、あまりにもクズ過ぎませんか?

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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李牧への疑念

李牧

 

李牧は、秦王嬴政が標榜する中華統一を到底実現不可能な戯言であり、その中身は、ただ秦が六国を滅ぼして独裁的に中国を支配するだけだと断じ、秦が中華統一の野望を諦めるまで、趙を率いて徹底抗戦をする決意をします。その志は立派だと思いますし、李牧自身も金銭にも権力にも淡泊であり、秦の野望を挫いた暁には仲間たちを引き連れて故郷である雁門に帰って羊飼いをして暮らすと公言しています。しかし、そういう公平無私で清廉潔白である筈の李牧は、どうも身内に甘く、他人に厳しい気がしてならないのです。

 

 

首切り桓騎の悪名を利用し士気を高める

桓騎

 

李牧は、六国の中でも大国で軍事力も強い趙を率いていますが、それでも秦の精鋭相手には苦戦しています。そこで李牧は秦の六大将軍の桓騎が捕虜にした趙兵十万を残らず斬首した事実を利用し、趙の人民に対し秦への敵愾心を煽ります。趙の人民は李牧の演説により秦への憎しみを掻き立てられ、命懸けの抵抗で秦軍を足止め、赤麗城の住民に至っては、老人ばかりが残っていたにもかかわらず、あえて偽の降伏をして秦兵を城内に入れると、大事な村の水源である井戸に毒を放り込み、秦兵の大半を毒殺する事に成功しました。

 

 

秦に勝つため、人民に犠牲を強いる李牧

三国志のモブ 反乱

 

井戸に毒を投入すれば、当然、村人も水を飲めないのですが、そうなっても憎い秦の兵をやっつけたいという一心からの行動だったのです。もっとも、ここまでは李牧を責める事は出来ません。趙の老若男女、人民一人、一人に到るまで、秦への敵愾心を持たないと国は守れないという判断なのでしょう。このように趙の人民に犠牲を強いて秦の侵略を跳ね返す李牧ですが、翻って身内には極めて大甘なエゴイストなのです。

 

 

カイネを救う為に桓騎軍に包囲される

亡くなる李牧

 

キングダムを読んでいる読者には自明なのですが、李牧にはカイネという将来を約束した女性がいます。カイネはボディーガードとして李牧の近くにいて、どんな無茶をしても李牧を守ろうとし、頼まれもしないのに危険を冒し、結局は味方に迷惑をかける、冷静に見ると相当ウザいキャラです。このカイネ、李牧の本陣が桓騎本隊の奇襲を受けた時にも、シャシャリ出てきて、肩に矢を二本受ける重傷を負い落馬します。それを見た李牧は、折角、桓騎軍の包囲から抜けられるチャンスだったのに、カイネを救う為に危険な前線に戻り、結局は桓騎軍に包囲される大チョンボをしました。

 

 

自分の恋人を救うべく大勢を犠牲にする李牧

敗北し倒れている兵士達b(モブ)

 

この場面は漫画では李牧がカイネを大事に思っていて、2人が両想いであると決定づけるスイートなシーンとして描かれました。しかし、私は、この展開を見てムカムカして仕方がありませんでした。なぜならば、李牧とカイネのラブストーリーの為に、桓騎軍の包囲から李牧を守って討ち取られた、名もない趙兵の立場はどうなるのか?と感じたからです。李牧が本当に公平無私な人物なら、言いつけを破って李牧を救いに来て倒れたカイネなど放置して、即座に桓騎軍から遠く離れるべきでした。結果カイネは戦死するかも知れません。しかし、大勢の趙兵は桓騎軍に取り囲まれて死なずに済んだでしょう。趙の人民や兵士に対しては秦への憎悪を煽り、命を賭して抵抗させながら、自分の恋人を救うためには、簡単に自分を危険にさらし、大勢の趙兵を無駄に殺してしまう。漫画の都合といえば、それまでかも知れませんが、あまりにもエゴイスティックではないですか?これだから私は、李牧が嫌いなのです。

 

 

まとめ

kawausoさんのキングダムがキター!

 

漫画の最新話でも、李牧は難民たちが自力で築き上げ繁栄を謳歌している青歌の人民に対し、あなたたちの平和と繁栄は、秦の侵略に苦しんでいる他の趙人の苦しみの上にあると訳知り顔で語って疚しさを煽り、結局は口車に乗せて、青歌とは関係ない他人の戦争に加担させていました。でも、カイネの一件を見ると、李牧、お前、どの面下げてと言いたくなる衝動を抑えられません。でも、漫画の方は楽しみにしていますよ。ガンバレ、キングダム

 

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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