広告

魯粛直伝!「食わせ者」の言葉に隠された[戦略]とは?

2024年4月5日


藤原実資

 

 

皆さんは食わせ者が周りにいませんか。著者の周りには食わせ者は今のところ周りにはいません。しかし三国志の時代には食わせ者といわれるような人がいました。

 

曹操から逃げ続ける劉備

 

たとえば劉備(りゅうび)曹操(そうそう)の前では弱弱しい姿を見せていましたが、実は曹操ににらまれないようにするための演技でした。劉備のように演技をして自らを弱く見せたりするような人物がいた時代が三国志ですが、天下三分の計を計画した魯粛(ろしゅく)も食わせ者と呼ばれる人だったのでしょうか。

 

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


【誤植・誤字脱字の報告】 バナー 誤字脱字 報告 330 x 100



【レポート・論文で引用する場合の留意事項】 はじめての三国志レポート引用について



そもそも食わせ者の意味は

魯粛と周瑜

 

そもそも食わせ者の意味はどのような意味合いがあるのでしょうか。ウィキペディアで調べてみると食わせ者とは

 

一見立派だが中身がいい加減な人

うわべだけでは判断できない、油断のならない人などの意味合いがあるそうです

 

さて魯粛は①もしくは②に当てはまるのでしょうか。

 

 

 

魯粛は①には当てはまらない

魯粛

 

魯粛は残念ながら①には当てはまらないでしょう。理由としては色々な事がありますが、彼の言葉には誠実さがあるからです。魯粛は自分の利益よりも孫権(そんけん)や孫呉のために色々なアドバイスをしているからです。例えば劉備が孫権の妹を奥さんに迎えた後、孫権の元にやって来た時がありました。このとき孫権の部下たちは「劉備を孫呉に抑留したほうがいい」との意見を占めていました。しかし魯粛だけは「劉備を抑留するのは孫権様のためによくない。

 

関羽と趙雲を捨てて荊州に逃げる劉備

 

なぜなら劉備をこのまま孫呉に留めておけば彼の家臣たちが孫呉へ攻め込んでくるでしょう。そうなれば一番喜ぶのは曹操です。曹操は劉備と孫呉が争えばすぐに大軍を南下させて、我らに襲い掛かってきます。

 

三国志の武器 重戦車 曹操

 

そうなれば曹操に勝つことはできないでしょう。そうなるよりも劉備を帰して荊州(けいしゅう)を彼に貸し与えて曹操を防ぐ役割を与えれば、これほど我らにとって有利になることはなりでしょう」と進言します。大衆の意見に反対して自分の立場が悪くなる可能性があるにもかかわらず、孫呉のために自らの意見を押し通すのは誠実さがあるからこそだと思いませんか。このようなアドバイスを魯粛は孫権にたくさんしているため、彼が①に該当することはないと思われます。

 

 

②に魯粛は該当するのか。

魯粛

 

では食わせ者の意味合いの二番目には魯粛が該当するのでしょうか。若いころの魯粛であれば該当します。若いころの魯粛は風貌がよくなくブサイクであり、学問をしないで、狩や荒くれ者たちを部下にして集めて遊びまわっていたそうです。

 

この魯粛の姿を見た故郷の人々は「魯家にあのようなブサイクで何を考えているのかわからない人が生まれてしまえばもう終わりだ」と悪口を言われていたそうです。

 

その後天下が荒れて群雄が割拠し始めると魯粛の故郷も戦火に巻き込まれる可能性が出てきます。魯粛は故郷の人や部下を集めて「天下は混乱し各地で争いばかりが起きている。このままではここも戦火に巻き込まれるかも知れない。そこでここに留まって戦火に巻き込まれるのを待つのはやめて戦乱のない場所を目指して移動しようではないか」と呼びかけます。

 

この魯粛の呼びかけに応じた人数はなんと300人でした。彼を馬鹿にしていた故郷の人々もこの人数の中には多くいたと思われます。そして魯粛は故郷を捨てて江南へ移動した後、孫策(そんさく)に仕える事になるのです。このことを考えれば彼がうわべだけで判断できない油断のならないものに該当し、食わせ者といわれるかもしれませんね。

 

 

三国志ライター黒田レンの独り言

三国志ライター黒田レンの独り言

 

食わせ者は悪口のような意味で使われることが多いですが、魯粛のように見た目によらず油断のならないような行動をする人が皆様の周りにもいるかもしれません。もしそのような方がいれば、皆さんは積極的にその人を支持してみてください。たぶんの上に立つ人物として活躍できるでしょうし、優秀な人物であるはずですから。

 

参考 【ちくま学芸文庫 正史三国志呉書】など

 

 

▼こちらもどうぞ

レッドクリフ超え!魯粛(ろしゅく)の知られざる逸話

 

 

  • この記事を書いた人
  • 最新記事
黒田廉(くろだれん)

黒田廉(くろだれん)

三國志が大好きです。オススメのマンガは曹操を描いた蒼天航路がオススメです。三國志の小説のオススメは宮城谷昌光氏が書いた三國志です。好きな食べ物はマグロ、ぶり、アジが大好きな猫です。

-外部配信