2016年8月に東京都知事に就任したばかりの小池百合子(こいけゆりこ)氏が所信表明を行いました。
この会見で興味深い言葉を発しておりました。
小池氏は後藤新平の言葉である「人のお世話にならぬよう、人のお世話をするよう、
報いを求めぬよう」と彼が残した自治三訣を引用して、
東京都の都市を改革する決意を述べておりました。
さてここで出てきた後藤新平の自治三訣の言葉は一体どのような意味があるのでしょうか?
この記事の目次
後藤新平はいつ自治三訣を残したの
さて自治三訣を述べる前に後藤新平は一体いつごろこの言葉を残したのでしょうか。
彼は台湾総督(たいわんそうとく)や内務大臣などを歴任し、
明治~大正にかけて近代日本を作ることに貢献した岩手県出身の政治家です。
彼が残したこの「自治三訣」はロンドンに視察に行った際、
そこで見たボーイスカウトの訓練を見て大いに感銘を受けて、
日本へ帰国した際にボーイスカウトを設立。
彼はその際に「自治こそは人間生活の根源であり、「信」と「愛」の奉仕こそ社会生活の
源泉である」と考えて「自治三訣」をボーイスカウトの訓示として掲げます。
そして時を越えて小池氏が所信表明で述べた「自治三訣」へと繋がるわけです。
自治三訣の意味その1:「人のお世話にならぬよう」とはどんな意味
自治三訣の冒頭に出てくる言葉「人のお世話にならぬよう」とは一体どんな意味なのでしょうか。
この言葉の意味は読んで字のごとく、
人のお世話にならぬように自分の事は自分でやり、決着をつけろという意味です。
自治三訣の意味にその2:「人のお世話をするよう」とはどんな意味
この言葉は社会奉仕を指しております。
彼は「社会奉仕をするためには互いに知り抜いて理解し、社会利益の為に貢献せよ」との
意味がこもっております。
自治三訣の意味その3:「報いを求めぬように」とは一体どんな意味
さて自治三訣の一番最後である「報いを求めぬように」とはどんな意味がこもっているのでしょうか。
この言葉の冒頭にある報いは損得勘定の事を指しているようです。
そしてこの利益や損得勘定を求めるために人と人は時に争いを起こし、
国家間の利益の争奪になると当事国同士が喧嘩もとい戦争を起こします。
その為後藤新平は損得勘定や利益を求めず、社会奉仕を行うようにとの意味が
最後の言葉に残されておりました。
まさに都政の政治家達の利権がらみにも共通する部分を指していると言葉ではないでしょうか。
三国志ライター黒田廉の独り言
小池氏は後藤新平の自治三訣を引用して東京都庁に務める役員全てに対して
「東京都民から税金を預かって運用していく以上、
個人の利益追求し公益を損なうことはやめてもらい、
私利私欲を満たすようなやり方をしてはならない」と述べておりました。
小池氏には三国志に登場する利権を求める役人達のような人たちをすべて追い払い、
魏の陳羣(ちんぐん)や蜀の諸葛孔明のような公益に尽くしたような政治家を目指してもらい、
彼女を筆頭に自治三訣を心がける政治家が大量に増えてくれば、
都政ばかりか、国会にいる議員たちも変化せざるを得ないと思います。
今回は後藤新平の名言である「自治三訣」をご紹介しました。
また彼は他にも「金を残すのは下策である。また事業を残すのは中策である。
一番の上策は人を残すことである」と名言を残しております。
この言葉は会社や国政などの組織の中だけでなく、個人間でも通用する言葉でしょう。
これらのように日本の政治家である後藤新平の名言は多くの事を物語って、
心に残る言葉が数多くあるので、みなさんもこの機会に調べてみてはいかがでしょうか。
「今回の名言のお話はこれでおしまいにゃ。
次回もまたはじさんでお会いしましょう。
それじゃあまたにゃ~」
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