人気急上昇、日本史上最大のピンチ、元寇を描いた痛快チャンバラ時代劇漫画。
アンゴルモア元寇合戦記、モンゴルの千戸長ウリヤンエディ率いるモンゴル兵の猛攻を
金田城(かなたぎ)で押し返した対馬宗氏の武士団と刀伊祓衆、そして朽井迅三郎と
流人達でしたが、その日の夜、山城に夥しい数の獣が押し寄せてきます。
それは、さらなるモンゴル軍勢が金田城に攻め寄せている事を暗示していました。
またしてもピンチか、、という所で漫画は、対馬佐須浦に場面転換します。
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高麗の将軍 金方慶の回想
佐須は、対馬にやってきたモンゴルと高麗の連合軍が停泊している入り江です。
そこで、金田城に煌めく炎を眺めながら、高麗軍の総大将、金方慶(きんほうけい)が、
間も無く陥落するであろう金田城について、息子の金忻(きんきん)と会話をしています。
金方慶「あの炎のところが倭人(わじん)共が立て籠もる山城だ、
まだ抵抗しているらしいな」
金忻「悪あがきですな、この城ばかりではなく、
この先も倭人どもに勝目はないでしょう」
実は、今では、こうして、モンゴルと共に日本を侵略している高麗は、
三十数年前までは、モンゴルと激しい戦いを繰り広げた国でした。
そんな高麗が今では、モンゴル軍の一員として戦うまでになった理由、
それは、度が過ぎる程にモンゴルの王朝、元に忠誠を尽くした
高麗王朝第二十五代、忠烈王(ちゅうれつおう)のお陰だったのです。
王世子 諶 ハンの帝都 上京に向かう
舞台は文永の役より五年を遡り1269年。
元帝国の夏の都、上都へ向けて平原を進んでいく高麗使節の籠がありました。
使節は服属しているモンゴルへ上納する貢物を携えての旅の途中でした。
籠には、まだ王世子(皇太子)の諶(じん)、後の忠烈王の姿があります。
これから、フビライ・ハンに謁見するのですが、彼の脳裏には苦い記憶が甦ります。
それは、これより10年前に降伏してフビライに会いに行った父、元宗が
ろくに応接もされず、手ひどい侮辱を受けた事です。
もしや自分も同等の扱いを受けるのではないか?そう思い諶は憂鬱です。
しかし、諶の側近の武官、趙義光(ちょう・ぎこう)は、そんな諶を励まします。
趙義光「わが君、我が国は三十年来戦い、蒙古を散々てこずらせて来ました!
その気概があればどうですか?蒙古も侮りますまい」
趙義光は腰の短剣を掴んで言いました。
彼の父も祖父もモンゴルと戦い戦死し、彼もまた、王宮に乱入したモンゴル兵相手に
一歩も引かず、諶を守り抜いたのです。
フビライ・ハンとの会見、きらびやかな宮廷
やがて、高麗の使節は帝都、上京に入ります。
そこはこの世の富を全て集めたような華麗な都、その中心で皇帝フビライ・ハンは
千名以上という諸国の王を従え日の出の勢いです。
モンゴル人は多神教ですが、特に天(テングリ)を信仰し、そして掠奪を生業とする
遊牧民族です。
13世紀初頭、最初に世界に向けて覇権を拡大した太祖、チンギス・ハンは
生涯を戦場で過ごし彼に付従う部下の為に掠奪し、その富をばらまき
神として崇められています。
そして、連戦連勝のモンゴルは、やがて、
「我々は天によって世界を征服する宿命を与えられた民族」という強烈にして
戦慄するような思想を持つに至りました、これはチンギス統原理と呼ばれます。
モンゴルが敗れ去るか、世界がモンゴルに屈する日がこない限り、
ユーラシア大陸から血と殺戮の嵐が止む事はないのです。
諶は強大なモンゴルに心底魅了される
王世子 諶は壮麗なハンの宮殿に魅了されていました。
さらに、諶はフビライに関心を持ってもらおうと、あえて通訳を使わず、
モンゴル語で挨拶を試みようとします。
ところが、にわか仕込みの諶のモンゴル語は、誰にも聞きとれず、
あちこちで失笑の声があがりました。
しかし、そのような嘲弄の声を「静まれ!」と一喝した人物が現われます。
「何がおかしい!? 自らの言葉で伝えようという者を何故笑う?」
その声の主は他ならぬ大ハーン、フビライその人でした。
アンゴルモア元寇合戦記 kawausoの一言
ここで、日本にとって最大の敵であるフビライ・カンが初登場です。
おっさんキャラですが、見るからに威厳があり同時に、自分の支配下にある国を
公平に扱う度量を持つ大人物であるようです。
次回で、諶とフビライが直接に言葉を交わすのですが、
フビライの言葉は、その後の諶、忠烈王と高麗の運命を決めるような言葉になります。
それはどんな言葉なのでしょうか?続きは次回のお楽しみです。
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