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キングダム「趙に勝ったら何をもらえる?」

2019年11月11日


 

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大人気春秋戦国時代漫画キングダム、漫画の恒例と言えば大きな戦役が済んだ後の論功行賞(ろんこうこうしょう)で戦いで手柄を立てた将軍に、それぞれに褒美が与えられます。漫画においては、楊端和(ようたんわ)大上造(だいじょうぞう)爵位(しゃくい)と宝物三十点が与えられるなどしています。しかし、宝物はともかく、そもそも爵位を貰えたからってそれが何になるのでしょうか?イマイチピンと来ませんよね?

 

そこで今回は、爵位と褒美の関連性について調べてみましたよ。

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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大上造の爵位はスゴイ高位

楊端和

 

では、キングダムでも出て来た楊端和に与えられた大上造という爵位はそもそも何なのでしょうか?何となく大吟醸(だいぎんじょう)に似ていて、美味そうな酒みたいな感じですが、もちろん酒とは無関係です。秦の時代の二十等爵については詳しい事が分からないので、その後の漢の時代に当てはめて考えると、大上造が受けられる褒美とは、田圃八十六頃、宅地八十六宅です。これは現代だと、田圃(たんぼ)は400ヘクタール、宅地は500坪に相当します。

 

1ヘクタールは、100m×100mで、1万平方メートルその400倍という事ですから、4キロメートル四方の田圃という事です。

 

バジオウ

 

ちなみに大上造は、秦の二十爵では、上から五番目で十六等爵になり、その上には、駟車庶長(ししゃしょちょう)関内侯(かんないこう)大庶長(だいしょちょう)徹侯(てっこう)があります。ただ、楊端和は山の民なので咸陽に4キロの田圃と500坪の邸宅を貰っても住めなそうですね、あ、漫画に出て来た代理の仮面の奴が住むのかも上機嫌でしたしね。

 

信が受けた爵位と賞金はどんだけ~

矛を持った信

 

キングダムの主人公の信についても山陽攻略戦で立てた手柄についての論功行賞があり、そこでは、爵位を三階級昇進と金五百と宝物5点を褒美として与えられています。信は元々、戦災孤児であり漂と共に両親を亡くしていて、下僕からスタートしていましたが、王帝反乱編で手柄を立てた事で下僕から抜け出しています。その時点をゼロと考えると、三階級特進で簪裊(さんじょう)の位、褒美は田圃を三頃に宅地が三宅です。

 

 

三宅だと15坪とかその辺ですね、一人で住むには不自由ないですが、家族を持つとなるとかなり狭い事になります。

 

ただ、代わりに金を五百受けているので、こちらのほうが現金収入としては大きそうです。こちらも調べてみると、秦では、金貨を1斤(312g)と1両(15.6g)で統一しているようなので、金1を1両と考えて、現代の金の価値(1g5626円)と換算してみると、4388万2800円が信に与えられた事になります。

 

まだ漢王朝で消耗しているの? お金と札

 

これは飛信隊の隊員と山分けしたようですが、完全に平等に分けるわけではないと思うので、それを考えると山陽戦後に信の鎧が豪華になったのは、この五百金のお陰という事になりますね。

 

キングダムネタバレ考察

 

王翦の褒美は一味違う

王翦

 

信とは違い、滅多(めった)に前線に立つ事がない王翦(おうせん)のような存在の褒美はなんでしょうか?実は秦の時代には、指揮官が直接斬首の功績を挙げる事は禁止されている事が雲夢秦簡(うんぼうしんかん)などから明らかにされています。

 

しかし、これでは指揮官クラスは何の手柄も立てられないので、ちゃんと直接に手を下さなくても褒賞されるような規定も存在しました。それを考えると、王翦が馬南慈(ばなんじ)の奇襲で窮地に陥っても積極的に敵兵を斬らなかったのは、腕前に自信がないのではなく、秦の軍律が指揮官が直接に斬首の功績を挙げるのを禁止しているからと捉える事も出来ます。

 

王翦

 

ただ、王翦のように名門の将軍となると爵位も極限まで上昇し、これ以上は爵位に関連する褒美をやれないという事態になっていました。そこで史記においての王翦は、楚の項燕(こうえん)を討伐した時の褒美として、秦王政に田圃や宅地、園池を賜りたいとしつこく催促しています。

 

嬴政(始皇帝)

 

これは、六十万という秦のほぼ全軍を握る王翦が、秦王政に野心を疑われないように、自分を俗物っぽく見せた演出だと言われていますが史実でも商君書・境内編に恩賞として田地や屋敷を与えた事が記録されています。

 

こうして考えると、史記における王翦のご褒美のおねだりは、ちゃんと制度上にも適う自然な行為だった事になり、だからこそ、猜疑心(さいぎしん)が強い秦王政も、王翦の心の裏を探らずに王翦を俗っぽいヤツだと評して、誅殺しなかったのでしょう。

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