大人気春秋戦国時代漫画キングダム、622話からは龐煖と信の直接対決が始まっていますが、信は龐煖に完全に力負けしていて、劣勢であるように見えます。しかしkawausoは信の劣勢は予定調和であり、信は力負けしているとは考えていません。今回は信が龐煖に絶対勝利する理由を解説してみようと思います。
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この記事の目次
理由1:信は龐煖のパワーを逃がしているだけ
622話で信は龐煖の一撃に吹き飛ばされました。それを見た読者の皆さんは、ああ、やっぱり信はパワー負けしていると感じガッカリした事でしょう。
しかし、よく考えてみると蕞での戦いで龐煖と対峙した時の信は龐煖の一撃でアバラを折られた上に受け身も取れないで地面に倒れてしまいました。あの時だって蕞を守り抜き、ズタボロの極限状態だった筈で今回より状態が恵まれているわけではありません。
つまり、一見力負けているように見える信ですが、疲労による体力消耗を抑える為に敢えて吹き飛ばされたかも知れません。柳に雪折れなしと言いますから力を上手く逃がす事で体力を温存したと考えられるのです。一方的に攻めまくる龐煖に対し、信は「相変わらず軽いな龐煖、王騎の一撃はこんなものじゃなかった」と龐煖の額の傷を抉るような事を言いそうです。
理由2:龐煖は信の戦い方に近づきつつある
龐煖の強さとは、麃公将軍の感想では以下の通りです。
そうか貴様か・・・王騎を討った阿呆は
なるほどようやく合点がいったわ なぜ あ奴が敗れたのかが
貴様から武将の臭いは微塵もせぬ そのくせ凄まじい武の臭いを放つ異質の者
王騎のような天才が敗れるとしたら・・・貴様のような”異物”が持ち込まれた特異な戦場であろうよ
ここから考えると、龐煖が王騎を破った理由は子供が罪悪感なく昆虫の羽を毟るように、ひたすら武の極みという個人の目的にだけ特化していたからと言えそうです。手段も時も場所も選ばず強引に自分の戦いに相手を巻き込み討つというゲリラ戦法は、龐煖に特有なものですね。
もう一つ、王騎と激戦を繰り広げている龐煖について李牧も言っています。
求道者が道を外れては意味がない 無我の戦いこそ龐煖の本来の姿
そこに立ちかえれば龐煖は無敵のはずです
李牧の言葉は示唆に富んでいます。龐煖のような男は何故戦うのか考えてはダメです。
純粋に己より強い人間はどんな手段を使っても殺す、それだけでいいのです。
しかし龐煖は、自分とは全く異なるタイプの武を持つ王騎の戦い方、もっと踏み込んで言うと、己に死を覚悟させた王騎に強く惹かれてしまっています。きっと男女の間柄なら王騎に抱かれたいと願った事でしょう、最も王騎は「龐煖さん、あなただけはこちらから願い下げですよォ・・コココ」でしょうけど
ところがそこは大いなる矛盾です、負けた人間を無価値と断ずる龐煖が自らが(ズルありにしても)倒した負け犬王騎に執着するのは、無心に強者を殺戮し、また己が葬られても、それはゴミであり一切の感傷を持つべきでない事に反しています。
ここにあるのは、どうして戦うのか、何故戦うのかという問いであり、それこそ、立身出世とか一国の平和とか、中華統一とかを背負った武将の戦い方なのです。龐煖は知らず知らず、武将が戦う目的に接近しつつあり、己のテリトリーから離れているのです。
それは求道から外れる道であり、信のテリトリーに入る事を意味しますね。
理由3:信には共感力がある
龐煖が飛信隊を殺戮し、羌瘣をズタボロにした時、信は「龐煖、お前は一体、なんなんだー」と絶叫しました。奇しくもこのセリフは、蕞での戦いで信により額に傷をつけられた龐煖が言ったセリフと同じものです。
それがどうかしたのか?と考えるかも知れませんが、信の問いは非常に重要です。龐煖がどうして殺戮を繰り返すのか、その理由を知りたいと考えた人間は、キングダムの世界でもほとんどいません。龐煖は人の形をした神の禍であり、その逆鱗に触れないように動くのが命を全うする唯一の方法だと考えているのです。
それに対して信は違いました。蕞での戦いでは龐煖に挑むな殺されるぞと必死に止める飛信隊の仲間に対して、以下のように言っています。
確かにあいつはバカみてェに強ェし 武神だの何だのほざいてやがるが
同じ人間には変わりねェ 思いっきりぶった斬ればあいつは死ぬ
斬って死ぬんだったら倒せる
いかにも信らしい乱暴ながら、真実を突いた一言です。人間である以上はいかに強くても思い切りぶった斬れば龐煖は死ぬのです。そこを潜り抜けて、信はまた、龐煖にお前は何なんだという問いを出しています。
武神であるというのは分かるし、強い事も分かります、しかし、どうして強者を探し出して殺し、自らが最強である事を示さないと気が済まないのかは信には分かりません。ただし、知ろうと努力はしています。
これが信に顕著にある敵への共感力で、誰もが龐煖は武神でコミュニケーションは取れない良いも悪いもないと壁を造っている中、信は殺し合いの最中でも龐煖とはなにか?これを全身で考え続けているのです。だからこそ信に討ち取られた敵は、一種の安堵感と共に己の思いも敵である信に託して死んでいけるわけです。
理由4:龐煖の指二本のハンデ
最後は安直ですが、羌瘣が命を削ってまでもぎとった龐煖の左手の小指と薬指です。
これはゴルフの場合ですが、グリップにおいては、左手の3本の指、小指、薬指、中指が大事だそうです。つまり、この左手の3本指が欠けると、握りが弱くなります。
龐煖の矛にしても、グリップが弱くなっていて、信の一撃を受け止める時に、矛を取り落とす可能性は高くなると思います。また振り下ろすのに際しても、以前よりも力が乗らなくなっているのではないでしょうか?
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