火を絶やすでないぞォの言葉が遺言になった本能型の極みといえば麃公将軍です。王騎と同等の実力を持ちながら、度々命令無視を行ったので、六大将軍になる事が無かった破天荒な人物ですが、実は秦を救った人物であり、主人公信にも大きな影響を与えました。現在キングダム第三期アニメにも出ている麃公について解説します。
この記事の目次
キングダム642話アニメ記念「理屈が通用しない本能型将軍」
桁違いの筋力バカが溢れているキングダムの世界において、それでも麃公将軍が異彩を放っているのは、あの李牧に一目置かれている事でも分かります。どうして李牧が一目置くのかと言えば、麃公が本能型という稀有な能力を持つ将軍だからです。
本能型とは、緻密に張り巡らせた計略を「くさい」という直感によって回避する能力を持つタイプで、李牧のような知将はこれでは罠に嵌める事に苦労します。事実、この麃公将軍の稀有な能力により、秦は危うく滅亡の淵から救われるのです。
キングダム642話アニメ記念「李牧の起死回生の策」
李牧が苦手とする麃公の本能型の特徴は、結果としてアニメの合従軍を失敗に導きます。函谷関の突破を試みた合従軍は、そのことごとくが失敗し沈黙を余儀なくされました。もしや、このまま撤退してくれるのでは、、秦側が淡い期待を持ち出した頃、李牧は涼しい顔をして咸陽陥落の最期の計略を実行していました。
合従軍18日目から、咸陽に小さな城の陥落の報告が相次いでいました。異変を察知した昌平君が地図を確認すると北道を守る函谷関ではなく、南道である武関の内側で、次々と城が落ちていたのです。
さらに情報を集めると武関は陥落しておらず、南道の山間から気づかれないように、合従軍の兵力を少しずつ抽出して4万人という大軍が入り込んでいたのです。
合従軍が50万人ですから、その中から4万人が抜けるという事は8%も抜けていますから、気づかないわけはないと思うのですが、そこは李牧の巧妙な用兵の妙でした。
キングダム642話アニメ記念「李牧の計略を見抜く麃公」
李牧の計略に気づいている秦の将軍はほとんどいませんでした。ただ1人を除いて、それが麃公将軍だったのです。合従軍の気の流れから、微かな異変を察知した麃公は配下の飛信隊を率いて南道へと移動していたのです。
そして、地の利を活かしている麃公軍はあっという間に李牧軍に追いつくのです。これは李牧にとって誤算でした。一秒でも時が惜しい李牧は流動という陣形で麃公を葬ろうとしますが、麃公もこれを本能で見破り、するすると李牧にまで到着します。これにより李牧は、是が非でも麃公を相手しないといけなくなるのです。
もちろん李牧は奥の手を用意していて武神龐煖を麃公にぶつける事になり、その結果として麃公は戦死してしまうのですが、この時間稼ぎのお陰で楊端和率いる山の民が間に合い李牧の最期の計略も失敗してしまうわけです。麃公はその意味で、秦を滅亡の淵から救った恩人と言えるでしょう。
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