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夢占い3:頭の上に角が生える
蜀の名将である魏延(ぎえん)は、孔明の最後の北伐に参加します。彼は北伐の先鋒として活躍しますが、ある夜夢を見ます。自らの頭の上に角が生える夢でした。魏延は自らの頭に角が生える奇妙な夢を趙直に占わせる事にしました。
占いの結果:魏軍が敗走する
魏延は趙直が来ると夢の内容を伝えます。彼はさっそく夢の内容を占い魏延に「古の霊獣である麒麟(きりん)は角を持っております。麒麟はこの角を用いる事はありません。あなたの頭に角が生えたのは魏の軍勢が何らかの理由で退却する事を予知した占いでしょう。」と占いの結果を伝えます。占いの結果を聞いた魏延は「そうか。魏が退却するのか。これで天下統一に近づく事になろう。占ってくれてありがとう」と大喜びしながら感謝の言葉を述べます。
本当の占い結果:首を斬られる
趙直は魏延の元を去ると自分の幕舎に帰ります。幕舎に入って友人に魏延が見た夢の本当の占い結果をそっと伝えます。「角という字は刀の下に用がある。彼の頭に角が生えていると言うことは彼の頭上に刀を用いるという夢なのだから、彼の命も残りわずかであろう」と伝えます。友人は「なんで本当の事を伝えなかったの。」と趙直に言います。すると趙直は「魏延に本当の事を言ったら私が殺されてしまうからだよ」と答えます。さて占いの結果は皆さんが知っている通りです。魏延は孔明が亡くなると退却しようとする蜀軍に反対。ついには反乱を起こし、馬岱に斬られる事になります。彼の占いは外れる事無く百発百中でした。
三国志ライター黒田廉の独り言
趙直の占いは百発百中で驚異的な精度を誇る占い師でした。主に夢の内容と漢字を使って本人に伝える手法を取っておりました。現在に出てくれば間違いなくトップクラスの占い師になっていたに違いありません。私もぜひ彼に占って欲しかったです。