よかミカンの三国志入門
三顧の礼




はじめての三国志

menu

はじめての蜀

魏延(ぎえん)ってどんな人?裏切り者?それとも忠義の士?




基礎 孔明の後継者姜維03 魏延

 

蜀に仕えた魏延(ぎえん)は、長く『裏切り者』としての烙印を押され、語られてきました。

そのイメージの多くは『三国志演義』の影響によるものですが、

史実と見比べるとそこには魏延の別の一面が見えてきます。

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:姜維と魏延性格は真反対だけど似ている所があった!!

関連記事:どうして魏延は叛いた?外様将軍の悲劇

 

 

大抜擢を受けた魏延

魏延

 

三国志演義』においては、始め荊州の劉表配下の将軍として登場する魏延ですが、

史実では劉備の入蜀に際し部隊長として戦功を上げ、将軍に昇格しています。

 

後に、劉備は魏と蜀をつなぐ要害の地である漢中の太守に魏延を抜擢しました。

 

周囲のほとんどの者は、漢中の太守には劉備挙兵以来の重鎮である張飛

起用されるものと考えていたので、

この大抜擢に大いに驚いたと言われています。

 

それは魏延にとっても同じ思いだったのでしょう。

 

漢中太守就任への意気込みを劉備から問われた魏延は

曹操配下の将軍が十万の兵で押し寄せるなら、私はこれを併呑しましょう』

と言って気を吐いてみせました。

 

 

諸葛孔明との確執、楊儀との対立

魏延

 

劉備亡き後、魏延は諸葛孔明の配下として北伐に従軍し、

戦功を重ね、その功績で出世していきます。

 

魏延 孔明

 

しかし、魏延は孔明に対して不満を抱いていたことも知られており、

自分が提案した作戦を却下されたことに対して

『孔明が臆病だから俺の才能が発揮できない』と不満を漏らしています。

 

魏延の不満は他の諸将にも向けられます。

特に孔明の幕僚だった楊儀に対しては公然と手向かい、

時に剣を突きつけて脅すこともありました。

 

北伐の真実に迫る

北伐  

 

角の生えた夢

角の生えた夢に悪巧みを考える魏延と見つめる孫権

 

北伐の陣中において、魏延は自分の頭に角が生えるという夢を見ました。

この夢のことを聞かされたある人物は

『麒麟は角を持っていますが使うことはありません』といい、

その夢は魏延にとって吉兆であると答えます。

 

しかし、魏延が退出した後、その人物は別の者に向かって

『“角”という字は“刀”を“用いる”と書く。あれは不吉な夢だ』と真意を語ったといいます。

 

五丈原で孔明が没した後、魏延は楊儀の指揮下に入ることを拒み、

自分を将軍として北伐を続行すべしと主張。

楊儀を始めとする諸将は魏延に反し、孔明の指示通り撤退を開始します。

 

状況を知って怒った魏延は楊儀に先行して成都の劉禅に楊儀が反逆したと上奏、

楊儀も正反対の主張を上奏します。

 

二人の申し分に困惑した劉禅でしたが、

他の諸将の意見を聞いて魏延に疑いを向けます。

 

結局、魏延は楊儀の命を受けた馬岱によって斬り殺されてしまいました。

 

関連記事:馬岱(ばたい)ってどんな人?実は記録がほとんどない馬超のイトコ

関連記事:蜀滅亡・劉禅は本当に暗君だったの?

関連記事:劉禅が読んだ韓非子ってどんな本?

 

裏切り者として描かれた『演義』での魏延

楊儀と魏延

 

三国志演義』では、魏延は裏切り者として物語の舞台に登場します。

 

最初、荊州の劉表の配下として登場する魏延は、

劉表亡き後に魏に降伏した蔡瑁らに反抗し、劉備を招き入れようとします。

 

しかし、それに成功しなかった彼は、韓玄という別の太守に身を寄せます。

 

韓玄が劉備に攻められると、

今度も劉備に内応する形で韓玄を裏切り、開城して劉備を迎え入れました。

孔明は魏延が主である韓玄を裏切ったことを咎め、

『反骨の相があるから重用しないように』と劉備に進言します。

 

北伐に当たり、孔明はなお魏延に警戒心を抱いていましたが、

その武勇に依るところが大きく、彼を切り捨てることはできませんでした。

 

結局、魏延は病に冒された孔明の延命の儀式を妨害し、

その死の直接の原因を作ることになります。

 

関連記事:諸葛亮の死因は過労死らしいけど、一体どんな仕事してたの?

関連記事:魏や呉にもいた諸葛一族の話

関連記事:古代中国のコペルニクスは孔明だった?彼はなぜ天文学を学んだの?

関連記事:孔明や荀彧が務めていた尚書(しょうしょ)ってどんな役職?女尚書も存在した?

 

魏延の行動は強すぎた忠義心のためだったのか?

魏延の行動は強すぎた忠義心のため

 

史実における魏延は、劉備の大抜擢を受けて、関羽張飛とならぶ厚遇を得ています。

武侠の人であった魏延は、このことに大いに感じ入ったに違いありません。

元々、武侠を好み、関羽張飛を重用した劉備の人となりが、魏延を魅了させたとも考えられます。

 

魏延が孔明に対して批判的な言動を取ったのは、

先帝である劉備への、過剰なまでの忠義心がそうさせたものではないでしょうか?

 

もちろん、孔明は自身の見識と戦略的な構想を持って北伐の兵を率いていましたが、

武一辺倒であった魏延にはその真意を読み取ることができなかったのかもしれません。

 

だから、孔明の指揮は魏延には“慎重の度が越して臆病だ”と見えていたと考えられます。

 

魏延が蜀に背こうという気持ちはなかったかもしれない

魏延

 

魏延に、蜀に背こうという気持ちがあったとは思えません。

 

五丈原からの撤退を拒否したのも、たとえ孔明が亡くなろうとも先帝の恩義に報い、

魏を討とうとした彼の忠義心ゆえの行動だったとは考えられないでしょうか?

 

魏延にとっては軍を撤退させた楊儀こそが、先帝の恩顧に背く反逆者であったのです。

 

正史三国志の編さん者である陳寿

「魏延が本気で謀反を起こそうと考えていたとは思えない」と述懐しています。

 

『三国志演義』における“裏切り者”としての魏延のイメージは、

孔明信仰による影響の強い、誤ったものである可能性があることを踏まえて見る必要があるでしょう。

 

はじめての三国志:全記事一覧はこちら

関連記事:【マイナス20℃極寒行軍!】魏の郭淮を陽谿で撃破した魏延と蜀軍1万

関連記事:【北伐】幻の「長安挟撃作戦」魏延はすでに演習済みだった?

 

【蜀のマイナー武将列伝】
魏のマイナー武将列伝

 

耳で聞いて覚える三国志

 

石川克世

石川克世

投稿者の記事一覧

三国志にハマったのは、高校時代に吉川英治の小説を読んだことがきっかけでした。最初のうちは蜀(特に関羽雲長)のファンでしたが、次第に曹操孟徳に入れ込むように。三国志ばかりではなく、春秋戦国時代に興味を持って海音寺潮五郎の小説『孫子』を読んだり、
兵法書(『孫子』や『六韜』)や諸子百家(老荘の思想)などにも無節操に手を出しました。

好きな歴史人物:

曹操孟徳
織田信長

何か一言:

温故知新。
過去を知ることは、個人や国家の別なく、
現在を知り、そして未来を知ることであると思います。

関連記事

  1. 黄月英(黄夫人)ってどんな女性だったの?孔明の妻を紹介
  2. 考える諸葛亮孔明 蜀を制圧したばかりの劉備軍をまとめるために孔明が打ち出した二つの…
  3. 許靖(きょせい)とはどんな人?天才軍師・法正が認めた蜀の名士
  4. 劉備玄徳が眩しい理由 三国志 滅びゆくものへの郷愁劉備という生き方
  5. 李厳(りげん)とはどんな人?自分の出世の為に孔明の足を引っ張った…
  6. 【蜀の滅亡へのカウントダウン】こうして蜀の国は滅びへ至った
  7. 劉備暗殺計画|甘露寺の婚儀と錦嚢の計 その2
  8. 趙雲(ちょううん)ってどんな人?蜀の五虎将軍の中で寿命を全うした…

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

おすすめ記事

  1. 【大三国志 攻略1】ついに始まった中国韓国で大ヒットしている戦略RPGの三国志
  2. 【はじ三お悩み相談回答編】隠れ三国志ファンのお悩み 考える諸葛亮孔明
  3. 【週間まとめ】はじめての三国志ニュース25記事【6/12〜6/18】
  4. 【魏の五虎将】俺たちだって五虎将だ!張遼編
  5. 【はじめての方へ】難しい三国志サイトに飽きたら、黙ってココをCLICK!!
  6. 【第二回 放置少女】これはやりすぎじゃね?新しく加わった黄月英はネコだった!?

三國志雑学

  1. 張翼
“はじめての三国志150万PV" はじめての三国志コミュニティ総合トピック
“広告募集"

はじめての三国志 書籍情報


著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

おすすめ記事

孫資(そんし)と劉放(りゅうほう)の綱渡り!曹叡の側近達による命懸けの戦い 【三国天武 攻略その3】諸葛孔明?それとも呂布?三国天武に登場する超強力な星7武将ランキング 毛沢東(もうたくとう)とはどんな人?中国の赤い星の生涯 白起(はくき)ってどんな人?キングダムでお馴染みの六大将軍 士仁(しじん)は何で関羽を裏切ったの?呉へ降伏してしまった蜀の武将 【孔門十哲】子貢(しこう)とはどんな人?弁舌なら孔子にも負けない魯の救世主 新制度導入はこんなに大変!胡服騎射を導入するために苦労を重ねた武霊王 【告知】諸葛亮孔明 VS 韓信夢の対決実現!前夜祭の両者インタビュー

おすすめ記事

  1. 姜維も食べた剣門豆腐の由来と中華豆腐レシピを紹介 蜀の姜維
  2. 月刊はじめての三国志2018年1月号 (桃園出版 三国舎)を出版しました
  3. 33話:度重なる幸運にハングリーさを失う曹操
  4. 阿部正弘の死因は何?ストレスに倒れた若きイケメン老中首座
  5. 三国志時代の軍備・軍事ってどんなのがあるの?
  6. 独裁なんて無理!三国志の群雄は雇われ社長
  7. 菫卓が死んだ後、長安はどうなったの?
  8. まだまだいた三国志の名外交官たち5選

はじさん企画

袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志"
“水滸伝"

“三国志人物事典"

PAGE TOP