はじめての三国志

menu

三国志の雑学

驚愕!蜀漢の塩の精製が意外にハイテクだった!

この記事の所要時間: 241




蜀 兵士

 

三国の一角である蜀は内陸国ですが、以外にも資源豊かな土地でした。

特に、地面を掘削して掘り出す井塩の名産地として有名だったようです。

それは、蜀漢の時代にはすでに盛んであり、その事業は、

かなり近代的な設備で行われていたのが分かってきました。

 

はじめての三国志:全記事一覧はこちら




四川は井塩の名産地だった

劉備

 

中国では前漢の武帝の時代に、度々、匈奴に遠征した為に

国庫が空になりその財源として、塩の販売を民間から取り上げて国営にしました。

それは塩官という役職が管轄し、全国に三十六の製塩事業所が出来、

その中で巴蜀地方は4県に事業所が配置されていた事から見ても、

いかに蜀において製塩事業が盛んだったかが分かります。




井塩は掘り出すまでが一苦労・・

塩 f

 

巴蜀地方の塩は、地面を掘削して掘り出す井塩(せいえん)という塩でした。

塩が取れると言っても、井戸を掘るわけですから簡単ではありません。

 

塩が出そうな川に近い場所で目星をつけた個所に、

金属製の穿鑿(せんさく)具を突き刺していき、大体、十丈、

30メートル程も懸命に掘らないと水しか出てきません。

 

掘り進めて地面に器具が届かなくなると穿鑿具に竹を付け足し、

また掘り進め、さらに届かなくなると、また竹を付け足し、

結果、穿鑿具の長さは30メートルにもなるという事です。

 

すんなり井塩に到達したとしても最低1カ月、遅い時には半年間かかると

書かれています、それまでは、黙々と地面を穿つ作業ですから

仕事をする人は面倒くさかっただろうと思います。

 

塩水が出てくると、櫓を組んでいく

塩田

 

めでたく塩水が出てくると、今度はこのポイントに櫓を組みます。

そして、滑車を用意して縄を通し、二つの桶を4人の人間が

交互にくみ上げるのです。

 

詳しくは、毎度おなじみ、はじさん特製イラストで

確認して頂きたいのですが、、

 

この足場には必ず塩水を貯める水槽が設置されていて、

水槽は一箇所に穴があいていて、そこからは

竹筒が地面に向かって伸びています。

 

この竹筒を通過して塩水は地面に降りてゆき、

最後には、牢盆(ろうぼん)と呼ばれる塩炊鍋に注がれる仕組みなのです。

櫓の高低差を利用して、パイプラインを張り巡らした、

蜀漢の製塩所、なかなかハイテクな感じじゃありませんか?

 

ビックリ、蜀漢の時代にはガス釜があった!

 

巴蜀は、塩以外にも天然ガスの宝庫でもありました。

地面を掘ると出てくる燃える気体は、すでに前漢では知られていて、

これを利用してガス釜が造られていたのです。

天然ガスは酸素で燃えますから、使わない時は蓋をすれば、

火は消えるので、使い勝手が良く元手も無料のエコエネルギーです。

 

それは製塩所でも、牢盆(ろうぼん)を沸かす釜として活用されていました。

天然ガスを中国の人々は、こんな昔から産業に利用していたのです。

 

天然ガスと諸葛亮孔明

孔明 出師

 

六朝の志怪小説、異苑には、諸葛亮孔明(しょかつ・りょう・こうめい)

天然ガスの逸話があります。

 

蜀郡の臨邛には火を吹く井戸がある、漢の帝室が盛んである頃には

火も盛んだったが、桓帝、霊帝の頃には火勢も次第に衰えた。

しかし、諸葛亮が一度、その井戸をのぞきこむと再び火が盛んになった。

景耀元年(258年)になって、ある人が蝋燭を投げ込んだら火は消えた。

その年、蜀は滅ぼされた。

 

堂々と蜀漢滅亡の年、263年を間違えているのは御愛嬌ですが、

これは、漢朝を火徳の王朝と捉え、天然ガスの火が衰えるのを

漢の命運に託している話なのです。

 

三国志ライターkawausoの独り言

kawauso 三国志

 

さて、遥か蜀漢の時代の製塩業のハイテクぶりを紹介しました。

金属の穿鑿で30メートルも穴を掘り、櫓を組んで塩水をくみ上げ

竹のパイプラインで地上まで塩水を輸送して、最後は天然ガスの釜で

塩を炊き上げる、一連の工程は洗練され機能的になっていて、

素朴な塩炊きではなく大がかりな産業になっています。

 

実際に人体に必要不可欠な塩は、どんなに高くても売れたので

政府から仕事を請け負った業者は巨万の富を築いたそうです。

 

本日も三国志の話題をご馳走様・・

 

はじめての三国志:全記事一覧はこちら

関連記事:三国志時代に降伏や降参するときはどうやってサインを出していたの?

関連記事:【素朴な疑問】三国志時代はどうやって兵士を集めていたの?

 

—古代中国の暮らしぶりがよくわかる—

 




 

 

よく読まれている記事

 

曹操01

よく読まれている記事:曹操を好きになってはいけない6つの理由

朝まで三国志

 

 

よく読まれている記事:朝まで三国志 三国志最強のワルは誰だ(笑) 第1部

 

kawauso 投壺

関連記事:三国時代の娯楽にはどのようなものがあったの?タイムスリップして当時の人に取材してみた

袁紹 曹操

 

 

よく読まれてる記事:【三国志if】もし袁紹が官渡の戦いで曹操に勝ってたらどうなってたの?

 

kawauso

kawauso

投稿者の記事一覧

三度の飯の次位に歴史が大好き

10歳の頃に横山光輝「三国志」を読んで衝撃を受け
まずは中国歴史オタクになる。
以来、日本史、世界史、中東、欧州など
世界中の歴史に興味を持ち、
時代の幅も紀元前から20世紀までと広い。
最近は故郷沖縄の歴史に中毒中、、

好きな歴史人物:

西郷隆盛、勝海舟、劉邦、韓信、、etc

何か一言:

歴史は現在進行形、常に最新のジャンルです。

関連記事

  1. 諸葛亮の出師の表って、一体何が書いてあるの?
  2. 裴潜(はいせん)とはどんな人?鳥丸の反乱を抑え、様々な政策を生み…
  3. 孫堅が早死しなければ、袁術が天下統一をした?元海賊狩りから異例の…
  4. 曹操のお屋敷はガラスでキラキラだった?西域趣味の曹操が金髪美女と…
  5. 【よくわかる】SEALDsは後漢時代にも存在した?党錮の禁とSE…
  6. 【はじめての孫子】第11回:兵は多きを益ありとするに非ざるなり。…
  7. 朝まで三国志 三国志最強のワルは誰だ(笑) 第13部(完)
  8. ちょっと悲しい桃園三兄弟(劉備・関羽・張飛)の最期

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

おすすめ記事

  1. 三国志一騎打ちの強さベスト10!一騎当千は誰だ!
  2. 文聘(ぶんぺい)のリアル三國無双!五虎大将軍の関羽を倒し呉王・孫権には空城の計を使っちゃう!
  3. 【ファン必見】2016年スーパーエリート袁術君の活躍まとめ26選
  4. 【三国志の素朴な疑問】蜀が北伐を止められなかった理由とは?
  5. 【トラブル続発】後漢の時代の塾は色々面倒くさかった?
  6. ライバルへの最期の言葉、劉備と曹操のイイ話

三國志雑学

ピックアップ記事

おすすめ記事

王元姫(おうげんき)とはどんな人?司馬昭の妻となる道理を重んじる女性 陳寿が語る孫権像 孔明の死後から三国志の統一までをザックリ紹介 極悪人の董卓の参謀・李儒は董卓以上の悪人だったの? 時空を超える関羽、琉球の民話に登場 李陵(りりょう)とはどんな人?キングダムの李信を先祖に持つ悲運の将軍【前半】 合体!曹&袁コンビ!董卓軍をフルボッコに撃破する方法!! これなら誰でも騙される!越王句践の凄まじいゴマすりを紹介。

おすすめ記事

  1. 23話:二人の英雄を破滅に追いやる魔性の玉璽
  2. いつまでやるの?またまた『赤兎馬=カバ説』を検証してみる。第2弾【HMR】
  3. 陳寿(ちんじゅ)とはどんな人?●●のレッテルを貼られてしまった正史三国志の作者
  4. 劉淵(りゅうえん)とはどんな人?劉備の子孫と称して晋を崩壊に導いた匈奴の単于
  5. もし姜維が魏に残り続けていたら蜀はどうなった?魏では出世できた?
  6. 【留年っていいな♪】 魏の大学には落第生ばかり!!その意外な理由とは?
  7. 何で賈詡は董卓残党を奮起させて王允の政府を破壊したの?
  8. 華歆(かきん)とはどんな人?孫呉の英雄達に仕えた文官

はじさん企画

袁術祭り
特別企画
異民族
諸子百家
春秋戦国時代
日常生活
はじめての三国志TV
PAGE TOP