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楚の荘王が残した「鳴かず飛ばず」【五分でわかる春秋戦国時代の名言】

2017年1月11日


 

 

春秋時代、中国には4つの大国がありました。

一つは北方の大国で文公の時代には春秋の覇者たる地位を獲得したこともある晋。

二つ目は西方の強国で異民族討伐によって国土を拡大し、

百里渓(ひゃくりけい)や蹇叔(けんしゅく)などの賢臣を配下に加えたことで強くなった秦。

三つ目は東方の国で、名宰相・管仲(かんちゅう)を加えたことで国力は増大。

諸侯からも信頼されていた斉です。

そして最後は南方の超大国で、今回の主人公が居る楚の国です。

今回は南方最大の勢力である楚の国の君主である荘王の名言を紹介したいと思います。

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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戦争王と言われる暴君の跡を継いだ荘王

 

 

楚は成王の時代に中華最大の国となります。

彼は自分の後継を商臣(しょうしん)にしようとしますが群臣から大反対されます。

しかし成王は群臣の意見を無視して彼を太子に決定。

だが成王は何を思ったのかいったん商臣を太子に立てますが、

「やっぱりあれは目つき悪いし、あんまり評判良くないから後継を変えよう」と言い始め、

彼は息子達の中から違い人物を跡取りに立てます。

この事を聞いた商臣は激怒して成王を殺害。

そして自らが楚の王様として君臨することになります。

彼は王になると中原諸国に殴り込みをかけて、色々な国へ攻撃を仕掛けます。

そのため中原諸国にある小国は楚王を恐れて、次々と臣従してきます。

その後彼が亡くなると次世代の君主として彼の嫡男が跡を継ぎます。

 

あれ!?この人もしかして噂のポンコツ君くんじゃない

 

さて暴君であった商臣の跡を継いだ荘王ですが王になると家臣達に

「てめーら。俺に諌言(かんげん)してきたら死刑だからな!!」と命令を発します。

この命令を聞いた家臣達は「こいつ。暴君・商臣の息子だからやっぱりポンコツくんだったか。」と

ため息混じりにひそひそ話を始めます。

荘王は命令を発したあと昼夜問わずに遊びまくります。

こうしてポンコツくんが三年間何にもせずに遊んでいると、

王様を見かねて一人の勇気ある人物が荘王へ会見を申し入れに行きます。

 

ポンコツくんとなぞなぞ

 

 

ポンコツくんである荘王に会見しに行ったのは伍挙(ごきょ)という人物でした。

彼は荘王の前に出向くと「王様私は一つなぞなぞを出したいと思います。」と

荘王になぞなぞを出します。

荘王は伍挙の話を聞いて「面白そうじゃな。言うてみぃ」となぞなぞを出すことを許します。

伍挙は荘王の許しを得ると「丘の上に1羽の鳥がいました。この鳥は三年間一回も飛ばず、

鳴くこともしませんでした。なぜなのでしょう。」と問いかけます。

すると荘王は「その鳥は三年間一回も飛ぶこともせず、鳴くこともしない。

しかし一回天空を羽ばたいて飛べば、どの鳥にも負けない位遠くに飛ぶことができる。

また一回鳴けば天下を驚かせることができるであろう。」と答えます。

この答えを聞いて伍挙は満足して、荘王の元を去っていきます。

だが伍挙のなぞなぞの後も荘王は遊びほうけておりました。

そんなポンコツ君に蘇従(そじゅう)という人物が諌言します。

荘王は蘇従が来ると「お前。諫言しに来たら処刑するって言ったの聞いていたのよな」と

彼を睨みつけながらいいます。

しかし蘇従は「はい。私の命を持って王の今の姿を変えることが出来るのであれば本望です。」と

胸を反らして発言します。

この言葉を聞いた彼は翌日覚醒することになります。

 

ポンコツ君から名君に

 

 

荘王は蘇従の言葉を聞いた翌日から一気に大変身。

彼は酒も女遊びも一切やめて国政を行います。

彼がまず行ったことは伍挙と蘇従に楚の国政を任せることでした。

そして荘王が遊びほうけている時に、何にもしなかったか家臣100人以上を全員残らず処断して、

人事を刷新。

こうして楚の国は変化を遂げて、

彼が覚醒してから数ヵ月後に小国を一つ滅ぼして領土拡張をなします。

この上記の話が現代に残る「鳴かず飛ばず」の語源になっております。

 

春秋戦国時代ライター黒田廉の独り言

黒田廉

 

上記の楚の話は「史記」を参考にして記事にさせていただきました。

またざっくりとこのお話をしているので、詳しく知りたい方は難しいですが、

史記を読むと詳細に書いております。

「今回の春秋戦国時代のお話はこれでおしまいにゃ。

次回もまたはじめての三国志でお会いしましょう。

それじゃあまたにゃ~」

 

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黒田廉(くろだれん)

黒田廉(くろだれん)

三國志が大好きです。オススメのマンガは曹操を描いた蒼天航路がオススメです。三國志の小説のオススメは宮城谷昌光氏が書いた三國志です。好きな食べ物はマグロ、ぶり、アジが大好きな猫です。

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