井伊直虎の許婚はどういう人?おんな城主 直虎をさらに楽しむ!

2017年1月22日


 

おんな城主01 直虎

 

2017年のNHK大河ドラマ、女城主直虎(なおとら)はご覧になっていますか?

第一話から、直虎の許婚の亀之丞(かめのじょう)の父、井伊直満(いいなおみつ)が

謀反の疑いで今川義元(いまがわ・よしもと)に殺される、THE戦国時代の

非情な展開にビックリした人も多かったようです。

さて、井伊直虎の許婚の亀之丞は、どういう人だったのでしょうか?

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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NHK大河ドラマでは、幼馴染の3人は将来、敵味方に・・

おんな城主02 直虎

 

女城主直虎は、高視聴率で発進しましたが、その大きな要因は、

登場する子役達の初々しさであるようです。

おとわ(井伊直虎)亀之丞(井伊直親)鶴丸(小野道好)は幼馴染として登場します。

史実には、そのような記述はないので、これはドラマを盛り上げる演出でしょう。

おとわと亀之丞は親同士が決めた許婚ですが、実は鶴丸もおとわに好意を持っています。

ですが、おとわはその事に気がついていません、片思いなんですね。

 

しかし、ある日、3人の関係は大きく変化します。

鶴丸の父、小野政直(おの・まさなお)が戦国大名、今川義元に亀之丞の父、

井伊直満が謀反を企んでいると讒言、義元は激怒し直満を申し開きも

許さず自害させてします。

これにより、おとわと亀之丞と鶴丸の関係は崩壊してしまいます。

 



亀之丞は信濃国に逃亡してしまう

 

さて、小野政直は、ただ、井伊直満を殺しただけに留まりません。

本音は、おとわと亀之丞の縁組を粉砕して自分の息子の鶴丸とおとわを縁組させ

井伊谷の城主にする事ですから亀之丞も殺そうと追手を差し向けます。

ドラマでは、おとわが、亀之丞と衣服を変えて亀之丞を逃がす時間を稼ぎますが

史実では、後継ぎが絶える事を恐れた、おとわの父、井伊直盛(いい・なおもり)が

手立てをして逃がしたという事になっています。

 

そして、おとわの方は、小野政直の追求をかわす為に、

10歳にもならないのに髪を落して尼になって次郎法師と名乗るのです。

 

亀之丞こと井伊直親は信濃で結婚してしまう

 

こうして、信濃に逃げた亀之丞こと井伊直親は、この地で成人し、

奥山親朝(おくやま・ちかとも)の娘を妻に迎えます。

彼にも色々考えがあったのでしょうが、万が一、故郷に戻れない事も

考えればやむを得ない措置だったのでしょう。

 

しかし、思いがけない事に、1555年、今川義元の勘気が解け、

井伊直親は井伊谷に戻ってくる事になります。

そして、直虎抜きで井伊直盛の後継ぎとして時期城主のポストに

座る事になるのです。

 

やれやれ、良かった、、と言っていいのか・・

直虎こと、次郎法師にとっては複雑な気分だったでしょう。

 

桶狭間の戦いで、直虎の父、井伊直盛は戦死する

 

1560年、井伊家にとっては恐怖の存在である独裁者、

今川義元は3万の兵を引き連れて上洛を開始します。

もちろん、この3万人には、井伊直盛の姿もありました。

ところが、この上洛は、今川義元にとっても井伊直盛にとっても

悪夢のイベントになりました。

 

戦国の風雲児、織田信長(おだのぶなが)が3千の兵力で桶狭間という、

狭い場所に雨のせいで宿営していた今川義元の本陣を奇襲、

今川義元は首を討たれ、井伊直盛も戦死してしまったのです。

戦国史上に名高い、桶狭間(おけはざま)の戦いでした。

 

井伊直親、井伊谷の城主に就任

 

敗北して引き上げる今川軍の中には、戦死した井伊直盛の姿もありました。

悲しみに打ちひしがれる井伊谷ですが、そうしてもいられません。

井伊直親は、直盛の後を継いで、井伊谷城の城主になるのです。

直親が城主になった翌年、直親の妻は男児を産みました。

これが後の徳川四天、井伊直政(いいなおまさ)です。

 

悲しみを乗り越えて、井伊家は再び、隆盛するかに見えました・・

 

井伊直親、小野道好の讒言で窮地に陥る

 

しかし、井伊直親が城主に座った事を快く思わない人物がいました。

小野政直の子で小野家を継いだ小野道好(おのみちよし)です。

そう、幼馴染の鶴丸が、今は父の後を継いで井伊谷を手にいれようと

野心を燃やしていたのです。

 

井伊直親は、すでに凋落の兆しがあった今川を見限り自立しようとしていた

徳川家康(とくがわ・いえやす)に接近しようとしていました。

そうでなくても、父を問答無用で殺した今川氏に反感はあったでしょう。

 

小野道好は、直親が家康に接近しようとしているという讒言を、

今川義元を継いだ今川氏真(いまがわうじざね)の耳にいれます。

ああ、十数年の時を超えたデジャブです。

 

井伊直親、朝比奈泰朝に斬殺され生涯を閉じる

 

部下の離反にナイーブになっている氏真は、小野道好の讒言を信じ激怒し

井伊谷を攻め落そうとします。

今川家の重臣、新野親矩(にいの・ちかのり)は、妹が井伊谷の

井伊直盛に嫁いでいたので必死に直親の為に弁明して氏真を思い留まらせます。

 

井伊直親は新野親矩の仲介による僅かな可能性を信じ、数名の供だけを連れて

駿府の氏真に釈明に向かいますが、気が変わった氏真は、掛川で

朝比奈泰朝(あさひな・やすとも)を待ち伏させ斬殺してしまうのです。

 

井伊直親は、こうして27歳の短い生涯を閉じました。

 

女城主直虎ウォッチャーkawausoの独り言

kawauso 三国志

 

このように、井伊直虎の許婚、井伊直親の人生は僅かに27年、

城主である事、1年足らずで終わってしまいます。

しかし、直親は、後の井伊家の隆盛に繋がる大きな仕事をしていました。

それが、息子、井伊直政です。

 

ズタボロになった井伊家は、この直政が元服して徳川家に仕えるようになり

不死鳥のように甦っていく事になるのです。

もちろん、その前には、井伊直虎が、必死で井伊家を支えるのですが、

もし、井伊直虎と井伊直親が結ばれていたら、直政が産まれる事は無かった

と言う事になりますから、二人が結ばれないのは、やはり運命だった、

そう言えるのかも知れませんね。

 

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台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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