宦官は善良な人物もいますが、
大体宦官は権力を握るために悪いことをいくつもしでかしております。
そのため後漢王朝の末期には悪いことをし続けた宦官を排除するため、
何進(かしん)が各地の群雄を呼び寄せております。
そしてこれから紹介する宦官も悪い人物です。
この悪い宦官の名前を趙高といいます。
彼が始皇帝の次男に向けて放った「断じて行えば鬼神もこれを避く」と言う言葉を発したことで、
歴史は大き変わることになるのです。
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始皇帝死す・・・・悪謀が始まる
秦の始皇帝は旅好きで、毎年全国を巡察する目的で旅を始めます。
今回も始皇帝は次男・胡亥(こがい)、宰相・李斯(りし)、宦官・趙高(ちょうこう)
などを連れて旅に出ます。
彼はこうして巡察を目的として旅を開始しますが、
砂丘と言われるところで病が重くなってそのまま亡くなってしまいます。
始皇帝は亡くなる間際、趙高へ太子である扶蘇(ふそ)へ手紙を出します。
趙高は始皇帝が亡くなってからこの手紙を勝手に拝見。
そこには「お前は蒙恬(もうてん)に兵を預けて、首都・咸陽(かんよう)へ帰還すべし。
帰還後は私の死骸を葬れ」と書いてありました。
これは扶蘇が次世代の皇帝として命じられている意味を含んだ手紙でした。
この手紙を趙高はあろう事か自らの服の中に入れて、扶蘇の元へ送りませんでした。
そして彼はある謀略を思いつきます。
趙高の謀略その1:胡亥を必死に説得
趙高は始皇帝の手紙を読み終わると次男である胡亥(こがい)の所へ行き、
「胡亥様。陛下亡き後はあなた様が次世代の天子になるしかありません。」と説得します。
趙高の言葉を聞いた胡亥は「いや。長男である扶蘇が皇帝になるに決まっているだろう。
また古代から長男が父の跡を継ぐことが決まっており、私が皇帝として就任することはない。
さらに私には兄に一つとして勝ることができない。
このようなポンコツが皇帝の位についても誰もついてこないだろう」と趙高の言葉を否定します。
趙高はめげずに胡亥説得にあたります。
胡亥は最初こそ皇帝へ就任することは反対しておりましたが、
だんだん趙高の言葉を聞いているうちに皇帝になってもいいかな~と考えがぐらつき始めます。
趙高は胡亥が皇帝の位に就任しても言いような素振りを見せ始めたため、
彼はここで決めゼリフを決めます。
趙高の決め台詞「断じて行えば鬼神もこれを避く」
趙高はみずからの言葉によって否定的な言動を繰り返していた胡亥の気持ちが、
次第にぐらついていることを見てとり、決めゼリフを彼に向かって述べます。
その決めゼリフは「断じて行えば鬼神もこれを避く」です。
この意味はグズグズと決断を決めかねている場合に励ます言葉として用いられます。
趙高の決めゼリフを聞いた胡亥は皇帝になる意思を固めることになるのです。
そして趙高は胡亥の説得に成功した後、丞相である李斯に対しても必死に説得を行い、
彼を仲間に引き入れることに成功します。
こうして始皇帝の死体が乗っている車の中で歴史を変える大きな悪謀が結構されることになったのです。
春秋戦国時代ライター黒田廉の独り言
もし趙高がこの決めゼリフを言わなければ、
胡亥は皇帝になることもなかったのではないのでしょうか。
趙高の説得が失敗に終われば、始皇帝の長男である扶蘇が皇帝の位に就任することになり、
秦の国は磐石な体制を築くことに成功したかもしれません。
とすれば漢王朝は発足せず、三国志は生まれなかったかもしれません。
このように考えていくと趙高のおかげでその後歴史が運命付けられたと言っても、
言い過ぎではないような気がします。
皆さんはどのようにお考えでしょうか。
「今回の春秋戦国時代のお話はこれでおしまいにゃ。
次回もまたはじめての三国志でおあいしましょう。
それじゃあまたにゃ~」
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