朝まで三国志軍師
まだ漢王朝で消耗してるの?




はじめての三国志

menu

はじめての蜀

三国志の時代にダムがあった!蜀が豊かであったのはダムのおかげ

この記事の所要時間: 428




シュトヘル

 

突然ですがはじめての三国志を読んでいる読者の皆様は「シュトヘル」と

言う漫画をご存知でしょうか。

この漫画は西夏と言われる国の文字を焼き尽くして歴史の中から抹消しようとしている

モンゴルのハーンから西夏文字を残そうとするモンゴルのハーンの息子ユルールと

金の女兵士であったシュトヘルが織り成す歴史ファンタジーです。

私の中ではキングダムを超える歴史漫画であると思っているので興味がある方は読んでください。

そしてこのシュトヘル現在物語は佳境を迎えているのですが、

この作品の中で南宋の領土である成都に都江偃(とこうえん)と呼ばれるダムができます。

なんとこのダムは三国志や春秋戦国時代にも関係があるらしいので今回調べてみました。

 

はじめての三国志:全記事一覧はこちら

関連記事:【新企画】朝まで三国志を開催!夜22時~朝6時までノンストップ特別企画!




都江偃とは一体何なの

都江偃 wiki

(都江堰全景 wikipedia)

都江偃とは一体何なのでしょうか。

都江偃は眠江(みんこう=四川盆地を流れる川)が山岳部を抜けて成都平野へ流れる部分に

築かれている施設です。

この施設を使って成都平野に向かって眠江の水を成都方面に流すことができ、

成都周辺の村々は眠江の水を使用して灌漑や水運などに利用してきました。

さらに現在でもこの都江偃は使用されており、世界遺産として登録されております。




都江偃はいつごろ築かれたの

昭襄王

 

都江偃が築かれたのはなんと紀元前の秦の時代。

秦の時代でも最強と言われた時代である昭襄王(しょうじょうおう)の時代です。

昭襄王は蜀郡の太守に対して「蜀近辺では水害が多く多くの民衆が困っている。

そこでお前に蜀周辺の水害をなくすような施設を完成させよ」と命令。

この命令を聞いた太守はまず周辺地域の調査に乗り出します。

そして彼が調査を開始して数ヵ月が経った頃ようやく水害が発生する原因を突き止めます。

 

蜀が水害に見舞われる原因とは

新潟 雪 f

 

蜀が水害に襲われる原因は雪解け水が原因でした。

春先になると温度が上がり山に積もっていた雪が水となって眠江に流れ込んできます。

この時の雪解け水が膨大であるため眠江周辺では毎年洪水が起きるのであろうと

蜀郡の太守は断定します。

こうして眠江が洪水となる原因を断定した蜀郡の太守は急いで昭襄王に調査結果を報告。

この報告を聞いた昭襄王は「解決策は考えているのであろうな」と

彼に解決策があるのか質問します。

すると太守は「もちろんあります。ダムを作ることが一番早くこの問題を解決できるでしょう。

しかしこの地点にダムを作ってしまうと蜀の奥地へ軍勢を送る際、

非常に困難となるでしょう。そこで私が考えた案ですが、

眠江の中程にダムを建造します。

このダムの役割は洪水が起きる春先の眠江の水量を本流と分流に分断する役目を負います。

分流はこれから工事を行い運河として建設する必要がありますが

この方法を取れば眠江の川にかなりの水量が増えない限り、

洪水を起こすことはないと考えます。」と洪水防止案としてダム建造計画を提案します。

昭襄王はこの計画を聞いてすぐに協議にかけて相談してみると蜀郡太守に告げた後、

彼を下がらせます。

昭襄王は配下を集めて蜀郡太守が提案したダム建造計画を朝議にかけます。

すると配下の文官達は大いに賛同し、すぐにお金を集め始めます。

数日後再び昭襄王に呼ばれた蜀郡太守は「お前が考えた眠江にダムを造り、

洪水を止める計画だが、配下の者達も賛同した。

そしてお前をダム建造計画の総責任者として任命するゆえ、

できるだけ早くダム建造を行い眠江周辺の水害をなくすように努めよ」と命令を出します。

そして昭襄王は彼に莫大なお金と建築工事に使用する奴隷や民衆を使う権利を与えます。

こうして蜀郡の太守が提案したダム建造計画はゆっくりと動き始めます。

 

 

ダム工事開始

ダムを作っている蜀兵士

 

蜀郡の太守は昭襄王(しょうじょうおう)からダム建造に係る資金と

人足を指揮する権限を与えられるとすぐに領地である蜀に戻って建造を開始。

まず彼は本流と分流に水を分けるべく堤防の工事から着手していきます。

蜀郡太守は眠江の水を本流と分流に分けるためにまず大量の竹かごを人足に作らせます。

そして完成した大量の竹かごの中に石をいっぱい入れて重量を増やしてから、

これらを眠江の中に投入します。

そしてすぐに人足を眠江の中に入れて木材で作ったテトラポット状木枠で竹かごを固定します。

この結果眠江をとりあえず分断する建造物の制作を終了します。

 

岩盤の亀裂を入れ、運河を造る作業がちょー大変??

 

蜀郡の太守はこうして眠江の水流を変える建造物の制作を完了し、

次なる作業を開始します。

次の作業は岩盤に亀裂を入れて土を削り運河を造る作業です。

しかし当時は爆薬など岩盤に亀裂を簡単に入れることのできる道具がありませんでした。

その為、蜀郡の太守はどうすれば岩盤に亀裂を入れて運河を作れば良いか、

途方にくれてしまいます。

途方にくれてしまった蜀郡の太守ですが、ダム建造地の場所を歩き回ってみたり、

治水事業の経験がある同僚に話を聞いてみたりした結果、一つの案を思いつきます。

彼が思いついた案というのは玉壘山の岩盤を削るために、

岩盤を高熱で熱した後、冷たい水をかけて岩盤に亀裂を入れようと考えます。

この作業で岩盤に亀裂が入って行くことが確認されるとすぐに岩盤を削る作業を行います。

しかしこの作業はものすごい時間と労力のかかる作業でした。

この間に玉壘山の東部に灌漑水路を完成させております。

こうして地道な玉壘山の岩盤掘削作業の結果、

8年もの時間をかけて20メートルほどの運河が完成します。

だが蜀郡太守は病に冒されて亡くなってしまいます。

 

息子の代にようやくダムの形が完成する

24-8_ダムが完成した蜀

 

蜀郡の太守はダム完成を見ることなく亡くなってしまいます。

だが工事はここで終わりではありませんでした。

昭襄王は蜀郡の太守の息子である李二郎へダム建造工事を引き継がせて行わせます。

李二郎は父が残したダム工事の事業を引き継いで、運河の幅を拡大させる工事と

眠江を本流と支流に分ける中洲の工事を行います。

こうした工事を行った結果ついにダムは完成。

このダム名を「都江偃」と名づけます。

そして都江偃が完成したことで蜀の地は眠江の農業用水が通り、

以前と比べて農業生産能力は飛躍的にアップ。

蜀の地は大穀倉地帯へと進化を遂げることになります。

 

その後も工事は続く

 

こうして都江偃は完成しましたが、

昭襄王の時代以降も都江偃の増築・修理の作業は断続的に行われており、

前漢時代の蜀郡太守は成都平野東部へ水路を伸ばします。

そして後漢時代には成都平野の西南部に水路を伸びていきます。

その後も歴代の中国王朝が都江偃の水利を利用するために水路増築を行っていきます。

 

都江偃を重視した後漢王朝と孔明

孔明と司馬懿

 

漢王朝は都江偃の重要性を理解しており、地震や天災によって都江偃が破損するとすぐに修理や補強工事を行って行きます。

また後漢のポンコツ皇帝である霊帝は都江偃を守るために「都水長(とすいちょう)」、

「都水椽(とすいえん)」と呼ばれる都江偃の管理と維持を目的とした官職を作ります。

また三国志の時代に登場するスーパー丞相である諸葛孔明は都江偃を守るために

常時1000人以上の兵をここに駐屯させて守っていたそうです。

 

ダムライター黒田レンの独り言

黒田廉さん02a

 

数千年の時を経ても動き続けている都江偃。

古代中国の土木技術がすごい事と当時の中国の人々がどれだけ先端技術を有していたのかが、

わかる代物でしょう。

世界遺産に登録されているのもうなずけるでしょう。

また現在でも都江偃を利用した水路拡張工事が進んでいるそうです。

「今回のダムのお話はこれでおしまいにゃ。

次回もまたはじめての三国志でお会いしましょう。

それじゃあまたにゃ~」

 

はじめての三国志:全記事一覧はこちら

関連記事:【三国志if】もし袁紹が官渡の戦いで曹操に勝ってたらどうなってたの?

関連記事:「後漢の州人口」から読み解く群雄の力!曹操が袁紹の本拠地を欲しがった理由も分かる!

 

—古代中国の暮らしぶりがよくわかる—

 




 

黒田廉(くろだれん)

黒田廉(くろだれん)

投稿者の記事一覧

横山三国志を読んだことがきっかけで三国志が好きになりました。
その後の日本史・中国史を学びました。
またいろいろな歴史小説を読んでおります。
現在はまっている歴史小説は宮城谷昌光氏の劉邦です。

歴史人物:

張遼、孟嘗君、張作霖など

何か一言:

今年も頑張ってはじさん盛り上げていくにゃー!!

関連記事

  1. 韓遂(かんすい)とはどんな人?生涯の大半を反乱にささげた不屈の反…
  2. 楊戯(ようぎ)とはどんな人?季漢輔臣賛を記して蜀の臣下を褒め称え…
  3. 李厳(りげん)とはどんな人?自分の出世の為に孔明の足を引っ張った…
  4. 織田信長にとって最強の敵は武田信玄や上杉謙信でもなく本願寺顕如だ…
  5. 吉川元春(きっかわもとはる)がスゴイ!敵と味方から恐れられた戦の…
  6. 【おんな城主・井伊直虎を見逃した方へ】第26話「誰がために城はあ…
  7. 【孫策との絆の強さは周喩以上】孫呉の将軍・太史慈は信義に厚かった…
  8. 杜襲(としゅう)とはどんな人?住民と団結して劉表軍と戦った県長

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

おすすめ記事

  1. 迷信を利用して統治を行った魏の西門豹(せいもんひょう)に迫る!
  2. 【三国志歴史ミステリー】魏の二代目皇帝・曹叡(そうえい)は誰の息子か分からない!?
  3. 【日本史の嘘】長篠の合戦は鉄砲三段撃ちのワンサイドゲームでは無かった?
  4. 夷陵の戦いを回避しようとしていた?孔明に比べて目立たない外交人・諸葛瑾の苦労
  5. 【三国志で例えるよ】初心者でも『ジャンヌ・ダルク』『百年戦争』が分かる。基礎&豆知識!
  6. キングダム 本ネタバレ 537話 お待たせ!「大将軍の景色」

三國志雑学

“広告募集"

はじめての三国志 書籍情報


著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

おすすめ記事

【能力高すぎワロタ】仕事のできる蜀の三代目トップ費禕(ひい)エピソードも紹介! 【キングダム】王賁の子孫はついに○○になっちゃったってホント!? 戦国最強の同盟を成立させた名軍師・太原雪斎(たいげんせっさい)の活躍 劉備が宴会していた襄陽(じょうよう)ってこんな街!よかミカンが行ってみた 【あるはずのない超技術】兵馬俑から発掘されたクロムメッキ剣はオーパーツなのか?現代科学でも説明困難な古代のロストテクノロジー(HMR) これは可哀想。。嫌な上司と呂布の謀略の為に死んだ正史の華雄(かゆう) 【実録】三国志の時代のショッピングは命がけだった? 『三國志曹操伝 ONLINE』がアップデート。演義編に新シナリオ「徐庶伝」を追加。お得なパッケージの限定販売も

おすすめ記事

  1. 69話:迫りくる曹操軍50万、絶望的な退却戦 長坂の戦い
  2. 初心者でもよくわかる『はじめての銀河英雄伝説』再アニメ化情報解禁記念!
  3. 劉備は何で蜀を建国しようと思ったの?三国志演義で人気を占める蜀の秘密に迫る
  4. 趙娥(ちょうが)とはどんな人?復讐者兼暗殺者であった烈女・龐蛾親(ほうがしん)
  5. 【三国天武 攻略その2】周瑜や姜維など三国天武の強いイケメン武将と新武将として登場した南蛮王の奥さんを紹介
  6. 【初代親衛隊長】呂布軍を打ち破るきっかけを作った典韋(てんい)
  7. 曹操の詩の世界を体験してみよう
  8. 【三国ブレイズ 攻略2】蜀の名将・趙雲と姜維が加入!アイテムの強化と攻略ポイント紹介

はじさん企画

袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
編集長日記
はじめての三国志TV
PAGE TOP