【戦国四君にまつわる逸話】趙の貴公子・平原君って人を見る目がなかった?

2017年3月11日


 

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平原君

 

戦国春秋時代後期に出現した各国の貴公子たち。

彼らは多くの食客を抱え、何かあれば彼らに相談して物事を図っていたそうです。

そんな貴公子達を代表的な存在を四君と呼び、斉の孟嘗君(もうしょうくん)、

楚の春申君(しゅんしんくん)、趙の平原君(へいげんくん)、魏の信陵君(しんりょうくん)

各国の間でも人望があり、数々のエピソードを残しております。

今回はこの四君の一人である平原君のエピソードをご紹介しましょう。

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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趙の危機

 

趙は秦の攻撃を弾き返すほどの力を保有していませんでした。

そのため秦軍に国都である邯鄲を包囲されてしまいます。

その原因は長平の戦いでの大敗北でした。

趙はこの時の痛手を回復することができず、その結果、

秦の攻撃を打ち払うことができずに邯鄲まで攻め込まれてしまいます。

趙王はどうすれば秦軍を打ち払うことができるか家臣に相談しますが、

誰も妙案を持っていませんでした。

そこで趙王は趙の貴公子で戦国四君に数えられる平原君へ

「趙の危機を救うためにどうすれば良いと思う」と相談。

平原君は「ここは秦を恨んでいる楚へ救援を頼むのがいいでしょう。」と進言します。

この進言を受け入れた趙王は平原君に楚へ使いに行ってもらいたいとお願いします。

平原君は趙王のお願いを受け入れすぐに出立の準備を整えます。

 

食客19人を選抜するも・・・・あと一人が足りない

 

平原君は食客の中から20人ほどの選抜メンバーを連れて楚へ行こうと考えておりました。

彼は宮殿から帰ると早速20人の優れた食客を選び始めます。

しかし19人まではスパット決めることができたのですが、残りの一人が中々決まりませんでした。

平原君はこのまま19人で行こうか迷っているところに一人の食客が選抜メンバーに入れてくれと

お願いに来ます。

 

本当に役に立つの

 

平原君の元へやってきた人物は毛遂(もうすい)という人物です。

彼は平原君に「私を楚へ行く選抜メンバーにいれてください」とお願いします。

しかし平原君は「先生は私の食客になってから何年立ちますか。」と質問。

毛遂は「3年ほどでしょうか」と即答します。

すると平原君は「失礼ですが、3年も私の元に居て先生の優れたお話を聞いたことがない。

また有能な人材とは袋に入った錐のようなもので、すぐに袋から錐の先が出てくるように

私の耳に入ってくるはずです。

しかし先生のお話は一切聞こえてきませんですしこの使節の役に立つのでしょうか。」と

かなり無礼な発言をします。

この発言を聞いた毛遂はイラっとしますが我慢して平原君へ反論します。

 

有能すぎるから袋に入らなかったんだ

 

毛遂は平原君に対して「私は有能すぎて袋の中に入らなかったのでしょう。

もし以前から私の有能を知っていることになっていれば、

袋から錐の切っ先が出るだけでは終わらず、袋を破って使用者の体を貫通していたことでしょう。

」と自らの事をかなり高評価した返答をします。

この発言を聞いた平原君は彼の能力を試すために、選抜メンバー20人の中に入れて

楚へ向かうことにします。

 

戦国春秋ライター黒田レンの独り言

 

さて毛遂は選抜メンバー20人の仲間入りを果たしますが、果たして役に立ったのでしょうか。

毛遂は平原君と共に楚へ入ると彼と共に楚王と会見することになります。

しかし楚王と平原君の話し合いは一向に決着をつくことがなく、

時間ばかりがダラダラと流れていきます。

 

平原君

 

このことに業を煮やした毛遂は剣をもって平原君と楚王の間に入って

「楚王よ。何をだらだらと話し合っているのか!!我が国と盟を結んで、秦と戦う時ではないのか!!」と

激怒しながら発言。

楚王も負けずにブチギレて「てめー誰に物言ってんだ!!」と怒鳴り返します。

楚王はこの無礼者が平原君の客だと知ると怒りを増幅しますが、

毛遂の筋の通った説得に感じ入り、趙と同盟を結ぶことに決めます。

そして趙は楚の援軍や各国の援軍のおかげで、危機を脱出することになります。

こうして楚の使者へ行った選抜メンバーの中で最大の功績を残した毛遂ですが、

平原君は後日ある食客に

「先生のおかげで楚との同盟が成立した。

私は先生の事を今の今まで疑っていたわけだが、

あの時ほど自分の人を見る目のなさを今日という日ほど思い知らされたことはない」と

すごいショックを受けたそうです。

この平原君と毛遂の逸話を後世「嚢中の錐」と呼ぶことになります。

「今回の春秋戦国時代のお話はこれでおしまいにゃ。

次回もはじめての三国志でお会いしましょう。

それじゃあまたにゃ~」

 

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黒田廉(くろだれん)

黒田廉(くろだれん)

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