三国志の時代のライター陽燧(ようすい)が中々便利!


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人類の文明は、火を操る事によって大きく進歩したと言われています。

火は夜中に外敵の襲撃から身を守って安眠を約束し、火によって肉や魚を炙る事で

食中毒を防ぎ、消化を助けると同時に食物を柔らかく美味しくしてくれました。

そんな火を人類は手軽に携帯出来ないかと考えるようになり、三国志の時代には、

陽燧(ようすい)という現代のライターのようなモノが登場したのです。

 

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太陽の力を利用した陽燧のメカニズム

 

中国では、すでに周の時代には、青銅の鏡を磨いて太陽の光を集めて、

燃えやすいものに引火して火をつける方法が発明されていました。

太陽を使うから、陽燧と言いますが青銅を使うので金燧と言ったりもします。

 

最近でも、オリンピックの聖火リレーの最初にギリシャのオリンピアの遺跡で

青銅の鏡から太陽の光を集めてトーチに発火させる儀式がありますが、

あのような青銅鏡がすでに周の時代にはあり、着火道具として使われていたのです。


後漢の時代、陽燧は手の平サイズになった

 

しかし、周の時代の陽燧はサイズが大きく普段から持ち運べるものではなく、

手軽に、どこでもというわけにはいきませんでした。

ですが、次第に改良が進んでいき後漢の時代には、手の平サイズの直径7センチの

コンパクトな陽燧が出現する事になります。

 

こちらも周の時代と同じく、青銅製ですが、表には精巧な幾何学文様を刻み

常に衣服の帯につけておけるように紐を通すツマミがついています。

表面は凹面になっていて、そこに太陽光を集めるようになっており、

ちょっと見るとアンティークの懐中時計のようで一個欲しい位です。

 

陽燧の実際の性能については、三国志魏志 管寧(かんねい)伝に

 

「掌握の中にありては、形は手を出ざるに上は太陽の火を引き、

呼吸の間、烟景以て集まる」と書かれています。

 

つまり、手の平にすっぽり収まり、太陽の火を集めると、

一呼吸の間に光が集まり煙が見えたというので、なかなか高性能です。

 

陽燧→http://jd.cang.com/821714.html


もう少し詳しい引火法

 

陽燧の引火方法は以下のようであるようです。

 

「陽燧の面は窪み、日に向けてこれを照らせば、光みな聚(あつま)りて内に向かう

鏡を放す事一二寸、光聚りて一点となり、大きさ麻菽(あさまめ)の如くなれば

物に著(つ)きて則ち火を発す」

 

これは宋の時代の記述ですが、同じく陽燧なので、使用法には大きな変化はなく、

つまり、光を集めて、豆のような一点になった所に燃えやすい物を置くと、

発火するとそういう意味であるようです。


  

 

陽燧の弱点、曇りや雨の日、そして夜には使えない

 

デザインもよく、なかなか優れモノな陽燧ですが、一つ弱点がありました。

太陽に依存しているので、曇りや雨、夜には使えないという事です。

この事から、当時の人々は、左の腰には陽燧、右の腰には木燧(もくすい)を

帯びていたというように書かれています。

 

木燧とは、木と木の摩擦で火を出す道具のようで、魏の龐涓が馬陵の戦いで

孫臏が樹木に大書した文字を読もうとして、木燧で火を起こして

その灯りが標的となり、斉の伏兵に矢で射られて絶命した事で有名です。

ただ、木燧を使ってどのように発火していたのか?その形状は?となると

モノがモノだけに全く分っていません。

 

三国志ライターkawausoの独り言

 

銭型平次などで有名な火打石は、実は陽燧や木燧より比較的に新しく、

魏晋南北朝時代に登場しました、名前を燧石(すいせき)と言います。

こちらは、やり方が残っていて、鉄片で石を叩いて火花を出して、

それを火(火+戎:かじゅう)と呼ばれるヨモギや硝石を紙に染み込ませた

モノに落して種火を造り、火燭に移して大きな火にします。

ただ、その作業は大変に面倒くさいもので、「煩わしき事石火を敲く如し」

という慣用句が産まれる程でした。

 

そのせいか20世紀の初頭にマッチが入ると、中国では一気に普及し、

燧石も木燧も陽燧もあっという間に姿を消したのです。

 

 

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—古代中国の暮らしぶりがよくわかる—

 


 

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