【戦国四君・孟嘗君の逸話】五月五日の子に生まれた子は捨てよ!!父が信じた迷信が原因で悲劇が訪れる

2017年3月30日


 

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春秋戦国時代を牽引した戦国四君の一人・孟嘗君(もうしょうくん)田文。

彼は五月五日生まれだったことを知っていましたか。

現在ではこどもの日で休日となっており、

皆様はゴールデンウィーク真っ最中で色々な所へ遊びに行っている時期でしょう。

しかし孟嘗君田文はゴールデンウィークを満喫している場合ではなく、

生きるか死ぬかの運命の瀬戸際に立たされておりました。

今回はゴールデンウィーク真っ最中の五月五日に生まれてしまったことが原因で、

大変な目にあった孟嘗君田文をご紹介したいと思います。

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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「こいつを捨ててこい!!」by田嬰

 

斉の宰相として国政を運営していた田嬰(でんえい)。

彼には多くの子供がおり、ある側室が子供を出産します。

だが田嬰は子供が五月生まれであったことが原因で激怒。

子供を生んだ母親へ「今すぐこいつを捨ててこい」と命令。

子供を出産した母親は田嬰の命令に逆らって子供を捨てることなく、

隠して育て上げていきます。

この子供が後に孟嘗君として歴史に名を残すことになる田文です。

 



顔を真っ赤にして激怒

 

田嬰は大臣として斉の国政を取り仕切っており、

当時彼は各国から靖郭君(せいかくくん)と

呼ばれるほど知名度を上げておりました。

そんな中一人の青年が彼のもとを訪ねてきます。

彼は青年と一緒にいる側室へ「誰だこの人は」と訪ねます。

すると側室は「この子はあなたが捨てて来いといった子供です」と伝えます。

この側室の言葉を聞いた田嬰はまたまた顔を真っ赤にして激怒。

そして彼は側室へ「貴様。なぜ育てたんだ」と怒鳴り散らします。

側室は臆することなく田嬰へ「なぜそんなに怒るのでしょうか。

この子があなたに何をしたというのでしょうか。」と質問。

田嬰はこの質問に対して「こやつが五月五日に生まれたからだ」と一言述べます。

たったそれだけの理由で・・・・子供を捨てて来いなんてないんてひどいオヤジなのでしょうか。

現在なら考えられないことです。

 

田文の反撃

 

田文の母親は田嬰の言葉を聞き、怒りを押し殺して「なぜ五月五日の子供は

捨てなくてはならないのでしょうか。」と再び質問します。

田嬰はイライラしながら「五月五日に生まれた子供は戸口より背丈が大きくなると言われており、

戸口より背丈が大きくなれば親を殺害すると言われているからだ」と言います。

田文の母は田嬰が意味不明な迷信を信じていることに唖然として反論できませんでした。

母の言葉と田嬰の言葉が止んだ頃を見計らって田文は父である田嬰へ

「差し出がましいようですが、人の運命とは天から授かっているのでしょうか。

それとも戸口から授かっているのでしょうか。

もし人が天から運命を授かっているのではなく戸口から授かっているのであれば、

私の背丈よりも戸口を大きくすることで父上が信じていることを回避できるのではないのでしょうか。」

ともっともな正論を伝えます。

この言葉を聞いた田嬰は「ふん。うるさいわ」と言って奥へ下がってしまうのでした。

田文の正論に勝つことができないと悟った田嬰は奥へ逃げてしまったのです。

ずるいです・・・・。意味わかなんないです・・・・。

ていうか田文へ謝れって感じですよね。

しかし田嬰はその後も田文に一言も謝罪の言葉を述べなかったそうですが、

彼を自分の屋敷に済ませることにします。

 

戦国史ライター黒田レンの独り言

 

靖郭君田嬰は斉の宰相として国政を預かっていたのにも関わらずあのような意味不明な迷信を

信じていたことに驚きを隠せません。

中国の迷信はいろいろありますが、

頭脳明晰な人物でも当時の中国の人は簡単にあのような意味不明な迷信を信じてしまうそうです。

しかし田文の正論がなければもしかしたら田嬰は彼を亡き者にしたかも知れないと考えると、

迷信って怖いと思いませんか。

「今回の戦国時代のお話はこれでおしまいにゃ。

じかいもまたはじめての三国志でお会いしましょう。

それじゃあまたにゃ~」

 

参考文献 司馬遷「史記」 奥平卓一・久米旺生訳など

 

 

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黒田廉(くろだれん)

黒田廉(くろだれん)

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