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キングダム586話合併号SP不謹慎!王賁死す当時のリアルな葬式は?

2019年1月5日


 

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大人気春秋戦国時代漫画キングダム585話で王賁(おうほん)はようやく雷獄(らいごく)から逃れたものの側近の関常(かんじょう)は、堯雲(ぎょううん)に斬られそうですし、

未だ、王賁が討たれる危機は去ってません。

しかし、1月3日は合併号のせいでYJ自体が休みなので不謹慎ながら、もし王賁が死んだらリアルな古代中国ではどんな葬儀がされるのかを

春秋戦国時代に孔子(こうし)が重んじた士大夫のマナーブック「儀礼(ぎれい)士喪礼(しそうれい)篇からある程度簡単にして紹介しましょう。

 

※こちらの記事は中国古代の葬送儀礼というブログを参照しています。

Http://www.osoushiki-plaza.com/institut/dw/199612.html

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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キングダム586話合併号SP屋根に登って魂を呼ぶ

 

残念にも戦死した王賁は、幸いに首を獲られる事なく救助され、儀礼に従い部下の手で部屋の奥に安置されました。

朱海平原にしっかりした建物はないので、おそらく大き目のテントの中に収容されるでしょう。

王賁を安置すると部下が布団を掛け、次には着ていた服を脱がせ王賁の口を開いて歯に(さじ)を噛ませておきます。

次に脇息(きょうそく)で両足を挟みます、これは死後硬直で足が曲がるのを予防する為です。

それから、干した肉と酒を死者の右側に供えこれが終ると部屋の中にカーテンを垂らし室内を外から見えないようにします。

 

次に、魂を招く復者(ふくしゃ)が一人呼ばれ、死者の礼服を左肩にかけて屋根に登ります。

そして、屋根の中央に北を向いて立ち、衣服を振りながら死者に呼びかけます。

 

「ハア~賁よ~帰り来たれェ!」

 

※ふざけてないですよ、そういう儀式です。

 

これを3回繰り返してから、庭に向かって衣服を投げおろします。

庭では、これを受け止めて東の階段から堂に昇り、死者にそれを着せ掛けます。

古来からの風習では、招いた衣服には魂が包まれており、それを着せれば、魂が元に戻ると考えられていました。

 

この魂呼びの儀式は戦場でも行われ、戦場では衣服の代わりに矢を持って行ったのだそうです。

これでも、死者が甦らない時に、はじめて死が認定されます。

 

 

 

キングダム586話合併号SP秦王政への死亡通知

 

咸陽(かんよう)への王賁死亡の通知は使者を遣わして行います。

しかし、戦時中にこんな悠長な事は出来ないので帰還してからでしょう。

喪主(この場合、王翦(おうせん))は自宅の西階の下に立って言葉を伝えて使者の出発を見送ってお辞儀をします。

死亡通知を受けた主君(この場合は秦王政)も使者を遣わし弔問(ちょうもん)します。

 

王翦は使者を館の正門の外で出迎え門内に案内し、使者は門を入り西の階段から堂に上り秦王政からの言葉を伝えます。

王翦は泣いた後、深いお辞儀をして九度足踏みをする儀式をしました。

やがて、使者が退出すると王翦は門まで見送りお辞儀して終了です。

 

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秦王政からの贈物

 

当時の習慣では、主君は使者を派遣して死者に衣服を送る習慣がありました。

使者が来ると遺族側は堂のカーテンを掲げ、喪主の王翦は寝門の外で迎え使者は衣服をもって寝門を入り堂に昇って秦王政の言葉を伝えます。

王翦は、お辞儀してその言葉をうけ、次に使者は死者のいる室に入り死者に衣服を着せかけます。

そして室を出ると王翦は前のように使者を見送りました。

 

身内や一般の弔問客も衣服を持って王賁の亡骸を訪れますが、自分達で王賁に衣服を掛ける事は出来ずそれは喪主が代わって行う事になります。

ここで、信や蒙恬や河了貂等、生前に王賁と縁故のある人達が登場する事になるわけです。

 

この間、王翦は王賁のそばを離れてはならず、弔問客があっても挨拶を免除されます。

ただ、主君の使者の場合だけは、出迎えの為に室を出ないといけないとなっています。

   

 

死装束の準備

 

死者を埋葬する時には、特別の衣装が用いられます。

下着である明衣裳には麻布が用いられ、顔には顔を覆う正方形の布切れ、頭をくるむ布、黒布製の顔面の覆い、手をくるむ黒衣

死者の上半身にかぶせる黒色の袋、下半身を被せる赤袋が並べられます。

 

死装束を着せる前に死者の体を洗います、つまり湯灌(ゆかん)です。

家来が井戸から水を汲んで近侍2人が水で遺体を洗いますが喪主は参加しません。

 

洗い方にも順番があり、まずは死者の髪を洗い櫛を入れ、手ぬぐいで死者の体に水をつけて清め、浴衣を着せて乾かします。

沐浴に利用した水と手ぬぐいと櫛と浴衣は不浄(ふじょう)なので二つの階段の間に掘った穴に捨てます

 

生前と同様に爪を切りひげを整え最期に髪を紐で束ね、そこを(かんざし)を留め明衣裳を着せます。

この着衣が済んだ所で喪主の王翦は部屋に戻ってきます。

 

王賁へ最期の食事を与える

 

ここで、神主が登場します。

神主は王賁の顔を布巾でおおい歯の間に噛ませた匙を外して、王翦から貝殻を受け取って王賁の横に置きます。

次は貝殻の北側に米をもった器を並べていきます。

王翦は、左手で米を(すく)い王賁の口の右側に三匙入れてそこに貝殻を一つ入れます。

同じように、口の真ん中と左側にも左手で米を掬い三匙入れてから、貝殻を一つ入れます。

口の中を一杯にする理由は、死者の口の中が空いているのがしのびないという気持ちからだそうです。

 

キングダム(春秋戦国時代)ライターkawausoの独り言

 

いかがでしょうか?

これでも全然一部で、まだまだ葬式は続くのですが、当時の雰囲気を伝えたかっただけなのでこれで十分でしょう。

魂呼びのように、すでに廃れた儀式もありますが顔を布で覆ったり湯灌したりなど、2200年を経ても、なおも続いている葬儀の習慣もあります。

こうしてみると、キングダムも日本の歴史と地続きなんだと感じますね。

また、キングダムの時代には地獄や天国の概念はなく、死んだ人の魂は崑崙山(こんろんざん)に登り、天帝である半人半蛇の女媧(じょか)に仕え

そこで永遠の命を得ると信じられていたようです。

 

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