【漢数字】意外と知らない?漢数字のあれこれ

2019年2月8日


 

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三国志大学で勉強する劉備

 

私たち日本人は

実に多くの種類の文字に囲まれて暮らしています。

ひらがな・カタカナ・漢字はもちろん、

ローマ字やアラビア文字まで実に様々です。

 

…アラビア文!?

とちょっと考えてしまった人もいるかもしれませんが、

アラビア文字というのは

「1・2・3…」

といった普段私たちが使っている数字のことです。

 

アラビア数字は江戸時代に入ってきた文字で、

明治時代に学校教育制度が整えられてから

本格的に使われ始めました。

 

では、アラビア数字を使うまで、

どのようにして数字を書いていたのでしょうか…?

言わずと知れた漢数字ですよね。

 

でも、

漢数字とひとえに言っても

意外と奥が深いのです。

 

今回は漢数字のあれこれについて

ご紹介したいと思います。

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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皆がよく知る一・二・三…の成り立ち

 

私たちが良く知っている漢数字といえば

「一」「二」「三」「四」「五」

「六」「七」「八」「九」「十」

「百」「千」「万」「億」「兆」

あたりではないでしょうか。

これらの数字は小学生で習いますから

誰でも読み書きできるでしょう。

 

しかし、

これらの漢数字の成り立ちを

全て知っているという人は少ないのではないでしょうか?

 

というわけで、

上に挙げた漢数字の成り立ちについて

簡単に紹介したいと思います。

 

「一」

1本の棒を示した指事文字。

 

「二」

2本の棒を示した指事文字。

 

「三」

3本の棒を示した指事文字。

 

「四」

本来は口の中から歯や舌がのぞく様子をかたどり

息が出る様子を表している象形文字だったが、

いつからかこの文字を借りて

数字の4を示すようになった。

 

「五」

一画目と四画目の線が天と地、

二画目と三画目が交差を表し、

天地間で相互作用する

五行の元素(木・火・土・金・水)

を表すことから数字の5を表す。

 

「六」

もともとは家を表す象形文字だったが、

いつからかこの字を借りて

6を表すようになった。

 

「七」

「切」の原字で

縦横に切りつける様子を表す字であったが。

いつからかこの字を借りて

7を表すようになった。

 

「八」

2つに分かれているものの形にかたどり

分かれるという意味を表す文字だが、

この字を借りて8を表すようになった。

 

「九」

折れ曲がって尽きる形。

数が尽き極まる、

すなわち9の意味を表す。

 

「十」

「針」の原字。

この字を借りて10を表すようになった。

 

「百」

形成文字で

意符の「一」と音符の「白」を組み合わせた文字。

ただ、「白」は「博」と通じる、

すなわち「広い」という意味を持つとして

大きな数字である100を表す字となったと考えられる。

 

「千」

「人」と「一」を組み合わせた会意文字。

「人」に多くのものという

意味があることから1,000を表す。

 

「万」

もともと10,000を表す字ではなかったが、

大昔から萬の略字として用いられている。

 

「億」

意符の「人」と音符の「意」を

組み合わせた形成文字で、

人が心の中で思いはかることを表す文字だが、

この字を借りて100,000,000を表すようになった。

 

「兆」

占いの際にできた亀甲の割れ目を表す象形文字で

きざしを意味する文字だが、

この字を借りて1,000,000,000,000を表すようになった。

 

 

 



昔はよく使われていた漢数字

 

こうしてみると漢数字は

別の意味を持つ字を借りた

仮借文字が多いですね。

 

しかし、

中にはその数字を表すための漢字も

仮借文字とは別に存在するものがあるのです

 

昔は使われていたものの、

時代を経るごとに使われなくなってしまった

漢数字には次のようなものがあります。

 

「弌」

「一」の古字。

 

「弐」

「二」の古字。

 

「貮」

「弐」の俗字。

 

「貳」

矛で貝を二等分することから

2を意味する。

 

「弎」

「三」の古字。

 

「亖」

4本の棒を示す指事文字。

「三」と見間違えることから使われなくなった。

 

「廿」「卄」

「十」を2つくっつけて20を表す。

 

「丗」「卅」

「十」を3つくっつけて30を表す。

 

「卌」

「十」を4つくっつけて40を表す。

 

三国志平話

 

 

改ざん防止!大字

 

漢数字はどれも基本的に作りが簡単で

覚えやすく分かりやすいのが美点ですが、

一本線を足すだけで改ざんすることができるなど

欠点もあります。

 

数字の改ざんは

時と場合によっては大問題につながりますよね。

 

そこで、

大事な書類では

改ざんを防止するための漢数字である

「大字」が使われるようになりました

「大字」には次のようなものがあります。

 

1…「壱」「壹」「弌」

 

2…「弐」「貳」「貮」

 

3…「参」「參」「弎」

 

4…「肆」

 

5…「伍」

 

6…「陸」

 

7…「漆」「質」「柒」

 

8…「捌」

 

9…「玖」

 

10…「拾」「什」

 

100…「陌」「佰」

 

1,000…「阡」「仟」

 

10,000…「萬」

   

 

「〇」はいつから使われるようになった?

 

ところで、

0を表す漢字もありますよね。

 

おそらく多くの人は

「零」を思い浮かべると思いますが

「〇」も0を表す立派な漢字です。

 

ただ、この「〇」は歴史が比較的新しく

南宋代あたりから

使われ始めたと考えられています。

 

三国志ライターchopsticksの独り言

 

漢数字は形がカッコいいものが多いですが、

やっぱりアラビア数字の方が

使い勝手が良さそうですね。

 

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