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第19話:袁術くん「人間力」を孫策から学ぶ

2019年2月18日


 

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袁術

 

2021年1月には、これまでのセンター試験から新しい大学入学共通テストに切り替わります。小学校や中学校の教育現場でもアクティブラーニングや、PIL型、PBL型など新しい取り組みが盛んになっていますが、そもそも文部科学省(人間力戦略研究会)が定義した「人間力」とは何なのでしょうか?今後、どんな力が必要になってくるのでしょうか?

 

この記事を読み終わる頃には、あなたは人生をポジティブに歩むことができる方法をひとつ手に入れています!

 

※このお話は、三国志に登場する袁術(えんじゅつ)公路(こうろ))が、21世紀のビジネスシーンで支持されている様々な「自己啓発」のやり方を学び、実践していく物語になっています。やや、21世紀風のセリフ回しになっている部分はご了承ください。

 

関連記事:第1話:袁術くん、ポジティブになるために「リフレ―ミング」を学ぶ

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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袁術くん、孫策から揚州制圧についての報告を受ける

イケメン孫策と袁術

 

袁術くんは、四世に渡り三公を輩出したという超超名門である汝南袁氏に生まれました。

父の袁逢(えんほう)は三公の中の司空に就いたことがありましたが、すでに病没し、この世を去っています。

 

寿春を本拠地にし、帝を保護して朝廷を正常化させようとしていた袁術くんでしたが、帝側近の董承(とうしょう)に裏切られ、逆賊の汚名を着せられる始末です。

 

そんな最中、江東の制圧に出陣して大きな功績を挙げた孫策(そんさく)が帰還してきました。

 

「おお、伯符(孫策の)見事な活躍でしたね。会稽郡で逆らう勢力はもはや完全に制圧したとか、呉郡はどうです」

 

「案外に抵抗してくる輩が多いですね。名士を鼻にかけて、従うことを承服しない。プライドだけが高く、時世の流れが見えてない輩ばかりです。聞くところによると、徐州の劉備が左将軍様(袁術)の領地に侵攻してきたとか」

 

「ええ。何せ朝廷より反逆者扱いされていますからね。僕はもう左将軍でもありませんよ」

 

「劉備の配下には関羽、張飛といった歴戦の勇将が控えているはず。撃退できたのですか?」

 

「まあ、なんとか。呂布殿と手を結んで、背後を突いてもらいました。現在、徐州を治めているのは実質、呂布殿ということになります」

 

「劉備はどうしました?討ち取ったのですか?」

 

「いえ、許昌に逃げ込みました。今では、あそこに帝がお住まいになっています。その背後には孟徳(曹操の字)、そして本初(袁紹の字)がいて睨みをきかせている状態ですね」

 

「厄介な奴を討ち漏らしましたな。曹操と劉備は時世の流れに乗れる器量の持ち主、両者が手を組むと面倒なことになりそうです」

 

「伯符は、先ほどからしきりに時世の流れという言葉を使ってしますが、その流れに乗ることができるのは、どのような人物なのですか?」

 

「家柄や身分に捉われず、多くの人と交わり、知識や能力のある者を臨機応変に使いこなす器量の持ち主です。知識は時世の流れに合せて活用してこそ真価を発揮するもの。そして新しい世界を創造していく。それが今、必要とされている人間力だと考えます」

 

「人間力ですか…… もう少し詳しくその話を聞きたいですね」

 

 

 

人間力の定義とは?

袁術

 

「人間力の定義とは、社会を構成し、運営するとともに、自立した一人の人間として、力強く生きていくための総合的な力。命じられるままに従い、言われるままに知識を詰め込むような受け身の生き方では、これからの乱世は生き抜いていけませんからな」

 

「自立した一人の人間。具体的にはどのような力が必要になるのです?」

 

「人間力は大きく三つの要素から構成されています。知的能力的要素、社会・対人間関係的要素、自己制御的要素の三つですね」

 

「知的能力的要素とは?」

 

基礎的な学力は当然のこと、説得力のある論理的思考力、決められた枠組みの中だけではなく新しい価値観を生み出す創造力のことです」

 

「創造力……うーん。それでは、社会・対人関係的要素とは?」

 

コミュニケーション能力。会話を通じていかに相手に共感できるか、信頼関係を築けるのか、志を伝えることも含まれるでしょう。そしてそれを土台にしてリーダーシップを発揮することです」

 

「とても大切なことですね。その点では、僕もこれまで多くの人と交流し、様々なことを学んできました。では、自己制御的要素とは?」

 

自分らしい生き方を追求し、自己研鑽を積み、自ら立てた目標や夢の実現に向けてやり抜く力です。モチベーションをいかに維持するのかというのも含まれるでしょう」

 

「それもまた大切なことですね」

 

「左将軍様も自己啓発にはかなりの時間を費やしたとか。生意気なことを申すようですが、左将軍様もまた、曹操や劉備と同じく時世の流れに乗れる器量とお見受けしました。だからこそ、この孫伯符、左将軍様を父と慕い、お仕えしている次第でございます」

 

「伯符からそのような言葉が聞けるとは嬉しい限りですが、創造力という点はまったくの盲点でしたね。確かに孟徳はこれまでの風習や既成の価値観を破壊し、創造するパワーがある。それが帝の身柄を横取りされた原因のひとつかもしれませんね」

 

 

 

人間力を高める方法

袁術

 

「それでは伯符、その人間力を高めていくためには、どのような方法があるのですか?」

 

「その多くはすでに左将軍様が実践済みでしょうが、知的能力的要素の向上には、成功者や経験者の言葉に耳を傾けること、実際に話が聞けないのであれば書物を読むことが有効でしょう。それによってどうやって組み立てていけば問題が解決するのか、どう伝えれば相手に伝わるのかといった論理的思考力を高めることができます

 

「なるほど。では社会・対人関係的要素は?」

 

社会のため、周囲の人のために何ができるのかを常に考えて行動することでしょう。そしてそれが自分の利益にも繋がることを理解することです。その意識があれば、必然的に相手を敬い、理解しようという気持ちが芽生えてきます。感謝するという、対人関係で最も重要な行動が自然とできるようになるのです」

 

「最後に、自己制御的要素の向上はどうするのです?」

 

「まずは興味を持つこと。そしてその興味を掘り下げる努力をすることです。それが情熱に繋がります。情熱は困難に打ち勝ち、乗り越え、目標を達成するためのやり抜く力(グリット)となるでしょう。もちろん目標を達成するための意図的な練習・訓練は欠かすことができませんし、そこで努力の大切さを学ぶことも重要です。そして将来への希望が後押ししてくれます。努力の価値を実感できれば、必ず自分が努力することでやり遂げられるという希望が見出せます

 

   

 

まとめ

孫策は皇帝・袁術について語る

 

「私はこの乱世を鎮め、平和な世を築くためにも、左将軍様にはもう一歩踏み込んでいただき、新しい世界を創造していただきたいと願っております」

 

「新しい世界ですか…… まったくイメージできません。僕は決められた枠の中でしか考えられないようですね」

 

「曹操と劉備、そして袁紹が帝を擁立し、全土をまとめようとしているのであれば、それに対抗する手段が必要です。帝に逆らうのは逆賊となりますから、このままでは左将軍様の御味方も減りましょう」

 

「では、伯符はどうすればよいと考えているのです?」

 

「自立なさいませ。袁術様が新しい帝に即位されるのが、問題を解決する最も有効な方法だと考えます」

 

「な、なんと…… 僕が帝に?」

 

 

結論

 

・人間力とは

  • 自立した一人の人間として力強く生きていくための総合的な力。
  • 知的能力的要素、社会・対人関係的要素、自己制御的要素で構成される。

 

・人間力の高め方

  • 読書で論理的思考力を向上させる。
  • 感謝する習慣を持ち、社会のため、他人のために何ができるのかを考える。
  • 情熱、意図的な練習、希望を持つことで、やり抜く力を向上させる。

 

袁術くんの成長日記

 

 

 

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