2019年中秋節、あの三顧の礼も関係していたって本当?

2019年9月13日


 
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2019年の9月13日は、中秋節(ちゅうしゅうせつ)です。

日本では、そんなに馴染みがありませんが、中華圏では大切にされていて、旧正月である春節(しゅんせつ)に次ぐイベントです。

この中秋節の日が、一年で一番月が美しい月とされていて、ちょうど日本の十五夜のようにお月様にお供えモノをするのですが、

その供え物の一つ、月餅は三国志にも関係があるって知っていましたか?

 

自称・皇帝
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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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2019中秋節の名物 月餅って何?

 

 

 

そもそも中秋節に食べる月餅とは何なのでしょうか?

月餅とは、月餅という名前の通り、月のように丸く平たい焼き菓子です。

小麦粉の生地の中に、胡桃や干し柿などの具をいれて、餡で包んだものが一般的ですが、

地方によっては、餡の中にナッツや松の実が入ったり、蓮の実や、ナツメ餡、中には塩漬けのアヒルの卵の黄身を入れたものもあります。

月餅を半分に割ると、餡が夜空で卵の黄身が月に見えるというわけです。

また月餅は食べるだけではなく、友達の間で贈答する習わしも出来た事で、用途が広がり立派な化粧箱にいれたものや

大勢で食べる事を前提にした大きな月餅もあるようです。

 

 

三顧の礼は中秋節だった?張飛と孔明の蒟蒻問答

3000人の配下で孔明の庵を包囲する武闘派な劉備

 

実は、この中秋節と月餅、三国志で有名な三顧の礼にも関係しています。

と言っても史実ではなく、三国志演義に影響を与えた民間伝承の中の話ですが、ここでの孔明と張飛の知恵比べの中で月餅の話が出てくるのです。

考える諸葛亮孔明

 

劉備一行が、孔明の(いおり)を三度目に訪れた時の事、あまりのしつこさに根負けした諸葛亮が、

「私と問答して答えられたら一緒に参りましょう」と言い出します。

そこで、劉備と関羽が乗り気になりますが、何故かそこで張飛がしゃしゃり出て、俺がやると言い出すのです。

普通に考えると、「お前、遊びじゃねえんだぞ」と関羽と劉備に叱られそうですが、そこは民間伝承

二人はなぜか引き下がりました。

張飛の虎髭

 

さて、孔明は無言で天を指さします。

それに対して張飛は、地面を指さしました。

次に孔明が片手を前に出すと、張飛は負けずに両手を前に出します。

さらに孔明が三本の指で小さな円を描くと、張飛は九本の指で大きな円を描きます。

最後に孔明が、拳を握って胸元で円を描くと張飛は袖の中を指で指し示します。

孔明

 

すると、諸葛亮は「当たりです、お約束通り、一緒に参りましょう」

 

劉備と関羽は訳もわからず、諸葛亮に意味を聞いてみると

張飛と劉備

 

「私が空を指して天文と言うと、張将軍は地理と答えられた。

片手を突き出して、天下統一を示すと、張将軍の答えは三国鼎立(さんごくていりつ)でした。

私が三回で元に戻ると問うと、将軍は九回でも戻ると答えられました。

最後に私が胸中には陰陽八卦(おんみょうはっけ)を持つと言うと、張将軍は太陽と月を袖に隠してあると言われました。

誠に見事な問答であります、恐れ入りました」

 

劉備と関羽はびっくりして、あの脳筋張飛(のうきんちょうひ)がいつの間に賢くなったのかと思い、張飛に聞いてみると

実は頭がイイ賢い張飛

 

「あ?孔明先生が今日は雪が降ると言ったから、俺は地面が滑ると言ったのさ

そしたら、先生が月餅を3つ持ってきたと言うから、俺は九つくらいないと食い足りないと言い返した。

すると、孔明先生は自分が持ってきた月餅は大きいから食べきれないぞと言うから、

なんの、食い切れないなら袖に入れて持ち帰ると言ったのさ、簡単だよ」

 

ようするにこれは、中国版の蒟蒻問答(こんにゃくもんどう)ですが、孔明が大きな月餅を持っていると勘違いするのが食いしん坊の張飛らしい勘違いです。

 

民間伝承の三国志

 

中秋節2019 三顧の礼は旧暦の8月の出来事?

月刊誌はじめての三国志 2019年9月号 典韋

 

中秋節を祝う習慣は3000年を遡るそうですが、中秋節に月餅を食べるのは、

唐の時代位からの習慣だそうで、つまりリアルな三国志の時代は、月餅を食べる習慣は無かったようです。

しかしながら、民間伝承の中に月餅が出てきたのは、注目に値します。

関羽、劉備、張飛の桃園三兄弟

 

つまり、後世では三顧の礼は、中秋節の頃に行われたと考えられていたのでしょうか?

でも、三国志演義では、二回目の庵の訪問の頃は大雪だったと思います。

また、民間伝承の三顧の礼の孔明と張飛の問答でも、張飛は、

「孔明先生が今日は雪が降ると言ったから、俺は地面が滑ると言ったのさ」と回答しているので、

やはり三顧の礼の季節は冬だったような感じです。

kawausoとおとぼけ

 

調べてみると、中国では月餅は中秋節ばかりではなく、無病息災や家庭円満、あるいは、戦勝祝いなどで月餅を食べる習慣があるようです。

すると張飛は諸葛家に吉事があり、孔明が月餅を持っていると思い込んだのでしょうか?

そう考えると、微笑ましいキャラですね。

 

月餅、もしかして亮つながりでは?

夜の五丈原で悲しそうにしている孔明

 

中国語では、月は月亮(イエリャン)と言います。

亮というのは、明るくはっきりしているという意味で、月と合わせる事で満月、まんまるお月様になるのでしょう。

諸葛亮も名は亮ですし、三国志演義では、よく星空を見上げて天文を読んでいますから、

民間伝承において、孔明は月と結びつけやすかったのかも知れません。

だから、伝承の三顧の礼では諸葛亮と月餅が結びつけられたと考えるのは、穿(うが)ち過ぎでしょうか?

 

三国志ライターkawausoの独り言

 

民間伝承は、そのまま事実を反映しているわけではありませんし、

多くの場合には荒唐無稽(こうとうむけい)ですが、その当時の人々の習慣や願望などが三国志の英雄に仮託(かたく)されたものである事は間違いありません。

 

張飛が食いしん坊キャラとして、諸葛亮が月餅を持っていて、しかも何の脈絡もなく自分にくれると勝手に思い込んでいるのは、

酒乱で粗暴な張飛イメージに甘い物好きな子供のような印象を加えて萌え要素を強くしているように思いますが、皆さんはどのように感じましたか?

 

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