関羽は矢傷をどうして麻酔しないで治療したの?


 

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合肥の戦いで痛い目にあった孫権

 

突然ですが、読者のみなさんは大怪我を負って手術としたことありますか。

手術をしたことがある方は全身麻酔を施してから手術をしたのではないでしょうか。

 

五虎大将軍の関羽

 

ですが、三国時代は全身麻酔を施してから、医療を施すケースはほとんど無く、劉備(りゅうび)の義弟・関羽(かんう)も麻酔をしないで、手術をおこなっていました。

 

自称・皇帝
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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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全身麻酔を施す手術は存在していたのか?

華佗

 

三国時代の「神医」と呼ばれた華佗(かだ)は患者を切開する際、「麻沸散(まふつさん)」と呼ばれる薬を用いた後、手術をしていました。

「麻沸散」を飲んだ患者は死んでしまったように動かなくなり、感覚が無くなったと「正史三国志」に記載されています。

 

スーパーDr華佗

 

華佗は患者の感覚を無くした後、手術を開始。華佗の手術は患部を切り取った後、傷口を縫合して膏薬を塗って手術が完了。手術完了後、華佗は患者に4~5日程マッサージを施して、痛みを失くし、手術後一ヶ月もしたら全快。

 

スーパーDr華佗

 

上記は華佗が手術を行う際の手術方法ですが、この手術方法が三国時代の医師たちへ普及されていれば、多くの患者を救えたでしょう。

ですが、華佗の手術方法は三国時代の医師たちへ普及されませんでした。

 



どうして手術方法が普及しなかったの!?

五禽戯 華佗

 

華佗は自分が作り上げた手術方法で、多くの患者を救うことに成功しています。この華佗が作り出した手術方法を一般の医師たちが受け継いでいれば、多くの患者を救えたはずですが、どうして手術方法が普及されなかったのか。

 

スーパーDr華佗09 華佗

 

それは彼が亡くなる際に関係があります。華佗は曹操(そうそう)に仕えることになりますが、家に帰りたい気持ちが募ってしまいます。

彼はどうして家に帰りたい気持ちが募ったのか。

 

Dr華佗04 華佗、陳登

 

それは華佗が、庶民より上の地位にある士人であったにも関わらず、当時地位の低い「医者」としてしか見られていなかったため、妻の病気を理由にして、家に帰ってしまいます。

 

華陀と麻沸散

 

曹操は華佗が何日経過しても帰ってこないため、彼を呼び寄せようと何度も手紙を送ります。

ですが、華佗は奥さんの病気を理由に曹操の呼び出しに応じず、家にこもったままでした。

 

華佗05 華佗

 

曹操はいつまで経っても華佗がやってこないことに激怒。曹操は役人へ「華佗の奥さんの病気が本当ならば、あなたへ小豆を下賜して休みを延長しよう。しかし奥さんの病が嘘であったら罪人として捕えてくるように」と命令を下します。

 

華佗は自分のウソが役人へばれてしまい、罪人として都へ送られることになり、投獄されてしまいます。華佗は投獄された際、牢屋の役人へ「この本は私が今まで培ってきた医療技術のすべてが書かれている。

 

周瑜、孔明、劉備、曹操 それぞれの列伝・正史三国志

 

これを使って多くの人々を救ってくれないか」と本を渡します。ですが、役人は罪人から物をもらってしまうと自分も罪を得てしまうことに恐怖を覚え、華佗から託された本を受け取りませんでした。

 

華佗は自分の本が受け取られなかったため、自分が編纂した医療技術の本を焼いてしまいます。その結果、華佗の医療技術は三国時代の医師達へ伝わることなく逸失してしまうのでした。

 

関羽は麻酔無しで手術を受けた??

華陀

 

華佗の医療技術は彼の弟子には伝わりましたが、彼の死後多くの医師へ伝わることなく無くなってしまいます。その後手術の方法は麻酔を用いることなく、傷口を消毒してから手術をする荒い治療方法で行われていきます。

 

関羽 3つの条件

 

劉備の義弟・関羽は戦場で弓矢にあたって傷を負ってしまいました。彼の矢傷は傷がいえた後も雨が降ったり、曇りの日になるとずきずきして痛みが発生。そのため関羽は医者へ「以前受けた矢傷が痛んで仕方がないのだが、どうすればいい」と相談。

 

華陀の治療を受けながら碁をうつ関羽

 

すると医者は「この傷は骨に毒が回っているため、傷口を切開し、骨を削って毒を消せば治ります。」と回答。関羽は医者に手術をするようにお願いすることになります。そして手術をする日になります。

 

碁をうつ関羽

 

関羽はこの日ちょうど諸将を招いて宴会を催していましたが、医者へ「構わずやってくれ」と手術をするように要請。医者は関羽の要請に応えて宴会の最中、関羽の傷口を切開し、骨に回った毒を取り除く手術をします。関羽は手術の様子を一切気にすることなく、肉を焼いて酒を飲みながら諸将と談笑。このように関羽は麻酔無しでも痛がることなく、手術をした豪胆な胆力の持ち主でした。

 

三国志ライター黒田レンの独り言

三国志ライター黒田レン

 

今回は華佗の手術方法を交えながら、関羽の矢傷を紹介しました。

 

レンは麻酔をしないと歯の治療もできませんし、もし手術を今後するようなことになったら、絶対に麻酔をしてくれるようにお医者さんにお願いします。

そのためレンは関羽のように麻酔無しで手術をする真似は到底できません。

 

■参考文献 正史三国志魏書など

 

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