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龐煖がぐずぐずな二人のキューピッドに
信に甘えられない羌瘣と、羌瘣に愛しているよと言えない信のぐずぐずな状況を一気に打開する方法は一つしかありません。羌瘣が龐煖に殺される寸前まで行くと言う事です。いかに自己犠牲の塊である羌瘣でも、死に直面した時に信の事を考えずにはいられないでしょう。
しかし、同時に「これが自分で選んだ道だから」と観念すると思います。
ここで信が登場し、羌瘣が瀕死の状態である事を目撃して最愛の人が息絶えるかも知れない危機と絶望と怒りに苛まれる事になりますが、その最初の行動としては、羌瘣を抱きしめるという行動に出る事でしょう。そして、最愛の女をここまで痛めつけた龐煖をジャイアンばりに、メッタメタのギッタンギッタンにしてやるとばかりに襲い掛かり、これを打ち倒します。
信に倒される瞬間、龐煖はようやく自分に決定的に足りないものに気づく事になります。それは、本当の武とは愛する者を守るためにあるという事です。自分の最強を示す為の武など、それに比べれば取るに足りないちっぽけなモノに過ぎなかった事に気づくわけです。
そして、秦王政も信も、中華全土で五百年にわたる戦乱に苦しんでいる民を愛し救うが為に自身は剣や矛を奮い返り血を浴びているのだと、それを知った時に龐煖は心の底から敗北を悟ります。
(お前らステキだよ・・・)と
素直になれない二人は逐客令で一つに
信に、これまででも最強レベルで抱きすくめられた羌瘣は自分の気持ちに確信を持ちます。
でも、信からは愛しているの一言はありません。朱海平原の戦いも終わり、大将軍にもなった信ですがまだ羌瘣に愛を告げる事に躊躇していました。
そんな時、咸陽では、呂不韋の専横に対して今頃怒りを爆発させ、外国人を秦から追い出すべきとする無能なお役人たちのムーブメントが発生します。これは逐客令と呼ばれていますが、呂不韋の全盛期は、屋敷の中で震え上がっていたマウスちゃんのやる事は今も昔も変わらないものかも知れません。さて、毒を吐くのはこれくらいにして、外国人も外国人な羌瘣は、追い出される前に自ら秦を去ろうとしていました。羌瘣の姿がみえない事を知った信は必死にその後を追い駆け函谷関を抜けようとする途中で追いつきます。
「私は外国人だ、追い出される前に自分から出ていく」と内心の動揺を隠して素っ気なく答える羌瘣に、「そんな事はさせねえ!」と言い張る信。
「無理だ、そんな事」と下を向く羌瘣に信は、ガマン出来ないように大声で「お前を俺のヨメにすれば、出ていかなくて済むんだ!」と叫んで羌瘣を抱きしめます。
愛しているの一言ではありませんが、信が自分を一番大事に思っている事を確信した羌瘣は函谷関を出ていくのを止め、信のヨメになる事を決意しました。結局逐客令は、呂不韋同様に楚から秦にやってきた李斯の進言により秦王政が中止させましたとさ
キングダム(春秋戦国時代)ライターkawausoの独り言
ここは、龐煖が倒されると言う大事な局面ですが、優れた表現者というのは、一つの出来事の中に複数の意味を込めるものです。ここでは信が武を奮うのは龐煖のように自分勝手な地上最強という一方的な独り善がりではなく、愛する人を守る為であるという事を龐煖に悟らせると同時に、グズグズしていた信と羌瘣の関係に結婚というフィナーレを用意するという事になるでしょう。
参考文献:史記
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