キングダム「龐煖がショボくなった原因を追究」


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ホウ煖(龐煖)

 

一時は、そのまま引き分けで終わりかと予測されていた(しん)vs龐煖(ほうけん)の一騎打ちですが、霊のパワーを味方につけた信の底知れないスタミナに龐煖がブルってしまい、その恐怖心が圧倒的なパワーをそいで信に袈裟斬(けざぎ)りにされるというショボい終りを迎えました。まだ、死んだと判定されてはいませんが、直接攻撃で肩から腰辺りまでズバッとやられて生きていたら、もうやってられないでしょう。

そこで、今回は龐煖は死んだと断言し、どうして武神がショボくなったかを考えます。

 

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龐煖の救済が裏目になった

kawauso

 

()びているわけではありませんが、キングダムの原作者の原泰久(はらやすひさ)は優しい人です。キングダムには悪党も登場し、卑怯な振る舞いもするのですが、ちょい役でない限りは、どうして悪に染まってしまったかまで考えてストーリーに盛り込む事で、漫画から退場する時には、読者に「嫌なヤツだったけど、そうなるのには事情があったんだな」と思わせる事で救済しています。

呂不韋

 

例えば、秦王政の実母である太后(たいこう)は、政に愛情を注ぐどころか憎んでいる権勢欲の強い淫乱な女性として描かれますが、根っからの悪人ではなく、夫である子楚(しそ)に見捨てられ、政と母一人子一人で敵国趙で趙人の憎悪を受けながら極貧暮らしをするうちに、政さえ居なければ、こんな惨めな暮らしをしなくて済んだと亡き夫への恨みを政に転化させてしまっていたのです。

 

そんな太后には、巨根の持ち主の嫪毐(ろうあい)という絶倫の男が元の愛人である呂不韋からあてがわれますが、嫪毐はセフレではなく、本当に太后を愛するようになり、本当は愛情に飢えていた太后を見事に癒した上で反乱の首謀者として処刑されました。嫪毐もまた、巨根の男として蔑まれていた人生を太后に愛される事で誇らしいものに変えていたのです。

 

これは、sexを絡めつつもキングダム史上随一の良い話でありいつも感心します。とまぁ、原先生は、太后、万極(まんごく)成蟜(せいきょう)というような、敵キャラ、元敵キャラに救済エピソードを入れて最期を迎えさせているのです(太后はまだ死んでませんが)

同じ理由で、原先生はキングダム随一の嫌われ者のゴキブリ野郎、龐煖にも斬られる前に救済エピソードを用意したのですが、それが完璧な裏目でした。


龐煖に救済は要らなかった

 

龐煖は当初、どんどんレジェンド感が高まっていた王騎を殺す事が出来るキャラとして生み出されたと原先生は言っています。どうしたら王騎を殺せるかと考えた上に、天に命じられるままに、強者を狩る最強の武神というぶっ飛んだ設定を構築したわけです。

そこで龐煖は神懸かりの話の通じない、いつもワレブ、ワレブ言いながら、天とかいうよく分からん概念を口走るワカランチーノで、強者と見るや血相を変えて周囲を巻き添えにしながら殺しまくる殺戮者としてキャラが固定されます。

その後も、恐怖の武神、神の禍としてキングダムの人気キャラを殺しまくり、読者の憎悪を煽るヒールとして定着しました。

kawausoとおとぼけ

 

そんなゴキブリのように嫌われる龐煖にも、原先生は救済を与えてあの世に行ってもらおうとしたのですが、それが、全く余計な事だったのです。どのように余計だったのか、kawausoの考えを述べましょう。

 

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人間となりショボくなった龐煖

土いじりをする劉備

 

どうして龐煖が強者を狩るのか?それは最後の最期まで謎でしたが、いよいよ朱海平原の戦いで、その謎が明らかになりました。それによると、龐煖は決して快楽殺人者ではなく、元々は人類を争いの世界から救おうと考えていた求道者、賢者の一人だったのです。

しかし、いくら人類を争いの世界から救おうとしても、それは人間には無理だという結論に至りました。何故なら争いの原因は、人間の愛情にある事が判明したからです。

三国志のモブ 反乱

 

愛情は偏るものであり、愛する者と憎む者を生み出しそれが争いに繋がる、だから人間には、争いを無くす言は出来ない、ではどうするか?感情を捨てて神に近づけばいい。龐煖はそう結論し、愛を捨て、ひたすらに武を極め、強者を打ち倒して天下最強になれば超人となり、エスカレーター式に人類すべてが超人となり地上から争いが消えるという、ちょっと何言ってるのかわかんない行動を開始したのです。

ところが、その余りにも自分勝手で、しかもとんでもない勘違いに邁進する龐煖に、読者は?がいっぱいになるだけで同情できませんでした。


正体不明で憎まれて死ぬ方が龐煖の救済

袁術

 

もうひとつは、それまで何を考えているのか分からないからこそ、圧倒的な暴力が際立った龐煖が、実は人類救済の為にトンチンカンな殺戮を繰り広げているただの人と言う事が暴露されキャラクターがとても矮小化されてしまった事です。

そんな事になるくらいなら、天だの人類救済だの高尚なスローガンはなくして、ただ、強さに()りつかれただけのクレイジーなキャラの方が、武神、天の(わざわい)として相応しかったでしょう。信にぶち殺されても、一切の正体が不明なままで憎まれて終る方が、龐煖にとっての救済になったとkawausoは考えています。

矛を持った信

 

これは、原先生の優しさが龐煖のキャラクター造詣には(あだ)になったと結論するしかありませんね。

【次のページに続きます】

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コメント

  • コメント (7)

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    • Ryu☆Gensoku
    • 2019年 12月 31日

    いつも楽しく拝見しております。
    kawausoさんには龐煖がショボくなった様に見えるんですね。龐煖は何を考えているのか分からないからこそ、圧倒的な暴力が際立っていた様に見えるんですね。

    私には龐煖はショボくは見えませんが、kawausoさんには龐煖がショボくなった様に見えるということは龐煖は「最初からショボかった」のではないでしょうか?

    原作者の原先生には〝人の強さ〟=〝人間力〟に対する強い拘りがある様に思います。キングダム本編では何度も何度も色々な形で〝人の強さの源〟についての言及がなされている様に思います。龐煖の逸話もその一つの様に思います。

    龐煖は求道者ですから〝命懸けで道を追求していた人〟として描かれています。
    龐煖の逸話からは、素質や才能や運に恵まれて強い意志で努力を重ねていても〝独り善がりでは限界があるんだよ〟とのメッセージが込められている様に思いました。

    キングダムは原先生の〝人間観〟というか〝人生観〟に基づいて創り出されている物語ですから龐煖の運命も定められた結果の様に思いますが、kawausoさんが龐煖というキャラクターを「ショボくなった」と断じたくなるのは、恐らくkawausoさんが龐煖というキャラクターに何らかの幻想を抱いていたからなのかも知れないな、と思いました。

    • 去亥@故人
    • 2019年 12月 30日

    原先生が龐煖の存在を『道化』へと成り下がらせたからだと思います

    19年前李牧と遭遇した龐煖は自分の道の答えが何たるかは判っていなかった
    だから李牧に答えに導く者だと言った
    李牧は独り語りの際にいかにも龐煖は自分の意思で武神になろうとしていると語っているが
    合理的に考えるとそこへ至る思考の大部分は答えに導く者李牧のミスリードがあったと考えられるのではないか
    つまり求道者龐煖の人の救済という純粋な想いを趙国最強の武力とするためにそそのかしてきたのではないかという疑念が生じる

    王騎を討たせたのも蕞を囲んだ時に連れて行ったのもそこに『答え』が有ったからではなくただ最強の武力として必要だっただけ
    そんな李牧に利用されている姿が見え隠れしてるから小物感が出てきてしまったのではないでしょうか

      • そもそも武神とか武力最強とかの幻想が道化
      • 2019年 12月 31日

      キングダムでは龐煖と同じ趙国の偉人として藺相如が登場している。藺相如は回想だけでしたが〝中華の意思〟という天の動向を見極めようとする立場の人として登場しています。時流を見極めようとする賢人と膂力を鍛えてワレブワレブと天に唾する龐煖が同じ物語に出てくるのだから、龐煖が小者にしか見えなくなるのは当然でしょうね。

    • 匿名
    • 2019年 12月 29日

    ホウケンのストーリーが余分だったことに同意する。
    ただ、それ以上にオカルトに走ったことが失敗と思う。
    これだけボロボロにする必要があったのか?絆の力の強さを強調したいことは理解できるが、これでは霊と仲間のパワーで勝てただけに見える。それならサイの時に倒して良かったんじゃない?
    読者はシンプルに信が成長してホウケンを越えることを期待していると思う。朱海平原までの成長が感じられなかったことが、盛り上がりに欠けた原因と思う

    • ホウケンさんに代弁頼まれた通りすがりの金毛
    • 2019年 12月 28日

    そんなにオレのことキライ(泣)オレいなかったら信のヤツこんなに強くならなかったよ。
    やっぱアレ、王騎をやっちゃったのがマズかった?それともヒョウコウ?えっ両方!?
    だってしょうがねーじゃん!赤ん坊の頃どこからかさらわれて愛(ポッ♡)なんて知らずに育てられたんだよしかも山ん中
    厳しかったんだから修行、そら武神にもなるわ!
    オマケに最後は両断までされて、それでて話がなげーだの、なんだのブーブー言われ・・・もうやってられんわ。
    オレいなきゃキングダム成立しなかったんだからな!少しは同情しろよ、まったく!!(檄オコ)
    byホウケンさん

      • 通りすがりの龐煖
      • 2020年 1月 01日

      通りすがりの金毛様、我の立場を代弁してくれたことを嬉しく思う
      だが、我は世情の評価など一切顧みることのない誇り高き孤高の求道者也
      我が生涯に一片の悔いも残していない(未だ死亡判定は出てないけど、、)
      そもそも人は誰もが裸で生まれ、裸で死ぬ
      人が死ぬときは化粧も衣装も虚飾も名声も権力も金も何も持って逝くことはできない
      裸で死ぬことは自然なことであり、それは決して惨めなことではない
      だから、我はkawauso様の評価などまったく気にも留めていない
      だから同情などいらない

        • 通りすがりの金毛
        • 2020年 2月 25日

        こ、これは通りすがりのホウケン殿!返信が遅くなって大変失礼致しました。(多分正月明けで返信の有無を確認し忘れて今頃気付いた次第です)

        あの!まさか!?本物のホウケンさんが通りすがってコメントの返信をしにいらして下さるとは・・・
        あの~失礼な代弁がお気に障ったのでしたらどうか、どうかお許しを!本物が現れるなんて露程も思わなかったんです。ひらに、ひらに~。

        これだけ遅れた謝罪返信がどうかいつか通りすがりのホウケン殿の目に届くことを信じて・・・


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