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キングダム630話ネタバレ予想vol2「ラスボスは胡亥だった!」
ところが、李斯が選んで始皇帝が承認した胡亥は史記に登場する無能なバカではなく、意識的に権力を振り回し、全てを破壊する暴君でした。
趙正書によれば胡亥は即位するやいなや、
異母兄である扶蘇と功臣の蒙恬に死を命じ、奴隷の身だった趙高を引き立てて郎中令とし、自分の兄弟姉妹を殺戮し、社稷の廟を破壊し、法律書や歴史書が納められた蔵を焼き払い、千軍万馬を率いて天下をもう一度平定しようと欲し、「まさに天下をもう一度つくり直す」と宣言したというのです。
胡亥の革命宣言に対し、胡亥の兄とも伝わる子嬰が諫言し、折角、始皇帝が定めた天下を壊すのは愚かだと言いますが、胡亥は耳を貸さず、扶蘇と蒙恬を殺して、全国巡幸に出発。次に、たまりかねた李斯が諫言しても、やはり胡亥は耳を貸さずに好き放題し即位から3年後には疎ましくなった李斯を殺害して、丞相に趙高を指名しました。
それから、間もなく胡亥は趙高に殺害され、その趙高は子嬰ではなく秦の将軍だった章邯に殺されたと趙正書は伝えています。
この趙正書に従うなら、秦を滅ぼしたのは趙高ではなく、最初から最後まで暴君として振る舞い続けた胡亥という事になるのです。
キングダム630話ネタバレ予想vol2「キングダムの秦王政は趙正書がモデル?」
キングダムの原作者の原泰久は、キングダム覇道列紀でのケンドーコバヤシとの対談で、政はダークサイドには落ちませんよと語り、日本では始皇帝についての情報が少なすぎて、一部の情報がクローズアップされて伝えられている。指摘しています。
このような発言を見ると2009年に出てきた趙正書も、原先生は秦王政のモデルとして取り入れているんじゃないかと考えるのです。だとすると、秦王政は最期までダークサイドに落ちずに、秦を崩壊させるのは、二世皇帝胡亥とその手先になった趙高、こんな結末になっていくような気がします。
キングダム(春秋戦国時代)ライターkawausoの独り言
趙正書が必ずしも正しく、史記が誤りだという確たる証拠はありません。
しかし、キングダムがどちらの史書を採用するかは自由ですから、もしかすると信は始皇帝の死後にその業績を崩壊させようとする末子、胡亥と戦う事になるかも知れません。それというのも、李信の子孫は、その後前漢に仕えて出世しているからです。その辺りまで描かれるかどうかは不明ですけどね。
参考文献:北京大学蔵西漢竹書『趙正書』における「秦」叙述 工藤卓司
参考文献:キングダム公式ガイドブック覇道列紀
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