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この記事の目次
北伐の「存在意義」
さて劉禅はどうして姜維に北伐をさせていたのか、を考えてみましょう。多くの場合、政治は文官任せ、軍事は姜維任せといったように考えられているのですが、ここで敢えて「姜維の北伐は劉禅の意向があった」という想像をしてみることにします。つまり国の維持に北伐が影響していた、という考えです。
蜀としての在り方
国をまとめるには、何かの集団をまとめるには同じ目的があるのが一番です。そこで蜀の在り方として「漢室復興」「打倒魏」があります。つまり北伐の国への負担を抜きにして考えれば、国家政策として国民の一体感を高めるためには役立っていたのでは……と考えるに至りました。
北伐を止める訳にはいかなかった?
そもそも漢室の正当後継者を主張している以上、魏とは対立していなければいけません。この状態で魏と和解するということは、魏の存在を認める、即ち蜀として国の根本が揺らいでしまいます。そうなると国民にも不満が生まれ、内乱も考えられるでしょう。このため劉禅は国の在り方として姜維の北伐を黙認していた……という図が成り立つと思うのですが、どうでしょうか?
三国志ライター センのひとりごと
今回はちょっと長年考えていた妄想を文章に叩き付けてみたのですが、いかがだったでしょう。もちろんかなり荒唐無稽な話であることは重々承知です。しかしこんなお話、妄想が広がるのも三国志の楽しみ方の一つだと筆者は思います。歴史なので後から色々なことが言うことはできます。
しかし批判してばっかりや、欠点だけを論っていてはあんまり楽しくないですよね。そこでたまには欠点、間違いだと言われることを肯定的に、おもいっきりプラスに考えてみてはどうでしょうか?
このやり方は結構楽しいので、ぜひ皆さんもやってみて下さいね!
参考文献:蜀書姜維伝 魏書鄧艾伝
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【北伐の真実に迫る】