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キングダム642話ネタバレ予想vol3「信の大将軍就任が秦崩壊に繋がる」


 

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信の飛信隊が大きくなる

 

大人気春秋戦国時代漫画キングダム(ぎょう)攻めの手柄で大将軍に就任し名前も改めた李信(りしん)は、以前、貰った土地に巨大な邸宅を建てて、いよいよセレブの仲間入りを果たしました。元の下僕から考えると破格の大出世ですが、実は李信の大出世こそが秦の滅亡に直結していました。今回は秦を栄えさせ、また破滅に追いやった軍功地主(ぐんこうじぬし)を考えます。

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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キングダム642話ネタバレ予想「庶民のやる気を引き出す軍功爵制」

編集長日記06 kawausoさん、廉さん、コーノさん、プンち

 

元々、李信のような下僕の地位にある人々は社会でのしあがる機会などありませんでした。それが大きく変化したのは、秦の孝公に信任された商鞅(しょうおう)が行った改革、商君の変法です。変法の内容には、

 

幕末 魏呉蜀 書物

 

分異(ぶんい)の令・・・次男以降は成人すると分家しないといけない。

什五(じゅうご)の制・・・家の付近の五戸と戦争時の協力と相互監視を義務付ける。

軍功爵制(ぐんこうしゃくせい)

県制・・・・・・地方豪族の力を削ぎ、中央から県令を送り込み直轄統治する()

 

宋銭 お金と紙幣

 

上記の4つがありましたが、その中の軍功爵制こそが李信のような下僕にチャイニーズドリームをもたらします。すなわち、戦争に従軍して手柄を立てると、どんな身分でも褒美と爵位が受けられ、逆にどんなに高い地位でも手柄が無いと身分が落ちていきました。今の地位を維持し、出世するまでには、なんとしても戦功を上げるしかないのです。

 

キングダム642話ネタバレ予想「事務仕事より首を獲るのがポイント高し」

三国志のモブ 反乱

 

さらに、秦においては従軍して敵の首を獲る事が、ほかのどんな事より優先されました。秦にも役人がいて、毎年査定を受けて昇進していきましたが、それはチマチマしたものであり、従軍して首を獲る方が、遥かにジャンピングチャンスでした。

最後まで戦い抜く張悌(ちょうてい)兵士モブ

 

これなら、役人になるより将軍として戦場に身を投じる事を選ぶ人が出るのも無理からぬ事でした。ましてや、庶民は文盲が普通なので、ここは迷わずに兵士になるのを選ぶのが、当然の選択となります。本来なら誰でも死ぬのは嫌ですがその恐怖を豊かになりたい。出世したいという欲望で上回らせるのが軍功爵制の狙いでした。

 

キングダムネタバレ考察

 

キングダム642話ネタバレ予想「最高のステータスを得た軍人」

亡くなる王騎

 

キングダムの641話では、咸陽の人々が凱旋する飛信隊を熱狂的に迎えるシーンがありましたが、あれは虚構ではありません。それというのも、秦においては軍人の席次は文官さえ超えていて、社会的にも尊敬される存在だったからです。それを裏付ける史料として、紀元前219年に始皇帝が琅邪まで巡幸して石碑を立てた時に記した部下の序列があります。

嬴政(始皇帝)

 

そこには、

 

列侯(れtこう)武城侯王離(ぶせいこうおうり)、列侯の通武侯王賁(つうぶこうおうほん)倫侯建成侯趙亥(りんこうけんせいこうちょうがい)丞相王綰(じょうしょうおうかん)卿李斯(きょうりし)

李斯

 

このような順番で名前が刻まれ、軍功地主である王離(おうり)王賁(おうほん)の名前が李斯(りし)のような文官のトップよりも上位に来ています。これは、秦においては武人が尊ばれた証で、だからこそ、咸陽での熱狂的な歓迎も嘘ではないのです。

 

キングダム642話ネタバレ予想「秦の中華統一で軍功地主が爆増」

順調に将軍まで出世する陳武

 

秦でも、始皇帝が登場する以前には、それほど他国の征服が進まず、軍功地主の数も微々(びび)たるものでした。しかし、始皇帝が即位して中華統一事業を開始すると、毎年のように戦争が起こり秦の領地は拡大していきます。

 

その中で手柄を立てた兵士が軍功地主として爵位と土地を与えられて、秦の勢力下にはいった土地へと移動していくのです。このような軍功地主には、県令として行政官になり役人顔で秦の法律を押し付ける横暴な人物も多くいました。

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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