三国志には色々な武器が出てくるのも面白さの一つであると思います。しかしその武器の中には三国志演義での創作であるものもあったり、伝承の中だけのものも少なからずあるのが少し残念な所。
そんな中でも実際に存在したと言われる武器が「諸葛弩」。今回はこの諸葛弩に付いて、より深く知って頂きましょう。
この記事の目次
諸葛弩とは?
まずはこの諸葛弩について、簡単に説明していきましょう。諸葛弩が出てくるのは主に三国志演義です。三国志演義では諸葛亮がこの諸葛弩を開発し、連弩とも呼ばれています。諸葛亮が開発した連弩なので「諸葛弩」なのですね。魏との戦で大活躍し、まるでマシンガンのように使われるのが特徴の武器です。
じ・つ・は?
そんな諸葛弩、三国志演義で、という言葉に引っかかりを感じた人も多いでしょう。実は諸葛弩を開発したのは諸葛亮、という訳ではないのです。実際に弩というまるでクロスボウのような武器は既にだいぶ昔からあり、その弩を連射式にした連弩も紀元前三世紀には実戦投入されたとも言われています。ただし三国志演義ではこの連弩を攻城兵器のように使うだけでなく、兵士同士での戦闘でも使用されているのがポイントです。
諸葛亮が手を加えた連弩
前述したように、諸葛亮が連弩を開発したというのは誤りですが、連弩を改良したのは諸葛亮と言われています。しかし発案者、考案者ではないものの、諸葛亮が連弩をより使いやすく改良した、もっと有効に利用する方法を考え出したので「諸葛弩」とも呼ばれるようになった、のはおそらく間違いないでしょう。
それまでは連弩は大型で大人数の兵士が使うものを、小型化して多くの兵士に仕えるようにしたというのはやはり諸葛亮の優秀さというか、知恵の回る人物であるのが分かりますね。
連弩の強さ
ここで少し連弩の基本についても説明しておきましょう。連弩とは連射機能がついた弩であり、もしくは一度に何本も矢を発射することができるものを連弩と呼んだようです。これだけでも連弩は強いことが分かりますが、連弩の強さはこれだけではありません。
弩や弓の場合、弓の弦を引いて、矢を番え(この動作が逆の場合もあります)、そして発射します。しかし連弩の場合はこれらの動作を片手で、しかも動作が少なく行えるという点がメリットだったようです。このため使いやすさ、連射の両方の面で強い武器であったのですね。
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