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この記事の目次
劉備人気の陰に曹操あり?
ここでちょっと考えてみたいのが、劉備の人気の理由に曹操への反感があるからでは?という考え。特に曹操が悪とされた時代に、何よりもその反感を煽るためには対抗勢力を作ることでしょう。
そこで漢王朝の正当後継者(あやしい)劉備を良い人物、理想的な人物とすることで人気を出した結果、曹操がどんどん嫌われ、そして反するように劉備の人気が上がって行ったのでは?と筆者は思います。
日本での曹操人気
さて劉備の人気が出るのは正統派、主人公扱いが多いということもありますが、曹操の人気も結構あると思います。その背後にあるのは「人材登用」というポイント。
有能であればどのような人物でも、身分差があっても重用する曹操の姿に、この人にならついていきたいと思わせる魅力を感じる人も多いのではないでしょうか。
同時に劉備もまた、関羽や張飛などの一癖ある人物たちを仲間にしていくその姿を好ましいと思われ、日本でも人気が出たのかもしれませんね。
否定しないこころ
個人的には黒さを感じさせる劉備というか、世渡り上手な劉備もまた、聖人君子な劉備と合わせてとても好きです。個人的に、正史ではああだ、歴史ではこうだ、と言うのではなく、楽しむことが重要だと思います。
横山三国志を見た時、吉川三国志を見た時、正史を見て驚いた時、どれも知らないことを知る楽しさがありました。正史の劉備は三国志演義の劉備とはイメージが大きく違いますが、それで三国志演義の劉備のイメージがそこなわれたのではなく、新しい魅力を知った喜びがありました。
なので「三国志演義ではこうだけど正史ではひどいんだよ!」なんて言わずに、まだ知らない人に新しい魅力を広めていって欲しいと思います。新しい知識を得る時、人は本当に楽しいのだと思いますから。
三国志ライター センのひとりごと
もしも過去の筆者と出会って「曹真ってだっさいよね」と言われたら過去の自分を三日は拘束して曹真の凄さを言い聞かせることでしょう。そこまで苛烈になる必要はありませんが、その一面だけしか知らないのは寂しいことです。
そしてそこだけで三国志を知ったようになってもつまらないことです。面白いことはできるだけ多くの人と語り合いたい、だからこそ。三国志の楽しさ、もっともっと伝えていきたいと思いました。
文:セン
参考文献:蜀書先主伝 横山三国志など
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