大人気春秋戦国時代漫画キングダム、649話では昌平君がまさかの秦魏同盟を提案。これを蹴るかと思われた魏に対し、昌平君は楚の什虎城を落として魏に与えるという破格の条件を提示して同盟締結を図ろうとします。
今回は、秦魏同盟は成立するのか?そして同盟が成立したら秦からは誰が出陣するのかを考えてみようと思います。
この記事の目次
キングダム650話ネタバレ予想「秦魏連衡は史実である」
今回、突然の昌平君の魏国との同盟提案に驚かれた読者もいるようですが、これはキングダムのオリジナルではなく史実です。しかし、史実とは言っても史記の史実ではなく、戦国縦横家書という1972年に中国で出土した前漢時代の記録を元にしている点が違います。
どうして、普段は史記をベースに書いているキングダムが、いきなり戦国縦横家書などという耳慣れない史料を使うのか?それについてはおいおい説明します。
キングダム650話ネタバレ予想「昌平君は辛吾の役割」
さて、今回の秦と魏の連衡(共同作戦)が戦国縦横家書を元に考えられていると言いましたが、別に全部が同じというわけではなく、内容はかなり違います。
戦国縦横家書において秦から魏に向かい、楚を攻めようと持ち掛けるのは辛吾という秦の将軍であり昌平君ではありません。これだけでも大きな違いです。
そして、史実で辛吾は魏を説き伏せて連衡に成功しますが、それに対し、楚の宰相李園は、辛吾に手紙を送り、
「かつて井忌という将軍が趙と連衡して燕を攻め2城を落としました。
それに対し、燕では蔡鳥という男が秦の宰相の呂不韋に10個の城を献上。心変わりした呂不韋は、逆に燕から趙を攻めさせ、井忌は呂不韋の不興を買い誅殺されました。
さて、私ですがあなたに対し、蔡鳥と同じ事をしないと言えるでしょうか?」
こう告げたので、恐ろしくなった辛吾は魏と連衡して楚を攻めるのを断念した。みたいな筋立てであり、李園が知略で秦と魏の連衡を阻止した話になっています。今回は、昌平君が辛吾の役回りですから楚に出陣する1人は昌平君でしょう。
キングダム650話ネタバレ予想「作者は李園に手柄をあげたい」
何かのインタビューで原泰久は、李園は決して凡庸な人物ではないと思うと言っていて、恐らくは、戦国縦横家書の記述を元に李園に手柄を与えたいと考えていると思います。ここまで李園の手柄と言えば、春申君を待ち伏せて殺し死体をバラバラに切り刻んだだけですからね。
しかし、だからと言って、昌平君を計略で脅迫するというのも、あまりにも昌平君の地位が高すぎますし、そんな脅しに屈するような小者でもありません。従って昌平君と魏の連衡を阻止するには別の手が必要という事になります。
キングダム650話ネタバレ予想「媧燐と昌平君姉弟説」
キングダム649話の最期の大ゴマでは、蒙武と昌平君がアップだった事から、秦からは、幼馴染の2人が総大将と副将として魏の呉鳳明辺りと連携して什虎城に攻め込むかと考えられます。
それに対して、もちろん楚も手をこまねいているわけにはいきませんが、魏だけなら兎も角、秦と魏の連衡ではキツイでしょう。もちろん、項燕大将軍のようなボスキャラ級の登場もあるかも知れませんが、李園としては無益な血を流さない為に、媧燐と昌平君姉弟説を持ち出してくるのではないかと思います。
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