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この記事の目次
キングダム651話雑学「遷陵縣の動力 囚人」
遷陵縣の公共事業の担い手は囚人でした。
人口1000人を越える程度の遷陵縣ですが、囚人は300から400名ほどもいて、役人に使役されていました。
損耗率は1年間に6人に1人が死んでいるので、16%位とかなり高いです。
でも、囚人は次から次に送り込まれてきたらしく供給不足は起こらなかった模様です。
そりゃあ驪山陵の土木工事に何十万も囚人を動員できるレベルですからね。
秦では法律を犯さないでいる方が難しそうです。
キングダム651話雑学「遷陵縣の兵力」
遷陵縣の兵力は600名で、それ以外の秦の県の平均300名の倍存在しています。
つまり、遷陵縣は人口1000人超えの土地に100名の役人、そして400名の罪人に600名の兵士という人口に匹敵する兵力と罪人がいる歪な構造をしていました。
これらの兵士の中にも、適戍と呼ばれる租税未納者や、逃亡者、商人などが含まれています。罪人になるか兵士になるかの差は、秦では割合曖昧な匙加減だったようです。
また、秦では、呂不韋のような大商がいるわりに商人が差別されており、戦争があると真っ先に動員されたりしていました。
もし、リアルなキングダムの辺境の都市を歩いたとしたら、やたら目に付くのは、役人に働かされている囚人と兵士だったりするかも知れません。
キングダム651話雑学「危ない!遷陵縣」
そして、人口1000人程度の遷陵縣に600名も兵士がいるわけですから、
ここが多くの異民族、あるいは、秦に服していない楚の残党に狙われている土地だった事を裏付けます。
フロンティアと言えば、聞こえはいいですが、こんな危ない所に強制的に移動させられる庶民や役人や兵士や囚人は、非常に不安だった事でしょう。
もっとも、秦はそれを繰り返して勢力を拡大したのも、また事実なんですけどね。
キングダム(春秋戦国時代)ライターkawausoの独り言
今回は秦の占領地支配のリアルについて解説してみました。占領地は奪い取るよりも維持する方が難しいものです。
キングダムでは、人民の移動を司るのは李斯のようですから、あの人はあの人で、人に言えない苦労のあれこれがあるんでしょうね。
参考PDF:秦代遷陵縣志初稿 里耶秦簡より見た秦の占領支配と駐屯軍
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