曹操は三国一のお酒好き?画期的な酒造法「九醞春酒法」が誕生した経緯


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「九醞春酒法」が誕生した経緯(1P目)

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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三国時代のお酒とは?

三国志 居酒屋

 

ここで少し三国時代のお酒についてお話をしましょう。

 

三国時代はまだまだ醸造方法というものは確立されておらず、今でいう濁り酒のようなものが多く、度数も低いものだったようです。大まかに言うとここから濁りを除けば清酒となりますが、濁りを取り除く工程、更に蒸留して度数を上げていく工程、これらが手間がかかることを考えると、値段も高くなるので庶民のお酒ではなく、高級なお酒と言う状態であったと思われます。

 

そこで曹操の「九醞春酒法(きゅううんしゅんしゅほう)」です。

 

「九醞春酒法」

曹操

 

曹操の考えたお酒の造り方である「九醞春酒法」は、簡単に説明すると九回の発酵工程を挟んだ酒の造り方で、途中で濁りかすを取り除くなど、とても丁寧な造り方をされているのが分かりますね。

 

三国志の計略07 曹操

 

この酒について曹操は「甘い」と表現していますが、これはおそらく「甘美」……つまりそれほど美味しいという表現か、もしくは酒の甘口、アルコールのこってりとした飲み口を表現したものではないかと筆者は想像しています。

 

しかしレシピを参考にすると当時貴重であった米、もしくはもち米を利用しているので、おそらくこれらはやはり高価なお酒で、庶民には口にできないものだったでしょう。

 

ちょっとひとくち

ポイント解説をするセン様

 

最後に「九醞春酒法」について小話を。

 

「九醞春酒法」という名前から九回発酵させる、発酵を繰り返すという意味とされていますが、これには別の意味もあると言われています。というのも「九」という数字はは一桁の中でも最大の数、このため中国では数が多い象徴として「九」の数字を用いることがあります。

 

曹操

 

なので曹操の酒の造り方は九回ではなくもっと少なかった……いいや、もっともっと多い回数で、手間がかかっているのでは……とも考えられている訳ですね。流石曹操、細かいところまで気を使っています。

 

三国志ライター センのひとりごと

三国志ライター セン

 

今回は曹操とお酒のお話をさせて頂きました。正直な話、曹操の作った酒が現代の日本酒と全く同じとは思いません。それでも杯に注いだそのお酒が、遥か昔にも飲まれていたものかも……と考えると、ロマンがありますね。

 

三国志を楽しく語るライターセン様

 

ぜひよろしければ皆さんも、お酒の飲める方はちょっと一杯飲みながら三国志をお楽しみ下さい。飲めない人はノンアルコール飲料で、なに、曹操もお酒ではなく楽しむことを第一に考えたと思いますから、ぜひ自分の好きな飲み物片手に三国志を楽しんで下さいね。

 

参考文献:魏書文帝紀 漢晋春秋 魏氏春秋

 

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曹操孟徳

 

 

 

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セン

両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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