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キングダム652話雑学「秦の鋭士、魏の武卒、斉の技撃最強は?」


 

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馬に乗って戦う飛信隊の信

 

あまり記録が残っていない春秋戦国時代の軍隊編制。

しかし、性悪説(せいあくせつ)で知られる荀子(じゅんし)が趙の孝成(こうせいおう)、及び臨武君(りんぶくん)と王者の兵について語り合った議兵篇(ぎへいへん)第十五という問答があり、

 

そこには、知られざる秦、、斉の精兵について書かれているのです。

今回のキングダム雑学では、荀子が説く秦の鋭士(えいし)、魏の武卒(ぶそつ)、斉の技撃(ぎげき)の精鋭の強弱を紹介しましょう。

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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キングダム652話雑学「斉の技撃とは?」

進軍する兵士b(モブ用)

 

荀子の言では、斉には技撃という精鋭がいました。斉人は武芸を好み、戦場で兵が首を1つ取れば褒美が出ます。しかし、斉では、個人には褒美を出すものの、戦いに勝っても全体には褒美がないようです。そればかりか、実績がない兵士からは罰金を取って、それを手柄を立てた兵士の褒美に宛てるので国は持ち出しがないと言っています。

 

敗北し倒れている兵士達b(モブ)

 

一時金を与えても、徭役(ようえき)を免除したり税の軽減を与える褒美はないので、小競り合い程度は友好でも、大きな合戦で敵が堅固である時には、組織戦闘が出来ないのでバラバラになり敗北してしまいます。

 

荀子いわく、これは亡国の兵で市場で日雇いの人夫を集めて戦うのと変わりはないそうです。

 

キングダム652話雑学「魏の武卒とは?」

進軍する兵士c(モブ用)

 

魏では、名将呉起(ごき)が採用した武卒という強兵を基準を定めて登用しています。

 

これは選抜により兵を選ぶ少数精兵の軍で、鎧と腰当、脛当ての三属の甲で武装し十二石の弩を装備し、50本入りの矢立てを背負い、戈をその上に置き、兜をかぶって剣を帯び、糧食3日分を携帯して一日で昼までに40キロを走れる事が採用の条件です。

 

厳しいテストにパスした家では、徭役を免除して税を軽減しました。

 

病気になった兵士

 

この武卒は確かに強く、一時期は魏を七国最強へと導きましたが、年老いて役に立たなくなっても特権を奪う事が出来ません。従って魏は、兵が少ない割に軍事費が余分にかかる事になり、広大な土地を持ちながら税収が少なく国力が低下したと荀子は言います。

 

キングダムネタバレ考察

 

キングダム652話雑学「秦の鋭士とは?」

進軍する兵士a(モブ用)

 

最後の秦の鋭士ですが、秦では常に人民を困窮させて過酷に働かせています。人民を権力で脅し、雁字搦めの法律で苦しめ、同時に褒美を与えて手なづけ、刑罰で圧迫し他の事を考えられなくしていきます。そして、人民に対し、お上から利益を得る為には、戦争によるしかないと思わせます。

行軍する兵士達b(モブ)

 

最初に苦しめて逃げ道を失くし、次にこうすれば儲かると甘く囁き、戦場で手柄を立てれば必ず褒美があると利で釣る事で、喜び勇んで戦場に向かうように急き立て、敵の首を5つ取ったら故郷の五家を従えさせる特権を与えていました。

 

これが兵を最も強くして長期的に国を治め、結果、土地を奪い取り税収が上る事に繋がったと荀子は説きます。秦が孝公、恵王、武王、昭王の4代において勝ち続けたのは偶然ではなく道理でした。

 

キングダム652話雑学「三国で一番強いのは秦だが…」

孔子の弟子であり文学が得意な子夏

 

その後、荀子は3国の兵士を比較して、一番弱いのが斉の技撃、二番目が魏の武卒、そして一番強いのが秦の鋭士だと趙王に説明します。しかし、だから秦が最強というのではなく、そんな秦の鋭士でも覇者になった斉の桓公や晋の文公の整った軍隊には勝てないとします。

 

さらに、そんな覇者の軍勢でも殷の湯王(とうおう)や周の武王の仁義の軍には敵わないとし、石に消し炭をぶつけるように砕けてしまうでしょうと断じているのです。

【次のページに続きます】

 

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kawauso

kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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