三国志の時代の墨は、中に漆を混ぜたそうで墨がネバネバし筆を下ろした所が、
おたまじゃくしのようにボコっと膨らんでしまう。
つまり、下手が書いたら、大変な悪筆に見えてしまうので、地位のある人は代筆屋に手紙を書かせて、
自分が書いたように見せるのが常だった。
正史三国志張紘(ちょうこう)伝が引く呉書にいわく
張紘は文学を好んだばかりでなく、楷書(かいしょ)や篆書(てんしょ)に巧みで
孔融に送った手紙は自筆のものだった。
張紘はよほど文字に自信があったに違いない、孔融に半端な文字を見せれば、死ぬまでバカにされ続けるに違いないからな
代筆屋は大層儲かったらしく、下級官吏でも字が上手いと引く手あまただった。人間の見栄が商売になっていたのだ。
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