どうして17世紀のオランダは世界最強になったの?世界史を丸わかり!


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17世紀のオランダは世界最強(1P目)

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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寛容な社会

 

オランダは、当時の欧州の常識では驚異的と呼べるほどに知識について寛容でした。科学者はオランダではとても尊敬され、しばしば富裕層は科学者を息子の家庭教師に求めています。

 

このような傾向から、政治的、宗教的に母国を追われたり、過激な学説のために自国で著作を発行できない欧州中の科学者や哲学者がアムステルダムを訪問して長期住み着くようになり、ライデン大学を中心に科学・数学・哲学の中心地になりました。

 

例えば、リヴァイアサンで有名なトマス・ホッブスは著作物をオランダで印刷し、フランス人哲学者のルネ・デカルトは21年間もオランダに住んで、最も重要な著作をアムステルダムとライデンで発行しています。

 

社会契約や抵抗権の概念(がいねん)で、フランス革命やアメリカ独立戦争にも影響を与え、自由主義の父と呼ばれるイギリスの思想家、ジョン・ロックは1688年以前のイングランドにおける最悪の5年間の反動期間、オランダに避難していますし、無神論者のレッテルを貼られたバールーフ・デ・スピノザにおいては、「死んだ犬」とまで罵倒され、オランダ以外での活動はほぼ無理でした。

 

また、オランダはスペインに宗教弾圧を受けた経験から、金銭で(あがな)う事を条件にプロテスタント以外の宗教に寛容さを示します。それにより、ユダヤ人やユグノーのような他国で宗教弾圧を受けていた人々がオランダに集まるようになります。

 

オランダには、他国とは比較にならない思索と発表の自由があり、それが多くの進歩的で革新的な科学者や数学者、哲学者をひきつけ、多くの科学的知見をオランダにもたらしました。

 

世界史ライターkawausoの独り言

kawauso 三国志

 

まとめると、17世紀オランダの繁栄の要因は、

 

①自給できるエネルギーを持っていた事。

②道路の整備が進み、運河が隅々まで走る効率的な都市であった事。

③プロテスタント国で、資本主義と相性が良かった事。

④知識と宗教に寛容であり、他国で迫害された人々に門戸を開いた事。

⑤身分より人間性を重んじ、富が社会のステータスを決める平等社会だった事。

⑥株式や銀行システムを整備し、多額の資金を集めて円滑に富を配当し信頼を得た事。

 

これらの複合要因で成り立っていた事が分かります。でも、これはオランダに限らず繁栄する都市に欠かせない条件なのです。逆に言うと、この6条件が1つでも欠けると、その国は没落していく事になりますね。

 

参考文献:お金で読み解く世界史 関眞興 SB新書他

 

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台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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