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何だかんだ泣かしてくれるぜ!水滸伝・李逵の最期


 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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それはある日のこと

宋江(水滸伝)

 

さあてお話を一気に進めましょう。宋江たちは官軍となり、李逵は宋江とは別の任地で過ごしていました。退屈している中、宋江から呼び出された李逵は喜び、大急ぎで宋江の元に向かいます。

 

李逵(水滸伝)

 

そうして久しぶりに再会した宋江は、李逵に酒を勧めました。李逵は喜んでその酒を飲みました……しかし李逵が酒を飲むなり、宋江は大声で泣きだしたのです。

 

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例えあの世に行ったとしても

宋江(水滸伝)

 

宋江は既にこの時、奸臣(かんしん)らから(あざむ)かれ、毒酒を飲まされていました。しかし自分が死ねば李逵は手が付けられないほど暴れて、多くの人々が死んでしまう。そう思った宋江は李逵を道連れにするべく、自分もまた欺いて毒酒を飲ませたのです。

 

「なあんだ」

 

泣いて詫びる宋江に、李逵は笑いました。李逵にとって、宋江のいなくなるこの世に既に未練はありませんでした。

 

「宋江兄貴、あの世に行っても俺は兄貴の兵士だぜ!」

どこまでも宋江を慕った李逵は、笑顔で死を受け入れたのでした。

 

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三国志ライター センのひとりごと

三国志ライター セン

 

李逵は純粋ではあるのですが、暴れると手が付けられない上に被害が甚大で凄惨なものとなるため、どうしても受け付けない人には受け付けないキャラクターです。実際に筆者も李逵は最初許せなかったのですが、最期の最期で号泣させられた人物でもあります。

 

李逵(水滸伝)

 

因みにこの純粋さから起こる殺戮、一応理由があるのです。李逵は天殺星の生まれ変わりですが、この星の役目として「下界の悪い人間を殺害する」というものがあり、そのために殆ど無差別に、一人殺害の役割を任された……とも言われています。

 

だとしたら李逵は……汚れ役を一身に引き受けさせられた上で、誰よりも慕う人物と一緒にこの世を去ったのは……お役目を全うした、ご褒美だったのかもしれませんね。

 

参考文献:水滸伝

 

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両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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