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それはある日のこと
さあてお話を一気に進めましょう。宋江たちは官軍となり、李逵は宋江とは別の任地で過ごしていました。退屈している中、宋江から呼び出された李逵は喜び、大急ぎで宋江の元に向かいます。
そうして久しぶりに再会した宋江は、李逵に酒を勧めました。李逵は喜んでその酒を飲みました……しかし李逵が酒を飲むなり、宋江は大声で泣きだしたのです。
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例えあの世に行ったとしても
宋江は既にこの時、奸臣らから欺かれ、毒酒を飲まされていました。しかし自分が死ねば李逵は手が付けられないほど暴れて、多くの人々が死んでしまう。そう思った宋江は李逵を道連れにするべく、自分もまた欺いて毒酒を飲ませたのです。
「なあんだ」
泣いて詫びる宋江に、李逵は笑いました。李逵にとって、宋江のいなくなるこの世に既に未練はありませんでした。
「宋江兄貴、あの世に行っても俺は兄貴の兵士だぜ!」
どこまでも宋江を慕った李逵は、笑顔で死を受け入れたのでした。
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三国志ライター センのひとりごと
李逵は純粋ではあるのですが、暴れると手が付けられない上に被害が甚大で凄惨なものとなるため、どうしても受け付けない人には受け付けないキャラクターです。実際に筆者も李逵は最初許せなかったのですが、最期の最期で号泣させられた人物でもあります。
因みにこの純粋さから起こる殺戮、一応理由があるのです。李逵は天殺星の生まれ変わりですが、この星の役目として「下界の悪い人間を殺害する」というものがあり、そのために殆ど無差別に、一人殺害の役割を任された……とも言われています。
だとしたら李逵は……汚れ役を一身に引き受けさせられた上で、誰よりも慕う人物と一緒にこの世を去ったのは……お役目を全うした、ご褒美だったのかもしれませんね。
参考文献:水滸伝
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