何だかんだ泣かしてくれるぜ!水滸伝・李逵の最期

2021年12月23日

編集体制の詳細を見る
kawauso編集長(石原 昌光)

編集責任者

kawauso編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務めるほか、紙媒体やWebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者・おとぼけ(田畑 雄貴)

コンテンツ制作責任者

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月に「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感していただけることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。

提供する掲載情報について

『はじめての三国志』は、複数の企業と提携し情報を提供しており、当メディアを経由して商品への申込みがあった場合には、各企業から支払いを受け取ることがあります。

ただし、当メディア内での商品評価に関して、提携の有無や支払いの有無が影響を及ぼすことはありません。また、当メディアで得た収益は、読者の皆様により役立つコンテンツ制作へ還元し、情報の正確性担保に努めています。

詳しくは 編集ポリシー をご覧ください。


 

李逵(水滸伝)

 

水滸伝(すいこでん)には一〇八星と呼ばれる星の生まれ変わりたちが出てきます。ちょっとすると覚えるのに大変かと思いますが、今回はその中から、李逵(りき)と呼ばれる人物をご紹介しましょう。

 

水滸伝って何? 書類や本

 

李逵ははっきりと申し上げて好き嫌いがかなり別れる人物。好きという人もいれば、憤まんやるかたなし、という人もいるでしょう。しかし筆者は最期の最期で李逵に泣かされました……そのエピソードも紹介しますね。

 

 

李逵について

宋江、史進、李逵、魯智深、林冲、武松、楊志(水滸伝)

 

李逵は梁山泊(りょうざんぱく)での席は第二十二位。星は天殺星。役職は歩兵軍筆頭、この役職からも分かるように武勇に優れた人物です。肌が真っ黒で、戦う時には上着を脱ぐためこの黒い肌が露になり、また武器の二振りの緒のを振り回して大暴れするその様から、周囲からは「黒旋風」と呼ばれました。

 

李逵と宋江(水滸伝)

 

頭領である宋江(そうこう)を純粋に慕う、どこまでもどこまでも慕う人物です。

 

関連記事:張飛と性格ソックリ!水滸伝の豪傑・黒旋風、李逵と宋江の出会いとは?

関連記事:水滸伝と三国志演義の面白い共通点と相違点を考察

 

【中国を代表する物語「水滸伝」を分かりやすく解説】

水滸伝入門ガイド

 

 

 

騒動の発端

 

二人の出会いは戴宗(たいそう)の紹介でした。元々噂で宋江のことを聞いており、おもてなししようと博打で金を稼ごうとした李逵ですが、逆にボロ負け。それどころか喧嘩になって相手を怪我させてしまい、その金を宋江が払う有様でした。

 

その後もやっぱり暴れて迷惑をかけてしまうという状態になりますが、この頃から既に李逵は宋江を深く、そして純粋に慕うようになっていたのです。

 

関連記事:水滸伝は創作だった?実在した?元ネタから考察する水滸伝の秘密

関連記事:「水滸伝」梁山泊の頭領、宋江は主人公っぽくない?人気の理由を考察

 

はじめての三国志Youtubeチャンネル

 

 

やっちゃったぜ

落書きをする宋江(水滸伝の主人公)

 

しかしその後、今度は宋江がやらかします。酒に酔っ払った宋江は謀反の詩を書いて、料理屋の壁に貼ってしまいました。このため宋江は役人(わるいひと)に訴えられ、死刑判決を受けてしまいます。

 

宋江、花栄(水滸伝)

 

その上、戴宗も同罪として二人は公開処刑されることになりました。

やはりお酒は怖いですね呉王様!

 

さあてここでお怒りMaxなのが李逵です。

 

関連記事:髭・顔は張飛と一緒?『水滸伝』の豪傑・林冲のモデルは張飛だった?

関連記事:1分でわかる!水滸伝 天命の誓い

 

よかミカンのブラック三国志入門

 

 

怒り心頭な李逵

李逵(水滸伝)

 

「宋江兄貴を処刑なんざ許さねぇぜ!!」と、怒り心頭の李逵は処刑場に殴り込みをかけました。もちろんその両手には斧を持って。殴り込みをかけた李逵は黒旋風の名前そのままに暴れまわりました。もちろん敵だの味方だのは些細な事。

 

梁山泊(水滸伝)

 

もはや無差別に殺害を行い、梁山泊らも救援もあり、宋江らは救出され、李逵はそのまま梁山泊入りすることになります。この李逵の敵味方お構いなしの殺害、良く覚えておいて下さい。

 

関連記事:『水滸伝』の誰が好き?晃が独断と偏見で選ぶキャラクターを考察

関連記事【水滸伝の時代背景】徽宗朝の混乱の原因となった新法党・旧法党の争いとは何?

 

その後……

 

さてこの後も、李逵は大暴れします。しかし李逵の大暴れは、毎回……という訳ではありませんが、被害が大きくなるのが特徴です。特に悲惨だったのが朱仝(しゅどう)が仲間入りした際のこと。朱仝がお世話になっていた長官の、幼い子供が李逵によって殺害され、朱仝は戻れなくなってそのまま梁山泊入りする……という何とも後味の悪い結末になっています。

 

純粋であり、無邪気であり、それ故に人殺しを躊躇なく行う。李逵は天殺星の役割を良く引き継いでいた人物でした。このため、登場人物の中では結構好き嫌いが別れる人物であると思います。

 

関連記事:水滸伝の五虎大将軍とは誰なの?関勝・林冲・秦明・呼延灼・董平を紹介

関連記事:宋江はどんな最期を迎えたの?水滸伝の主人公・宋江の死に方

 

ながら三国志

それはある日のこと

宋江(水滸伝)

 

さあてお話を一気に進めましょう。宋江たちは官軍となり、李逵は宋江とは別の任地で過ごしていました。退屈している中、宋江から呼び出された李逵は喜び、大急ぎで宋江の元に向かいます。

 

李逵(水滸伝)

 

そうして久しぶりに再会した宋江は、李逵に酒を勧めました。李逵は喜んでその酒を飲みました……しかし李逵が酒を飲むなり、宋江は大声で泣きだしたのです。

 

関連記事:宋江はクズでサイコパスだった?水滸伝の主人公は最強の偽善者だったの?

関連記事:【水滸伝】史進の活躍は最初だけ?108星最初の豪傑の最期も呆気なかった

 

まるっと世界史 特集バナー

 

 

 

例えあの世に行ったとしても

宋江(水滸伝)

 

宋江は既にこの時、奸臣(かんしん)らから(あざむ)かれ、毒酒を飲まされていました。しかし自分が死ねば李逵は手が付けられないほど暴れて、多くの人々が死んでしまう。そう思った宋江は李逵を道連れにするべく、自分もまた欺いて毒酒を飲ませたのです。

 

「なあんだ」

 

泣いて詫びる宋江に、李逵は笑いました。李逵にとって、宋江のいなくなるこの世に既に未練はありませんでした。

 

「宋江兄貴、あの世に行っても俺は兄貴の兵士だぜ!」

どこまでも宋江を慕った李逵は、笑顔で死を受け入れたのでした。

 

関連記事:林冲の性格は三国志演義の張飛にそっくり!林冲の性格を分かりやすく解説

関連記事:水滸伝をあらすじでざっくりと分かりやすく解説してみる【3分で理解】

 

はじめての三国志連載特集

 

 

三国志ライター センのひとりごと

三国志ライター セン

 

李逵は純粋ではあるのですが、暴れると手が付けられない上に被害が甚大で凄惨なものとなるため、どうしても受け付けない人には受け付けないキャラクターです。実際に筆者も李逵は最初許せなかったのですが、最期の最期で号泣させられた人物でもあります。

 

李逵(水滸伝)

 

因みにこの純粋さから起こる殺戮、一応理由があるのです。李逵は天殺星の生まれ変わりですが、この星の役目として「下界の悪い人間を殺害する」というものがあり、そのために殆ど無差別に、一人殺害の役割を任された……とも言われています。

 

だとしたら李逵は……汚れ役を一身に引き受けさせられた上で、誰よりも慕う人物と一緒にこの世を去ったのは……お役目を全うした、ご褒美だったのかもしれませんね。

 

参考文献:水滸伝

 

関連記事:岳飛の時代に『水滸伝』の豪傑が存命していた!?

関連記事:宋江ってどんな人?水滸伝の主人公であり中途半端ヤ〇ザの微妙な最期

 

【中国を代表する物語「水滸伝」を分かりやすく解説】

水滸伝入門ガイド

 

 

 

 

はじめての三国志を、もっと読みたい方へ
Google検索であなたの優先ソースに登録しておくと、はじ三の記事が上位に出やすくなります。
  • この記事を書いた人
  • 最新記事
セン

セン

両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

-水滸伝
-,