夏侯惇伝の注釈・魏略から読み取る魏将・夏侯惇と鏡の違和感

2022年1月21日


 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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夏侯惇のちょっとしたなぞ

 

そしてこの時代の鏡と言えば、現代とはまた違います。今でいうコンパクトミラーのようなものでは当然なく、主に銅鏡。そこそこの重量と厚みを持っていたものであり、そもそも割れることはない……とは言えこの時代の銅はまだまだ不純物が多く、もしかしたら割れてしまった可能性もありますが、一応、正史に書かれている段階では「割れたかどうかははっきりしていない」のです。

 

そしてもう一つ、この時代の鏡についての用途です。

 

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銅鏡の使い方

 

現代では鏡は主に身だしなみを整えるために用いられますが、この時代の銅鏡は主に祭事用です。もう一つの使い方としては呪術の触媒のような使い方であり、果たしてそんな使い方をする銅鏡を叩き付けるような扱いをするのは「罰当たり」ではないかと思うのです。

 

とは言えそんな罰当たりなことをしてしまうほど夏候惇は己の姿を恥じ、激昂していた……と考えると、そこから三国志演義では猛将という存在になったのではないかと思うのですが、皆さんはどう思いますか?

 

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三国志ライター センのひとりごと

三国志ライター セン

 

筆者もずっと夏侯惇は鏡を見る度に怒って鏡を割っていたと思っていたのですが、ちょっと詳しく見直すと割ったとまでは書かれていなかったんですよね。そもそも銅鏡と考えると割れるのか……?

 

もしかしたら割れない鏡に更に苛立って地面に叩きつけていたのかもしれない……そう考えると、普段は穏やかな夏侯惇だからこそ周囲は驚いてこんなエピソードを書き記したのかもしれませんね。

 

センさんのとぷんver1

 

今回はちょっと些細ななぞにも目を向けてみようというコンセプトでしたが……そんなちょっとしたところも深く考えてしまうのが三国志沼の住人ということでご了承ください……ちゃぷん。

 

参考文献:魏書夏候惇伝 魏略

 

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夏侯惇

 

 

 

 

 

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セン

両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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