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周倉は赤兎馬と同じスピードで走る[赤兎馬2号だった!]三国志演義のやりすぎ伝説に迫る

2023年3月11日


周倉

 

架空の人物でありながら高い人気を誇る周倉(しゅう そう)。その人気の秘密はむしろ架空の人物であることにあるのかもしれません。実在する人物については「史実と違う!」などと批判が殺到しやすいものですが、架空の人物にはそのような心配がありません。

 

赤兎馬に乗った関羽に出会う周倉

 

あらゆる設定を押し付けるのに架空の人物ほど都合の良い存在があるでしょうか?というわけでなんともハイスペックな設定が盛り込まれているのが周倉なのです。なんとこの周倉は関羽(かんう)の愛馬・赤兎馬(せきとば)に匹敵するスペックをお持ちなのだとか。

 

今回は、周倉の化け物伝説についてご紹介していきましょう。

 

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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赤兎馬と同じ速度で走り続けた男

周倉と裴元紹

 

「いやいや、人と馬を比べてもしょうがないでしょう。」

 

そんな声が聞こえてくる気がしますが、周倉については別格なのです。

 

赤兎馬

 

なぜなら彼は馬に乗らずに赤兎馬と同じスピードで走ることができたという伝説を持っていたのですから!馬といえば競馬のために品種改良されたサラブレッドで時速60kmほどの速さで走ることができます。

 

赤兎馬を乗り回す関羽

 

千里の馬と呼ばれた赤兎馬のことですから、ここまで速くはないにせよ、この速さに匹敵するスピードで千里を駆け抜けたことでしょう。一方、人間であれば一瞬だけ時速50kmを出すのが限界。

 

マラソン日本代表として走る中村勘九郎 いだてん

 

長距離ランナーであるマラソン選手は時速20kmほどの速さのようです。これらのことに鑑みれば、人間であるはずの周倉が赤兎馬と同じ速さで走っていたということがどれほど異常なことであるかお分かりいただけると思います。空想の世界とはいえ、超人すぎる周倉に驚かずにはいられませんね。

 

 

 

馬を担いで赤兎馬に乗った関羽を追いかけた!?

周倉

 

主人である関羽に常に付き従っていたいという思いの強さが周倉の超人的スペックを生み出した…。そう考えるとなんとも微笑ましいこの設定ですが、明朝末期に馮夢竜(ふう むりゅう)という人物が編んだ『笑府(しょうふ)』という笑話集においてこの設定が更にパワーアップ。

 

ますますおかしなことになっています。周倉が馬にも乗らずに戦場を走り回る様子を憐れんだ関羽は赤兎馬並みに走ることができる馬を周倉にプレゼントしようと考えます。

 

しかし、当然ながら千里の馬を駆ける赤兎馬に匹敵する名馬など簡単には見つかりません。そこで関羽は仕方がなく九百里を駆ける馬を周倉にプレゼントすることにしました。周倉はこの九百里を駆ける名馬をありがたく受け取ったのですが、やはり九百里以上の道のりを進むことができません。

 

そのため、

一日走れば百里離され、

二日走れば二百里離され…。

 

とても関羽に追いつくことができないのです。

 

「関羽様に追いつきたい…!

でも、もらった馬も無下に扱えない…!」

 

悩みに悩んだ周倉、とんでもないことを思いつきます。九百里は馬に乗って駆け、残りの百里は馬を担いで自分の脚で駆けたのです。こうして周倉は関羽から片時も離れることなく、関羽からもらった馬も大切にすることができたのでした。

 

関連記事:周倉(しゅうそう)と関羽はどんな関係だったの?三国志の上司と部下事情

 

 

足の裏の3本の毛に秘密が…!?

呂蒙

 

周倉の足の速さについてはこのようなエピソードも残されています。関羽から荊州(けいしゅう)を奪還しようと考えていた呂蒙(りょもう)

 

しかし、何度関羽に戦いを挑んでも、赤兎馬に乗る関羽に常に付き従い、タイミングよく青龍刀を渡す周倉が邪魔でうまく事が運びません。そんな呂蒙は夢で華雄から周倉の秘密を暴く方法を授けられます。

 

指揮を取る呂蒙

 

呂蒙はニヤリ。早速その方法を試してみるべく、周倉と同郷の人物を買収して周倉の元を訪ねさせました。久しぶりの友との再会に心を弾ませる周倉。お酒もいい具合に進んだ頃、同郷の人が次のように話を振りました。

 

「君の脚の裏には毛が生えていて、その毛のおかげで赤兎馬並みに速く走れるんだって?」

 

この言葉を聞いた周倉は土踏まずに生えた三本の毛を得意げに見せ、その素晴らしさを語ります。同郷の人は周倉を褒めそやし、更に酒をすすめて酔わせ、周倉が酔っぱらってひっくり返ったところで…プチプチプチン!

 

3本の毛を全て抜いてしまったのです…!

毛を抜かれた周倉は速く走ることができなくなり、関羽は周倉からタイミングよく青龍刀を受け取ることができず呂蒙に捕まってしまったのでした。

 

 

三国志ライターchopsticksの独り言

三国志ライター chopsticks

 

周倉の伝説は面白いものばかりですね。これぞ、架空の人物の醍醐味ともいえるでしょう。

 

 

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清朝考証学を勉強中。 銭大昕の史学考証が専門。 片田舎で隠者さながらの晴耕雨読の日々を満喫中。 好きな歴史人物: 諸葛亮、陶淵明、銭大昕 何か一言: 皆さんのお役に立てるような情報を発信できればと思っています。 どうぞよろしくお願いいたします。

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