宦官になると顔つきが変わる?宦官は臭いは本当なの?

2023年9月3日


 

はじめての三国志コメント機能バナー115-11_bnr1枠なし

 

宦官

 

今回は宦官かんがんのお話をさせて頂きます。その前に皆様は宦官かんがんに付いてある噂を聞いたことはないでしょうか?

 

宦官かんがんになると顔つきが変わる」

 

宦官かんがんになると、顔つきが変わり、見た目が女性的になる、というのは良く聞きますね。男性ホルモンの分泌が影響していると言われていますが、これはどこまで本当の話なのでしょうか?また

 

宦官かんがんは臭い(臭かった)!」

 

と言われていますが、これはどういう意味なのでしょうか。今回はこの両方に付いて、とある症例を紹介しながら見ていきたいと思います。

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


【誤植・誤字脱字の報告】 バナー 誤字脱字 報告 330 x 100



【レポート・論文で引用する場合の留意事項】 はじめての三国志レポート引用について



宦官が宦官になるまで~生命の危険とトイレ~

宦官

 

さてまずは宦官かんがんができあがるまで。宦官かんがんとなるには刑罰であったり、自ら志願したりと様々ですが、基本的に宦官かんがんになるには手術が行われます。簡単に言うと男性器を切除します。

 

切除は男性器全てを切除、睾丸部分を切除、睾丸部分以外を切除する……など次代が進むにつれ色々な方法があったようですが、主に男性器全てが切除されていたようです。そしてここで問題になるのが、トイレです。

 

 



トイレに行けない宦官は、そのまま・・・

ポイント解説をするセン様

 

男性と女性の尿道は、男性が15㎝から20㎝、女性が3㎝から4㎝となります。これは男性器と女性器の違いが長さに現れているのですね。で、宦官かんがんの場合は男性器を切除する訳ですから、当然ながら尿道も切除されています。

 

時代が進むと男性器から尿道を取り除き、体内に埋め戻して繋げる方法も取られたようですが……そうでない時代は、恐らく尿道の処置が甘く、排尿ができない事で命を落としてしまう宦官かんがんが多くいたと言います。手術も命がけならば、それ以降もまた命がけであったのです。

 

 

宦官はどうして「臭い」と言われたのか?宦官の「臭い」理由

十常侍(宦官)

 

ここでもう一度振り返りますが、宦官かんがんは男性器を切除します。そうすることで尿道が以前より短くなるので、トイレの感覚が掴みにくくなり、漏らしやすくなるそうです。このため宦官かんがんは良くトイレに行くため、彼らは「臭い」と言われるようになった……だけではなく。

 

宦官かんがんの尿道は以前と位置が変わり、尿が排出される穴が上向きになって排尿の「方向」が掴みにくく、トイレや来ている衣服を良く汚し、更にはトイレが近いことで「粗相」をしやすくなったため、宦官かんがんそのものが臭かった、というのです。排尿を我慢するのに使われる筋肉は括約筋、と言いますが、排尿する場所自体が変わってしまう宦官かんがんは、それを我慢することがしにくかったのでしょう。そういう要素も踏まえてやはり宦官かんがんという役目は「屈辱」なお役目であったこともあり、それ自体が刑罰であったことが良く分かるかと思います。

 

こちらもCHECK

張譲 宦官
どうして魏呉では宦官が悪事を働けなかったのか?

続きを見る

 

 

宦官は顔つきが変化していた?宦官になると顔つきが変わるのはホント?

張譲(宦官)

 

ではもう一つ「宦官かんがんになると顔つきが変わる」と言われているお話もしましょう。良く宦官かんがんになると顔つきが変わる、体が女性的になる、性格も変化していく、と言われます。身体の線が細くなったり、ヒゲが生えなくなったり、体が丸みを帯びるようになったり、時には乳房に膨らみが出てくるなど、身体的な特徴が出てくる……これは、果たして本当でしょうか?

 

こちらもCHECK

張譲 宦官
実は三国志時代を生んだ存在?宦官の正体

続きを見る

 

 

 

共通認識ではあったけれど、確実ではなかった「宦官の顔つき」

宦官を一掃することを決意する何進

 

この答えになる要素として、三国志の「袁紹の宦官かんがん皆殺し」があります。袁紹は宮廷に乗り込み宦官かんがんたちを皆殺しにするように命じ、2000人ほど殺されてしまいました。この際に宦官かんがんの見分け方として「髭があるかどうか」があったのです。

 

宦官を倒す袁紹

 

なので宦官かんがん=ヒゲが薄いというのは認識としてあったそうですが、この時の被害者にはヒゲが薄いと言うだけで宦官かんがんと思われて殺された、という人物もいたそうです。このため男性たちは着物の前をがばっと広げて「宦官かんがんじゃない」アピールをしたと言いますが……まあそれは置いといて。宦官かんがんの顔つき、それは全てに共通するものではなく、あくまで身体的特徴、という枠に収まる者であった可能性は否定しきれません。

 

こちらもCHECK

張譲(宦官)
宦官にヨメがいたって本当?かなり当たり前だった結婚

続きを見る

 

 

どうして宦官となると顔つきが変わるのか、その可能性と理由

宦官たち 

 

さてここでちょっと疑問を一つ。どうして宦官かんがんとなると顔つきが変わるのか。その理由として挙げられるのが、男性ホルモンの減少にあります。宦官かんがんは男性器を取られてしまうので、男性ホルモンの分泌が減る。男性ホルモンによって男性らしさが失われ、その代わりとして女性らしくなるというのですね。しかしこれは本当に有り得るのでしょうか?と、いう所でちょっとした症例についてご紹介させて頂きます。

 

こちらもCHECK

曹騰(宦官)
曹騰とはどんな人?曹操の祖父にして皇帝となった宦官

続きを見る

 

 

「宦官となると顔つきが変わる」その認識は古くからあった!?

1度もミスをしなかった有能な宦官・曹騰

 

類宦官症宦官症るいかんがんしょうという症例があります。これは何らかの脳の以上により、精巣から男性ホルモンの分泌がされない、もしくは少ないために声変わりがなかったり、陰毛やヒゲが生えないなどの、男性化徴候が発現しない症例です。症例の中には精神の不安定なども挙げられており、この症例の原因は不明となっています。

 

類宦官症るいかんがんしょうとはまた違いますが、この症例を見る限り、後天的な身体及び顔つきが変わる、というのは有り得る範疇ではないかと思われます。同時に宦官かんがんのようになる症状と考えると、宦官かんがんの顔つき、体つきの変化に対する認識は、古くからあったとも考えられます。歴史の人幕でもある宦官かんがんですが、その陰で失われた命、尊厳、そして苦しみもあったと思うと、中々に苦々しい思いになりますね。

 

こちらもCHECK

宦官
宦官はどんな生活をしていたの?

続きを見る

 

宦官

 

 

 

三国志ライター センのひとりごと

三国志ライター セン

 

女性と間違うような美しさとなった宦官かんがん……となるとやや非現実的かもしれませんが、それでも己の男性としての尊厳を失うことになった宦官かんがん。刑罰と言ってしまえばそれまでですし、志願者も多くいた、と言えば自業自得な面もあったかもしれません。それでもやはり振り返って考えると、恐ろしいことでもあったのだと感じました。

 

宦官の趙高

 

更に歴史上、宦官かんがんが権力を握った、私腹を肥やしたというイメージもありましたが、調べてみるとその背景は更に深い闇が広がっていることも……本当に、苦い思いです。そのお話はまたどこかで、今回はこれまで。どぼん。

 

こちらもCHECK

宦官VS外威 三国志
宦官の始まりは古代中国史ではどの時代からはじまったの?

続きを見る

 

佞臣

 

 

 

 

  • この記事を書いた人
  • 最新記事
セン

セン

両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

-三国志の雑学
-,