三个臭皮匠,赛过诸葛亮(三人のしがない靴屋が諸葛亮(しょかつりょう)に勝つ)
――三人寄れば文殊(もんじゅ)の知恵。
中国には三国志の登場人物にちなんだことわざがたくさんあります。
ことわざを見ていくと、その人物がどういうイメージで
とらえられているか見えてきて、面白いですよ!
本日は三国志の蜀(しょく)建国の功臣、スーパー軍師の
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諸葛亮の賢さに注目したことわざ
诸葛亮的鹅毛扇(諸葛亮の羽扇)――奥深く計り知れないというたとえ。
諸葛亮の肖像画や像などでいつも手に持っているイメージのある羽扇。
わけわかんない扇を持ってるわけわかんない人、ということで、
羽扇が計り知れない知謀を象徴するアイテムとなっているようです。
こんな感じで使えばいいんでしょうかね↓
「三年寝太郎さんは、どうして寝てばかりいるんだろう。」
「さあ……。もしかすると《諸葛亮の羽扇》かもしれないよ。」
孔明弹琴退仲达(孔明が琴を弾いて仲達を撃退する)
――危機に臨んでも動揺しないことのたとえ
三国志演義の中で、諸葛亮が無防備な城で司馬懿仲達(しばいちゅうたつ)の
大軍を迎えなければならなかった際、まともに戦っても負けるからあえて
城門を開け放って兵士にも落ち着き払って門前の掃き掃除なんかをさせて、
諸葛亮は余裕ぶっちぎった態度で城頭で琴を弾いて司馬懿の軍が来るのを待ち、
疑心暗鬼になった司馬懿が城には攻め込まず撤退したという
エピソードにちなんだことわざ。
どんな時に使うんでしょうね。例えば麻雀をやっている時に、
この牌を切るしかないが振り込んでしまうかもしれん……
しかし素知らぬ顔で切れば気付かれぬかもしれん……
ここは《孔明が琴を弾いて仲達を撃退する》だ……みたいな?
諸葛亮のずる賢さ(?)に注目したことわざ
诸葛亮借箭(諸葛亮が矢を借りる)――借りっぱなしで返さないこと。
三国志演義で、諸葛亮がわらで作った等身大の人形を船にたくさん立てておいて、
濃霧の晩に敵前をその船で行ったり来たりして、敵襲だと思った敵軍から
矢が大量に放たれるのをわら人形にいっぱい受けておいて、矢を大量に
ゲットしてホクホクしながら帰還したというエピソードにちなんだことわざ。
矢を貰ってしまっているのですが、三国志演義のその回のタイトルが
「用奇謀孔明借箭(奇謀を用いて孔明箭(や)を借りる)」となっているので
そんなことわざができたんでしょうね。
このことわざの使い方はおそらく、
ジャイアン「この漫画は俺様が借りてやるから感謝しろ」
スネ夫「ひどいよ。ジャイアンそんなこと言っていつも《諸葛亮が矢を借りる》じゃない」
诸葛亮吊孝(諸葛亮の弔問)――見せかけだけで真心がないこと。
三国志演義の中で、手強いライバルだった周瑜(しゅうゆ)が亡くなって
内心では喜んでいそうな諸葛亮が、お葬式では大泣きして周瑜の死を
悼んでいる姿がとてつもなく嘘っぽいことからできたことわざ。
このことわざをどういう時に使うのかと考えていたら、
なんとなく「3年目の浮気」という歌謡曲の歌詞を思い出しました。
平謝りされても、どうなんだか……その謝罪は《諸葛亮の弔問》なんじゃないかしら……。
诸葛亮当军师(諸葛亮が軍師になる)
――名目上は副だが実質はトップであることのたとえ。
諸葛亮が劉備(りゅうび)の軍師になって以来、自分の立てた戦略に
のっとって劉備を思うがままに動かしてきたようなイメージがあるんでしょうかね。
三国志演義の中には劉備に策を取り上げてもらえなくてガッカリしてるような
シーンもけっこうありますが……。劉備の息子の代になって宰相として
独裁体制を敷いたことまで込みでできあがってるイメージかもしれません。
このことわざの使い方としては、誰かを矢面に立たせて自分は安全な
ポジションから事態を思うがままに操ってやろう、なんてたくらんでる
人の頭の中のせりふですかね。フフフ……《諸葛亮が軍師になる》さ……。
三国志ライター よかミカンの独り言
諸葛亮に関しては、めっちゃ賢いというイメージと、
賢いけどずるい時もあるというイメージがあるんですね。
さて、曹操、張飛、諸葛亮と三回にわたって書いてきましたことわざシリーズですが、
実はこれ、「歇后語」といいまして、前の句と後の句が一セットになった言葉遊びです。
「諸葛亮の弔問とかけまして、○○と解きます。その心は、
見せかけだけで真心がない」というようなノリです。
「○○と解きます」の部分がないから、とんち要素はありませんが、
三国志キャラのイメージを使って他のことをたとえるというのは
よくできた言葉遊びですよね。
そういうものが確立するほど三国志の登場人物たちが愛されているという、ご紹介でした。
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